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お酒シリーズ短編集  作者: Ppoi
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カシスオレンジ

カシオレみたいな恋をしよう。


甘くて苦くて酸っぱい恋。


俺がオレンジジュースなら、あのひとは、カシスのお酒。


甘くて酸っぱいのが俺なら、あのひとは苦い。


二人が混じるとカクテルになる。


大人の魅力でいろいろ教えてもらった。


でも、やっぱり俺は、あの人のずっとにはなれなかった。


俺とあの人は、同じだから。


同じだから、一緒にいることを許されない。


初めからずっとわかっていた。


俺は遊ばれてるだけなんだって。


「いやっ……離れたくない……」


俺はなりふり構わず、すがりつく。


「わかるよね?」


「わかんないよ……」


「君は、オレンジジュースみたいに甘くて酸っぱい」


「いやだ!」


「君とやっていけない。君とは一緒にいられない。ずっと一緒にいることはカクテルみたいに甘くない。苦い苦い現実と結婚する。さよなら」


あの人と快感に喘ぐことは、気持ちよすぎた。現実なんてどうでもいいくらい。ずっと続いてほしいと思ってた。


「振られちゃった」


涙を流しながら、顔を上げた。


隣の住人だった。


「別れ話は、アパートの玄関でするものじゃないよ?」


「……ごめんなさい」


「話、聞いてあげるから、こっちにおいで」


新しい恋の予感がした。


俺はその人に寂しさのあまり抱きついてしまった。


その人は、甘いカシスジュースだった。


「オレンジジュースと、カシスジュースでお子ちゃまの飲み物だね。俺たちの恋みたい」


甘々の恋人に話しかける。


「子供の恋っていうの?」


「そうは言ってないよ。甘くて美味しい。俺にぴったり」


恋人の肩に頭を乗せて俺は幸せな気分になる。


「まったく」


恋人は、優しく笑った。アパートの隣の部屋で、多い時間一緒にいれる。幸せで、ずっといっしょにいたいと思えた。


「カシスオレンジみたいな恋より、自分に合った恋のほうがいいね」

2017.02投稿

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