一章:第四話「並列迷宮と日記」
哉芽+司+咲+明音side
?月?日
―哉芽side―
さて、これからどうしたものか。考えても埒が明かないので、動いた方が良いだろう。
先程明音とはぐれてから、数時間が経ってるにも関わらず時間が経ってないように感じる。
―同じ場所を回って気付かなかったが、どうやら部屋は全部同じ空間のようで回ってる時に物を落としたら別の理科室でも壊れた物があった。
書き置きをしたら恐らく、別の部屋でも書き置きが現れるだろう。
―ゲームならこれがセーブポイントだな。
―司side―
咲君が甲冑が襲われそうになった瞬間に助ける。
良いぞ、これなら好感度が上がるだろう。
「―おい!木偶の坊!お前を作った奴は粗大ゴミしか作れんようだな!」
あいつが甲冑のまま動いているのであれば、甲冑を馬鹿にすればこっちに来る筈だ。
「――――――!」
―ッ!?なんだ今のは!?空気が震えたぞ。不味い、逃げなくては、奴は完全に怒ってる。
「逃げるぞ!京樹あいつは本気で狙いに来る!」
―命がけの鬼ごっこが始まった
―咲side―
え?司君?な、なんで煽って...
―!?み、耳がキーンってなる...
―私と美悠ちゃんはあの甲冑から発せられた何かに当てられて気を失った。
―明音side―
あれ?兄様どこですか?私を置いて行かないでください。
―置いて行かれた、そんの事を思うと自然と涙が出た。でも、確かに手を繋いでいた筈だ、はぐれる事なんてない。ずっと近くに居た兄様が居なくなって恐怖が私を少しずつ蝕んでいくのが解ります。
「―探さないと。兄様はきっとは私とはぐれて心配してるに違いません。」
そんな時、理科室から硝子が割れた音が聴こえた。兄様?もしかしてそっちに居るんですか?
自然と兄様が居るような気がした、理解室を覗くと誰もいない。入ってみましょう、心を落ち着かせて扉に手を掛けた、その時―ガシャン
もう片方の扉が開けられた、兄様ならなんて言うのでしょう。
―理科室に入るとビーカーが床で割れてる事以外何もありませんでした。部屋を出ようとした時、何かが落ちた音が聴こえました。
「ノート?これは、兄様が何時も持ってる予備ノートじゃないですか。」
―兄様は近くに居る、だけど視えない。兄様は恐らく何かに気付いたんじゃないでしょうか。
ノートを広げると「ノートに示す。各部屋で起きる事は別の同じ部屋にも起きる、注意されたし。」
もしかして兄様は、別の理科室に居るのでは?ならさっきの音は別の人が甲冑から逃げてる―
―ガシャン
―不意に扉が開いた、そこに居たのは息を切らした、司さんと京樹君でした。