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2.入場者 入場拒否者


 それから3度、夜と朝を迎えた・・・・


 4度目の昼。

 もうかなり心が疲弊しきっていた・・・・その時、変化が訪れた。


(・・・・・?)


 遠くから音、声が聞こえる。そしてそれはだんだん近づいてきて、


「グギャ!ギャ!」


 確実に聞こえる距離までそれが迫った。

 固まりかけていた心に一気に緊張が走った!

 鳴き声から察するに3日前のあの緑色の生物のようだ。ただ、


「ギャギャ!」

「グギャ!」


 どうも1匹じゃないみたいだ。しかも何やら争っているみたいな喧騒。

 扉の前あたりで声やら音が聞こえてくる。


(な、何が起きているんだろう・・・・怖い・・・・でも、気になる・・・・)


 見えない状況に不安が募り、扉の向こうへと意識が集中する。


(少しだけ、ほんの少しだけ扉を開けて外を覗けないかな・・・・)


 そう考えて扉を見ていると、扉が自分の手足のように動かせる感覚が伝わってきた。

 行けそう!そしてその思いは見事に叶い、扉は動き、ただ


「ギィーーッ、!」


 ほんの少し隙間を開け覗こうとしたのにいきなり全開に扉は開かれてしまったのだ。


 全開に開かれた扉の外。


「グギャ・・」


 緑の怪物が3匹、部屋の中を見ている。

 体格の大きいのが1匹と、その隣に大きくはないけど身長が高めなのが1匹。その2匹よりもこちら側に縦にも横にも小さく小柄なのが1匹。どうやらその小さいのはところどころけがをしているみたいだ。

そして、、


(3日前、窓から覗いていた子・・・)


 人とはかけ離れている姿だけど、輪郭、表情、背丈で確かにあの時のだと気付いた。

 しばらく唖然と見ていたがやがて後ろの大きい1匹が、


「ギャギャ!」


 突然前の小さいのに殴りかかった。

 小さいのは逃げるように前に進みそのまま部屋へと入ってきたのだ。





□ □ □ □ □


入場者  1


名前  1720233

種族  ゴブリン


□ □ □ □ □



 突然視界の左上の方に白い文字が現れる。

 じっと見つめると入ってきた小さい緑のに白い枠が付きその真横に文字が羅列する。



□ □ □ □ □


名前  1720233

種族  ゴブリン

状態  出血(軽傷) 疲労 空腹

レベル 1

HP   8/20

スキル 魔族言語LV3

    人族言語LV2


□ □ □ □ □



(え?ええ?!)


 緊迫した状態からさらに意味不明な事が起き少しパニック状態になる。

 そうこうしているうちに後ろから迫る残り2匹も部屋に入ろうと近づき、しかし、


「ギギ?!」


 後の2匹は開かれて解放状態の扉が合った場所で突然壁があるかのようにぶつかり尻もちをついた。


「ギャ!ギャ!」


 2匹は叫びながら見えない壁をこぶしで叩きまくる。

 初めに入った1匹は振り返り唖然とした顔でそれを見ていた。

 見えない壁に阻まれ怒り狂う2匹が石を拾い投げつけてきた。当然壁に阻まれ、、


(え?きゃ!!)


 阻まれることなく石はそのまますり抜け、1つは入っている子に当たりもう1つは外れて地面に落ち、そして、地面に落ちた時に私に痛みが走った。

 大した痛みではなかったけどそれでも突然痛覚を刺激されて焦りと恐怖が生まれる。


「グギャ!ギャ!」


 2匹はどんどん石を投げ込んでくる。初めに入った傷だらけの1匹はたまらず奥へと入ってきて、中央の窪みの中に転がり落ちるように身を隠し縮こまる。

 しばらく石を投げ続けていたが入り口からは見えない位置に逃げられ当たらなくなったので、


「グギャ!」


(痛!)


 透明じゃない土の外壁部分を蹴ってどこかへ去って行った・・・・・

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