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魔王の血筋  作者: 黒白猫
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ユリア・エルトール

ユリア・エルトール

七大魔将ガルトス・エルトールの娘である。

ガルトスは元々平民であり。強さのみで成り上がった人物だ。


ガルトスとその妻はなかなか子供には恵まれなかった。産まれた時は大層嬉しかったと言う。


ガルトス自身忙しく中々子供には会えなかったが会えた時は大層可愛がった。

娘が幸せになるにはどうすれば良いか。常々考えていた。


ユリアは小さい時から聡明で父親がどんな仕事をしているか、どんな地位にいるか知ってたし憧れていた。自分も父親のような立派な人に成りたいと常々思い、早くから魔法書を手に取った。

幸いガルトスの血筋か魔力は沢山あった。

ガルトスは魔法は苦手だがユリアは独学で魔法の基礎をすぐ行使できるようになった。


正直ガルトスからしたら魔法なんか覚えずに女性として幸せになってほしかった。ガルトスが軍で働いてるため。軍での辛さや仲間が死んだ時の悲しみは人一倍知っているのもあったのだろう。でも子供のする事だと思い何も言わなかった。

ユリアは更に独学で勉強した。将来は父のように成りたいと。最初は怖かったが魔物も魔法で殺したりした。8才になった時には熟練の魔法師並の技術力がユリアにはあった。


ユリアは父親に喜んで貰おうとその事を話したが初めて父親に怒られたのだ。魔法を使う事を禁止すると。魔物と戦うのを禁止すると。

ユリアは相当ショックを受けたのだが、それでも魔法師になる為勉強をした。強くなれば父親に認めて貰えると必死で努力した。


だけどある日父親はユリアの結婚相手を決めて

きたと言われたのだ。

その相手は王子だと言う事を言われた。

信じられなかった。本当に信じられなかった。

初めて父親に怒鳴った。泣いた。

どうして勝手に決めるのかとユリアは嫌で嫌で仕方がなかった。幾ら次期魔王だからと言ってそんなのユリアには関係ない。顔も見た事がない人の所へ嫁ぐなんて死んでも嫌だった。

結婚相手は自分で決めたい。好きになった人と結婚したい。


ユリアは父親に内緒で冒険者になり自分を鍛えるため、そして学院に入るためにお金を稼ごうとした。家にお金を出して貰うなど絶対駄目だ。父親と並び超えるためユリアの目標は七大魔将になった。そうしたら父親もユリアに対して何も言えないだろうと。最先端の魔都にある学院に入れば軍では有利になる。そのため、ユリアは休まず内緒でギルドに通い続けた。

そしてユリアはある日たまたまBランクモンスターの飛竜を倒す事に成功して学院の費用がたまり、母親に学院へ入りたいと言うと応援すると言ってくれた。


其処からは試験を受け合格した時は嬉しかったが、順位に対してはどうでもよかった。しょせん受験生の中での順位、興味がなかった。

そして、入学式が始まりアルと言う魔族が11位で、決闘をすると先生が言った時少し驚いたがやはりどうでもよかった。入学式が終わりみんなに決闘を見に来いと先生が言った時正直嫌だった。そんな事するヒマがあるのなら訓練をしたり勉強をした方が良いとユリアは思った。


そしてユリアは遠見のメガネを渡され観客席に座る。だがユリアは決闘よりもメガネの方が興味深かった。メガネを弄ったりしていると決闘が始まる。一瞬‥‥そう一瞬の出来事だった。

言葉も出なかった。転移と言うのはユリアも知っている。転移を使える様に血の滲む様な努力もした。転移を使える様になった時は本当に嬉しかった。使えるからこそわかる。あんな転移は見た事がない。普通転移を行使するには複雑な魔法式を構築する必要があるためどうしても時間が掛かる。と言うか魔法陣が見えなかった。

ユリアはアルには絶対勝てないと心の底から思った。

だからアルに師事して貰えれば強くなれると思った。七大魔将になる為に‥‥。


(ガルトスのおっさん‥‥‥そんなの俺は聞いてないぞ)

アルは額を押さえてユリアをみる。

「なぁ、もしその王子との結婚がなかったらどうすんだ?学院やめるのか?」


「いえ、確かに結婚が嫌だから七大魔将に成りたいと思ったけど、今は本当に成りたいと思っているわ」

とユリアは真っ直ぐアルを見る。


「ゔーん」

(と言う事はガルトスにその事を取り消させても意味がないか。一応ガルトスに会った時殴っとくか)

アルは腕を組み考える。

「いいんじゃないかな?ついでに僕も教えてよ。剣の魔力付与の魔法式教えてくれるんでしょ?」

コラスはアルを見て言う。

「うん?あぁそうだな。良いぞ2人の面倒を見よう。唯1つだけ、魔闘大会が終わってからにしてくれ。自分の鍛錬したいからな」

とアルはユリアとコラスを見ながら言う。


「ええ、此方が教えて貰う立場なんだから文句はないわ」

「僕も問題ないよ」

とユリアとコラスが言う。

「魔闘大会は1カ月後だったよな。俺その間学院休むから」

とアルは言う。

「そうなの?どうして?」

とユリアはアルを見て言う。

「取り敢えず死の森でひたすら実戦だな」

「「死の森!!!」」

とユリアとコラスは驚きの声を上げる。

「死の森って超危険地域じゃない!!」

ユリアは興奮してるようだ。

「んっ?まぁたしかにな。今死の森の3分1とちょっと踏破してる」

「あんな場所入る人なんているのね‥‥‥ねぇ私も一緒に行ったら駄目かしら?絶対邪魔しないから!!お願い!!」

ユリアはアルに頭を下げて言う。

「僕も行きたいかな。学院よりも勉強になるだろうし」

とコラスが言う。

「うん?別に良いぞ。1人や2人守れるしな‥‥そうだな‥‥じゃぁAランク以下の魔物と闘ってくれるか?実力を見ておいた方が良いしな。Sランク以上と変異種は俺が貰う」

とアルは2人を見ながら言う。

「わかったわ。いつ?」

「明日からだな。明日9時に学院前の門に集合な。コラスもそれで良いか?」

「良いよ9時だね」

「うしっそれじゃあ授業行くか。かなり話し込んだ」

周りを見ると誰もいない。

ちなみに学院は単位とかはなく。授業は自由参加だ。怠けたら自分に返ってくるし、軍で有利になるには順位が高くなければ意味がない完全実力主義だ。

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