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魔王の血筋  作者: 黒白猫
6/10

アルは目を覚ました後ご飯を食べて軽く鍛錬をする。その後湯浴みをしてサッパリしたあと学院に行くために支度をする。


アルは宿屋から出ると学院に向かって歩き出すギルドを過ぎてしばらく歩くと左手に学院の門が見えてくる。人が混雑し過ぎてアルはようやく門に到着する。門に入って左側に大きく白い掲示板がある。合格者番号が書かれているようだ。嬉しくてはしゃいでる人泣いてる人落胆している人と様々だ。アルは人が多過ぎて掲示板に近寄れないため目に魔法式を構築して遠見を発動する。

(.......,969、971、978あった!!)

アルはホッと息を吐く。掲示板の右側を見ると順位が書かれている。

1位アル・ボンベ 2位ユリア・エルトール 3位ジルド・ホレスト‥‥‥‥

順位は実技のみで表す。

アルは偽名を使っている。この事を知っているのは理事長だけだ。理事長とアルの母親は旧知の仲なのだ。ちなみにアルが試験で再生の魔法式を完成させたのは、アルの母親と言う事になっていて、試験管には箝口令が敷かれている。

理事長とアルの母親で話しがついたがアルは知らない。


(まぁ何となく上位だとは思ってたが、1位だとは思わなかったな。所詮実技は魔法だけだったし、強さは関係ない。確かエルトールってガルルトスのおっさんだよな)

ガルトス・エルトール、魔王の側近で七大魔将の一人だ。七大魔将とは人間で言うと大将軍だ。軍では平民、貴族は関係ない。上から七大魔将があり、貴族より格上だ。その下に順位があり。1位のみが七大魔将に挑戦できる。順位は戦功によっても変動する。

ちなみに別の学院で勉強した者で戦略、戦術が得意で多大な功績を挙げ続けた魔族は七魔将と言われる。七魔将の下には順位がなく。戦争時七大魔将の副将に組み込まれる。戦争時は七大魔将はトップだが通常時は七大将軍と七魔将は同格である。


ガルトスは兎に角顔が厳つく身体が筋肉の鎧で大きい。アルにとったら苦手な奴だ。アルの父親の親友で、アルが何度ボコっても挑んでくる肉弾戦が大好きなオッさんだ。アルにして見れば弱いが。魔族全体からすれば滅茶苦茶強いのだ。七魔将には入れ替わりがあり弱い者には務まらない。2000年以上ガルトスは七大魔将らしい。


1学年のクラスは63クラスあり、1組から63組まである。1クラス50人前後だ。クラスはランダムだ。

(クラスは7組か。)

合格者は実技をした訓練場へ行くようにと書かれている。

アルは訓練場に行く

訓練場に行くと合格者たちがクラス別に並んでいる。先生だろうか座って何かを書き順番に用紙を渡している。アルも7組の列に並ぶ。

みんな少し緊張しているようだ。


アルは列に並んでいると誰かに肩をトントンと叩かれる。

「ん?」

アルは振り返る。

「君も7組だよね。僕はコラス・ペンテスト。よろしく。コラスって呼んでよ」

「ペンテストって七大魔将の?」

「父がそうだね」

コラスが微笑む。

「へぇー俺はアル・ボンベよろしく普通にアルと呼んでくれ」

「おぉ、アルって1位の?」

「そう。その1位のアル」

「すごいね。僕魔力は多いけど放出系は苦手で順位は下から数えた方が速かったよ。剣は得意なんだけどね」

「流石【剣魔】の息子だな、剣術も父に習ったのか?」

「そうだよ。アルは武器何つかうの?」

「俺はこれ」

とアルは手を見せる

「あぁアルは放出系魔法師なんだね」

「いや、放出系も得意だが肉弾戦も得意だ。武器は素手だ」

と言いアルは手に魔法式を構築して魔力を縫う。

「い、今の何?魔力を縫ってるね。僕も剣に魔力は縫うけど、これは見た事がない。凄い魔力が込められているし、魔力がもれてない」

普通に魔力を縫うと魔力は外に漏れて行くため魔力の使用量が激しいのだ。

「俺が創った魔法だ」

と言い魔力を消す

「すごいね!!それ僕にも教えてくれない?」

「もちろん良いぞ。剣にも使えるしな」

「ありがとう!!いやー楽しみだなー」


と喋っているとアルの番になる。

「名前は?」

「アル・ボンベです」

「えーとアル・ボンベはこの腕輪だな。この腕輪を付けて待っていてくれ。帰ったら駄目だぞ。あっ、その銀色の腕輪ギルドのだろう。別々の腕に付けておく様に」

青い腕輪と用紙を渡される。

「分かりました」

とアルは言い列から外れる。

そして、コラスも腕輪を貰いアルと喋りながら待つ。

全ての生徒が腕輪を貰ったあと。拡声魔法で女性が喋る

『みなさん。合格おめでとうございます。

では、まず腕輪を見てください。』


皆んなが腕輪を見る。


『それに魔力を少しだけ流してください。その腕輪は生徒の身分を表す物です。名前、クラス、順位、魔法の種類、寮の部屋番号が映像で表示されているはずです。詳細については用紙を見てください』


学院にも軍を模範して順位がある。

順位が高ければ高いほど軍に入った時高順位から始まる。学院の順位の上げ方は挑戦、魔力量、魔法の種類がある。ただ10位からは挑戦のみでしか上げられない。ちなみに他の学院には順位はない。

アルが楽しみにしているのが順位だ。隙あらば1位の奴と勝負したいと思っている。学院の頂点だ。


学院では軍と同じで強さが全てだ。

貴族だからと言って偉そうにする奴はいない。

偉そうにすると恥をかくのだ。


『順位の上げ方に魔法の種類とありますが、今は0になっていますが、1種類に付き一回数字が上がります。各自使える魔法を使用しておいて下さい。只魔法式を使用出来るだけでは駄目です。下級魔法は5秒以内で魔法式の構築で1ポイント、中級魔法は10秒以内で魔法式の構築で2ポイント、上級魔法は20秒以内で魔法式の構築で3ポイント、と、それ以内に発動出来ないとカウントされません。最上級魔法は5ポイントで秒数はありません。魔力量は既に腕輪が読み取っています。魔力量が少ない方や魔法が苦手な方は上位者に挑戦して順位を上げて下さい。

勝てば、勝った人の順位に繰り上がります。

挑戦する方は必ず先生に報告して下さい。

挑戦を受ける方は必ず受けて下さい。ですが、あまりにも実力が離れている等先生が判断し許可が下りない場合があります』


アルの順位は3432/11257位となっている。

流石に魔力量だけでは順位は低そうだ。


『寮関係についてですが、女子寮の場所は学院の右隣で、男子寮は学院の左隣です。詳細は各自用紙を見ておいて下さい。学院内では女性は必ずズボン着用です。

各各汚れても良い服で登校するように。一年生は5階と6階です。これで以上になります。

明日が入学式になりますので9時には教室に入る様にして下さい。必ず遅れないように。以上解散』


「アルは寮何号室?」

「俺は194号だな。コラスは?」

「いいなー多分194号は1階だよ僕は10階の1026号だね階段が辛い」

「そっか。取り敢えず寮行くか?」

「そうだね」

アルとコラスは喋りながら寮に向かって歩く。

ちなみにコラスはアルに順位を見せると7256/11257位だった。アルはコラスに順位を見せると驚いていた。


アルとコラスは寮に付く。


「それじゃぁ俺は一度部屋に行った後泊まってる宿屋に荷物取りに行くからまた明日」

「うん、そうだね。それじゃー」

アルはコラスと別れると部屋に向かう

寮の外観は四角形で兎に角大きい。

白色の石造りで木製のドアで色は灰色だ。

中心には魔方陣が描かれている。

一階に付き約100部屋で16階まである。


アルは部屋の前に行くと、先程貰った用紙の寮の項目を見ながらドアに魔力を流す。

一度魔力を流すと本人でしか開ける事が出来ない様だ。もう一度流すと鍵が掛かる。

この部屋から退室する時は管理人が前の住人の魔力を特殊な魔道具で消すようだ。


アルは部屋に入る。綺麗な白い壁で長方形の8畳1部屋。部屋には台所があり、部屋の壁にトイレとドアの2つがあり、トイレは洋式で風呂は体を洗う場所と1人用の浴槽がある。浴槽の底には小さな穴が無数にあり排水口がある。風呂場の壁には魔方陣があり少し魔力を流すと浴槽の底から湯が出てくる。

(部屋には魔冷庫があるようだが飲み物だけ入れて置くか。飯は学院で良いだろう。取り敢えず買い物だな)

アルは宿屋に転移して、荷物を取り宿屋からでる。それから何度も転移で往復し買っては部屋に置きと、必要な物を買い揃える。ついでに買い食いもする。

買ったものは石鹸、飲み物、ベット、衣類、靴、タオル等だ。

買い物を終わらせアルはベットに寝転がる。

「ふー」

(取り敢えず明日早く学院行って訓練所で魔法連発して順位上げるか)

時間はまだ昼頃だ。

(ヒマだし死の森に行くか)

アルは立ち上がり靴を履き死の森に転移する。

アルが燃やした森の中だ。

転移すると目の前にオーク六匹が焚き火を囲んでゴブリンを食べている。アルはそれを一貫して無視して先に進む。

「ブモォォ」

オーク達は立ち上がり木の棒やボロボロの槍を持ちアルに襲いかかる。

(面倒臭い‥‥)

アルは前の森の中に転移して走る。

オークは周囲を探している。疑問でいっぱいだろう。

アルは木の枝を拾い鼻歌を唄いながらピシッとピシッと木を叩きながら移動する。


2時間程歩くがアルにとったら弱く見知った気配しかしない。

見つからない様に進む。


更に1時間歩くとアルは知らない気配を察知する。


(おっ?かなり強い気配だ)

アルは身体強化魔法を発動して走る。すると木々が急に途切れる。


アルは今野原に立っている。

(あぁ、風が吹いて気持ちが良い)

左右、前を見るが砂漠の様な高低差があり森が見えないがかなり広そうだ。

(こんな野原、死の森にあったんだな)

約200メートル先には魔物らしきモノが寝そべっている。


遠見の魔法を使うまでもない。大きい竜がいる。アルはあの竜を本で見た事がある。

始源竜。世界最古で一番初めの竜と言われ何千万年も生きてると本に書いていた。【神竜】とも言われている。

神族の子分だよ、とアルの父親は言っていた。色は真っ黒で全長は50メートルぐらいだろうか。

角はおでこから左右に2本づつ後ろに向かって生えている。


(カッコイイ)

アルはそう思いながら竜の元へ歩く。

『止まれ。魔族』

と頭に野太い声が響く。

竜はこっちを見て、犬のお座りの様に身体を起こしている。

アルは歩きながら拡声魔法を使う

『なぁ、お前クソ神の子分なのか』

『誰に口を聞いている。それに我が主を愚弄するか』

『そうか。じゃぁお前を殺したら神の嫌がらせにはなるか。第一クソ神の子分の分際で誰に許可を得て魔族領に入ってんだ?』

『魔族如きが吠えるな。我にとれば魔族など塵に等しい。塵に何故許可を取らねばならぬ』

『それじゃあ神の子分が何故塵にも等しい魔族に攻撃を仕掛けないんだ?神と繋がりがあり魔族を塵と思うなら攻撃をしてくると思うが?』

『ふん』

『お前、魔王にビビってるだろ。昔の魔王に何かされたか?』

『黙れ小僧!!!死ね』

竜は怒り口を開け直径10メートルの火球を吐く。

(短期だなー)

アルはそう思いながら指先に10メートルの魔法陣を展開する。斜め上に魔方陣を向ける。魔法陣が大きくて少し地面に埋まっている。埋まっていると言うより、この魔法陣は物質ではないので、すり抜けてる様な感じだ。火球が魔法陣に当たると火球が一瞬で20メートルになり跳ね返る。

【反射】をアルが改良した魔法だ。普通はそのまま反射するが、改良した反射は魔法を倍にして返す。

火球は竜に向かって行くと結界に阻まれ火球が消える。

(あれは、【反射吸】)

魔法を吸収する高等魔法だ。

(迂闊に魔法は撃たない方が良いな)

アルは手足に魔法陣を展開して魔力を縫い魔法陣が消える。更にもう一度身体強化魔法を掛け直し魔力を多く込め竜の頭の1メートル上に転移して、身体を捻り、身体を地面と水平にして腕を引き本気で頭に打ち下ろしの拳を打つ。竜の頭は地面に激突する。ガガンと拳打の音と地面の音がほぼ同じに響く。竜の鱗が砕け血が飛び出す。だが直ぐに再生が始まる。竜は頭を上げようとするが、

アルは自分の上に、この体勢では背中に10メートルの魔法陣を展開して、持続魔法【重力操作】を使う。竜の頭が重くなり地面に再度つく。落下速度を加速させて腕を引きもう一度先程殴った場所に寸分違わず頭に打ちおろす。拳が肘まで竜の頭に埋まる。竜は吠えているが無視して頭の中で3メートルの魔法陣を展開して一瞬で【黒雷砲】を放ち、竜の身体の中を黒い雷でズタズタにする。【重力操作】が切れる。

竜はぐぎゃぁぁぁぁと吠えて身体を仰け反る。

竜はお座りの様になっている。アルは腕を抜き立ち上がり転移して竜の腹の前に立ち、斜め上の竜の心臓辺りに手を向けて10メートルの魔法陣を展開させる。この魔法は魔力消費が激しいし明るい時しか使えないがアルの魔法では一番貫通力がある。溜めに数秒掛かるが黒雷が竜の身体を走り硬直している為10メートルの魔法陣ならギリギリ間に合だろう。周りから光を集めアルは魔力を込めていく魔法陣の前に帯電した光球が段々大きくなり直径10メートルの大きさになると竜に向かって帯電した熱線を放つ。所謂特大レーザーだ。【白熱砲】光属性と炎属性と雷属性の混合魔法だ。この魔法は最上級魔法で、この魔法は魔族の中ではアルにしか使えない。

過去に唯一使えたのが【魔極】の異名を持つ2代目魔王だ。ちなみにこの魔法を考えたのも2代目だ。

一瞬鱗で止まるが直ぐに貫通する。魔法を止めて竜を見るとトンネルの様にお腹が丸にあいている。腹の向こうに空が見えアルは綺麗だなぁと思っていると竜は前のめりに倒れる。アルはあいた腹の中なので安全だ。気持ち悪いので竜の上に転移する。

(よしっ再生しないな。やっぱり人型の方が戦闘は楽しいわ)

竜や魔物には魔石と言う核が存在する。

高位の竜は核を破壊しない限り超高速で再生するのだ。この竜なら首を落としても再生するだろう。しかも核は拳ぐらいの大きさで個体によって場所が違うからタチが悪い。アルは竜がもしこれで死ななかったら魔剣を召喚しただろう。

(さて、これどうするかな‥ギルド持って行ったら騒ぎになるし。金も困ってないしなー。城に持って行くか)

アルは竜の周りに結界魔法を使い北門に転移して門を潜った後城門に転移する。

(父上は執務室かな)

門を潜り執務室前に転移して扉をノックする。

「アムルスです」

「どうぞー」

アルは部屋に入り扉を閉める。

「やぁ4日振りだね。どうしたんだい?」

「父上が昔言ってた。神の子分で竜の話し覚えていますか?」

「うん、覚えてるよ。それがどうかしたかい?」

「その竜とさっきまで闘ってて殺したのですが、城ま‥」

「ちょ、ちょっと待って」

アルの父親のユートがアルの言葉を被せて言う。

「あの竜殺したの?」

「はい」

「どうやって?」

「【白熱砲】です」

「ほー。すごいね、僕も実はあの竜と闘った事あるんだけど相性が悪くてね‥‥殴っても殴っても再生されたよ‥普通は再生能力があってもいづれは再生しなくなるんだけど、あの竜は先が見えなかったね」

「俺の場合はたまたま核を撃ち抜けたので良かったです」

「そっか。それでその竜は?」

「はい。その事なんですが。城に持ってきて研究者達に上げようと思ったのですが、魔都の結界で転移出来なくて」

「あぁなるほど。そういえばアルに渡すの忘れてたね。ちょっと待ってて」

と言いユートは転移する。

すると直ぐにユートは戻って来てアルに首飾りを渡す。

「本当は成人になったら渡そうと思ったんだけど、この首飾りをつけると魔都や城に直で転移出来るから」

「おぉこれは有り難いです」

と言いアルは首飾りをつける

「それじゃその竜、城の訓練場の出入り口寄りに持ってきてくれるかい?僕が訓練場の兵士達に言っておくから」

「分かりました。では、行ってきます」

アルは転移で竜の元へ行く。

そして訓練場にいる兵士の移動時間があるため少し時間を置いて訓練場に転移する。


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