一章:第三話「蠢く悪意と並列空間の贄」
司+明音+哉芽side
?月?日
―司side―
馬鹿な...中に人が入ってる説を疑ってたがあれはまさに【化け者】だ
「おい!てめぇ咲公見捨てる気か!?」
チッ鬱陶しいなぁこいつ
「今出たら間違いなくこっちに来るだろう、それでも助けるのかい?」
「さっきの放送聴いてたろ!?すれ違いでも触れれば終わるかも知れねぇだろ!」
「君本気でそれ思ってるのかい?あの甲冑と放送の声の主が共犯かもしれないんだよ?」
それに上手くあいつを利用すれば手を汚さずゴミを駆除できるかもしれない。
―さて、彼女を助けて将来妻の為に周りからポイントでも稼ぐか。
―明音side―
悲鳴みたいなのが聴こえた気がするのです。
「なぁ本当にこっちで合ってるのか?さっきから地図に無い場所歩いてないか?」
「「そんな非現実的な物は存在しない」兄様が何時も言ってるじゃないですか。そんな場所ありませんよ。」
そうです、例え地図に載って無い場所でも私は兄様が居れば―
【――――――】
何の音でしょう...
「兄様今変な音聴こえませんでしたか?」
あれ?ニ イ サ マ ガ イ ナ イ
―哉芽side―
「やっぱ地図に載ってないぞ―ってあれ?手を繋いでたのにはぐれたのか?」
さっきから通ってる道は明らかに廃校舎なのに廃校舎ではない何処かに出てしまってる。
「...これは演出じゃなくて、まさか本当に?」
だとしたら妹が危ない、さっきまで手を繋いで話をしてたのに何時の間にか居なかったかのように消えた。
「探さなければ...」
恐らくそんなに離れてる場所に居ないだろうが、他の皆と合流しなければならない。
「...本当にここはどこなんだ?」
―僕は何処に迷い込んだんだ?