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棄てられた楽園 駆竜人ピウィ  作者: 青河 康士郎 (Ohga Kohshiroh)
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降星大戦ーポエルの話12

 死を恐れることのない戦士がどれほど恐ろしい働きをするか、目の前の少年たちにはわかるはずもない。それを知らぬままにいてくれればどれほどよいか、ポエルは願うばかりであった。が、既に始まってしまった事態を知っているだけに、そうとはいかない行先に少年たちの無事を祈ることしかできなかった。


「蛇人兵、両生類兵は復活する。肉体は朽ち果ててもしばらくすると、死したはずの同じ記憶を持つ戦士があらわれた。パロミラル側の戦士から得た幾つもの証言が残っている。確実に息の根を止めた蛇人と、再び戦場で目見え、本人にしか知り得ぬ自身の最後を克明に語る。似たような報告が後を絶たなかった。バテナ兵は活動を停止させるだけでは死んだことにならない。脳と心臓を確実に破壊しないと、粘膜の繭を湧き出させ自己修復してしまう」


突然寒さが襲ってきたように二人は、同時にブルっと背筋に冷たいものを感じた。


「殺しても殺し得ぬ凶悪な敵、この相手に対して意気が下がるどころか、パロミラル戦士は奮い立った。いや、伯王領住民の捧げるワールの量が跳ね上がった。連日のように血みどろの戦いを繰り広げる戦士たちの姿がそうさせた。それは惜しみなく前線の兵士たちに送り届けられた」


そう、皆が知っている。それが青巫女の力。収束ワールを制御できるのは青巫女の塔の主人しかいない。


「巫女の塔、青の間に鎮座する大水晶は青巫女様の意図のまま収束ワールを送り出し、地上、地下、上空を問わず戦士たちのワールを補助した。送り届けられるそれは青ワールと呼ばれ、人族、アードラ族、地精族、クィーカ族、と種族を問わず送られた。それゆえ住民達は戦士達の力となることを得、前線の兵士は常に独りではないことを知った。青ワールは強い意志と勇気、そして労わりに満ちていたという」

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