一章:十四話「日記の切れ端ともう一つの世界」
明音+美悠side
―明音side
兄様―今何してらっしゃるのでしょう・・・私は少しばかり寂しくて辛いです。早く会いたいです。
兄様の事を考えないとあの男の顔がちらついて恐怖に苛まれそうになります。
どうしてあの男は、私を追いかけて来るのでしょう?私は兄様と一緒に居たいだけなのに。
あの男にもしかしたら殺されるかも知れない―そう考えると涙が出てしまいました。
「駄目ですね私、まだ弱気になってはいけないのです。」
ハンカチを取ろうとしてポケットに手を入れようとしたら横に合ったダンボールに肩がぶつかってしまい落ちてしまいました。
その時ドアの前に人影が視えて―あの男かも知れない。そう思ったら急に涙が止まらなくなりました。
―だけど来たのは、あの男ではなく咲さんと美悠さんでした。
「―あれ妹君かい?ちょ、ちょっと何でそんなに泣いてるんだい!?」
他愛のない間の抜けた声が私を安堵させました。
―ありがとう美悠さん
―美悠side
どうすれば良いのだ...何故か泣いてる妹君が少し安堵した表情でこちらを視ている。司君に何かされたのだろうか?そう思ってると妹君が口を開いた
「随分間の抜けな声ですね、美悠さん」
辛辣ゥ!何で第一声がそれないんだい?!―だけど良かった無事で。
「ふふっ良かったね美悠ちゃん、明音ちゃん見つかって。」
妹君に大事が無くて良かった、これなら哉芽君も喜んでくれるだろう。
「そうだな、これなら哉芽君に良い報告が出来そうだ。」
「そいえば、咲さん隠れてる時にこれ見つけたのですが、咲さんはポエム書くのですか?」
そう言って妹君が差し出したのは、咲ちゃんの日記によく似た紙だった。
「―美悠ちゃん、またこれあるね」
先程も職員室で見つけた物と同じく何かが書かれていた。
≪私達があの場所から出て――週間が経った。――になった明音ちゃんは私達以外の誰も覚えてすらない所か居た事が無かった事になっていた。
私達は、侮っていた司君が明音ちゃんを――して――にするなんて思ってなかった。
私達の会話が聴かれてたなんて気付かなかった。
あの日以来哉芽君が人が変わってしまい、少し怖く見えてしまいました。もう―あの時のように話せないのかな≫
また所々掠れて解らない所がある、だがこれはどういう事だ―?