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第五章 回帰 その3

1930年代の上海に関する本はいくつか参考文献として読みましたが,それにもかかわらずだいぶ曖昧な描写になっています。その点ご了承いただけますと幸いです。

 

 目の前が暗転し、場面展開が行われる。次に目の前に情景が浮かび上がった時、俺は狭く薄汚い部屋の一隅に寝そべっていた。そして、窓から漏れる夜の街明りと建物の影とを俺の顔に落として、隣で小さな寝息を立てている先程の少年を眺めていた。


 印綬の記憶の中で俺と一体化したこの男は、梳くように少年の髪に手をさしのばした。小さな胸の呼吸に合わせて、静かに優しく、髪を撫でる。頬に手をすべらせながら、俺は、先程の場面の後の展開が気になっていた。


 辺りが黒に包まれる。俺が目を閉じたからだ。耳元に聞こえる少年の寝息が、徐々に小さくなっていく。まどろみの淵の中で、寝息の代わりに誰かの声が聞こえてくる。閉ざした瞼に強い光がぶち当たる。俺は再び目を見開き、身体を起こして立ち上がった。


「ウェンミン、仕事にはだいぶ慣れてきたかい?」


 あごひげを蓄えた、銀髪の紳士が俺に話しかけていた。


「慣れるも何も、ワンポーツを引くのとは使う筋肉が違うんだ、社長。三日もしないのに運転できるわけがねえだろが。」


 俺の口は勝手に言葉を紡いでいく。俺が社長と呼んだ男は、それを聞くと皺の刻まれた顔を笑みで緩ませた。


「その口の利き方は相変わらずだな。ということは元気ということか。」


 男は杖をつき、俺の横に静かに腰を下ろした。俺の腕は黒く汚れていた。目の前には蒸気機関車があり、もくもくと灰色の煙を青空へ注ぎ込んでいる。俺は白いカッターシャツを着ており、男は肩が整えられた褐色の背広を着ていた。俺たちに共通していたのは、焼けた肌の色と、胸に付けられた緑色の星だった。


「それから、あちら(・・・)の方は、どんな感じだ?」


 紳士は蒸気機関車に目を向けたまま、おそらく俺に向かった問いかけてきた。俺は黙っているので、紳士は一人で話を続けた。


「あなたに託したのは、黄の玉璽と呼ばれるものだ。それを持つ者は、この世の全ての言語を、読み、書き、聴き、話すことができる能力を手にする。これであなたの御子息にも存分読み書きを教えられるようになっただろう。」


 俺は紳士の言葉に口を挟むことなく、むっつりとした表情で、蒸気機関車が客車を引いて駅を出るのを見ていた。


「ただし、何度もあなたには言っていることだがね、あなたの手にしたその力は、ある目的に使われるために君に授けた力なのだよ。これから名も知らぬ、顔すら知らない四人の印綬の継承者が、海を越え、陸を進んで、中原の地へやってくる。あなたは、燕五使徒の中心で彼らを率いる役割を担わねばなるまい。あなたに託されたその力を使い、残りの四人と心を通わせ、よそ者が宮の土を汚す前に務めを果たさねば」


「一つ良いか、劉希亮社長兼上海駅長。」俺は紳士に向かって言った。


「・・・ああ。何かな。」


「俺は、あんたから、『使徒の任務を果たすまでは、死ぬことはない』と言われて、この厄介な任務を引き受けたんだ。残りの四人とか、宮がどうのとか、正直どうでもいい話なんだ。そんなの俺の興味じゃない。これは、了解済みの話だよな?」


「もちろん、そうだったな。」


「そのよ・・・」俺は突然勢いをなくして、力なく言葉を続けた。


「・・・俺は、俺自身は、別に死ぬのが怖いというわけじゃない。確かにワンポーツの仕事はその日暮らしで必死なものだが、それが嫌でこの鉄道の働き口を得たわけでもない。俺の身は俺が守る。俺の息子も俺が守る。絶対に死なせない。殺させないさ。だけどな、だけど・・・その息子の後にも俺の血を引く奴が続くとしたら・・・そいつらの身を守ることまでは俺はできない。だけど心配なんだ。俺にとってはたった一人の息子から産まれる子孫なんだ。絶やすわけにはいかない。でも、このご時世、いつ何かとてつもない力によって、とんでもないことが爆発してもおかしくないご時世だ、そいつらを俺が守れる保証はない。だから、俺は・・・」


「大丈夫だ。彼らのことは私が保証する。」紳士は俺の口元に手をかざして答えた。瞳には芯まで温もるような温暖を感じた。「つまり、あなたの次の後継者を、ひ孫かそれ以降の者にすれば良い。ひ孫を後継者に選べば、そのひ孫は必ず生まれなければならないし、そのためにはあなたの孫が親になるまで健全に育たねばならない。ということは、あなたの子孫は、少なくともひ孫の代までは安泰だというわけだ。あなたとひ孫はおそらく生涯一度も顔を合わせることはないだろうが、使徒の後継者はそのような場合も可としている。あなたが務めを無事に果たし、次の後継者を選ぶ段階になって、あなたの望むように後継者を選択すれば、万事上手くおさまることになろう。」


「本当に・・・本当に、その保証はあるんだろうな、社長?」


「それよりあなたは、あなたの果たすべき義務を優先した方が良い。」とその紳士は言った。


「良いかい、もうすぐ残りの四人の使徒がこの地にやってくる。その四人を引き連れて、あなたは中原の地に赴くんだ。使徒同士は見ず知らずのものであっても、あなたたちに託された印綬は互いを知り合っているから、多くの場合、使途は玉璽を持つ者の近くに集まってくる。ちょうど、皇帝のもとに異国からの使節が訪れてきた時代のようにね。だから、あなたはその準備をする必要がある。・・・何せ、私からあなたへの玉璽の継承が既に行われた以上、私の記憶が保持される必要も、もう無くなってしまったわけだからね。」


 俺は思わず顔を上げた。「それ・・・どういうことなんだ?」


「そのままの意味だよ。」紳士は答えた。


「燕五使徒、印綬、神宮。これら一切に関する私の中の記憶は、間もなく消え去ることとなろう。役目を終えた者がなおも秘密を胸に秘めることは、かえって秘密を拡散させる原因となりかねない。古来より代々行われていることなのだ。だから、私の記憶が確かに残っている間に、あなたにはしっかり覚悟をしておいてほしいのだ。玉璽の持ち主として、燕五使徒を率いる覚悟をね。」


「覚悟・・・」


 俺は紳士の顔を眺めていた。機関車の汽笛が耳をかすめる。


「ああ、それから、これも忘れないうちに渡しておこう。」


 紳士は身体を椅子から起こすと、上着の内ポケットに手を挿し入れた。


 紳士の手が俺の手の平に載る。俺は閉じた指を開きながら、尋ねた。


「・・・何だ?」


「色眼鏡だよ。」紳士は言った。「取っておきなさい。」


「いや、俺、こんなのをかけるガラじゃねえし・・・」


「ハハ・・・それはただの色眼鏡じゃないんだよ。」紳士は穏やかに笑って言った。「人の心を読むことのできる色眼鏡なんだ。」


「・・・冗談も休み休み言えよな。」


「冗談ではないよ。私の先代が下さったものなんだ。もし自分に近寄ってくる相手が本当に信用に値するか、気になった時は、この色眼鏡をかけるといい。」


「・・・まさかな。」


 半信半疑の顔で俺は紳士を見つめ返した。紳士の静かな眼差しに催促されて、俺は恐る恐る、黒光りするサングラスを目元に近づけた。


 何千色、何万色もの光に満ちた世界が、冷たく厳かな白黒の陰影で形作られた世界へと変わった。俺の前には、明るい灰色に光る髪の紳士が座っている。俺は暫く、時間が止まったかのように、明暗だけで出来た世界に身を投じていた。


 そして、静かに微笑む紳士の口元に、小さな銀色の塊が浮かび始めた。塊は髭を蓄えた紳士の口を覆い隠し、やがて個々の細かな粒子に分かれていった。粒子は数個で固まり、気づくと、そこには一つの文字列が並んでいた。


「『こんな感じでね』・・・」俺は文字列を読んだ。


「驚かせたみたいだね。」俺の反応に、白黒の紳士は満足そうだった。「その眼鏡を使えば、人が心に秘めた思いが顔に浮かぶのを、読んで理解することができる。いわば読心術を心得た色眼鏡ということだよ。」


「・・・」


 俺は反射的にサングラスを目から離した。唐突に、色彩にあふれた世界が目前によみがえり、俺は思わず手を翳した。


「・・・あまり、気分は良くねえよな。それって。」


「人の心が見えるということが、かな?」


「・・・これ、返すよ。俺には必要ない。」


 俺が差し出したサングラスを、紳士は俺の手と一緒に俺の胸元に戻した。


「まあ、見たくなければ見なければいいだけのこと。念のため、取っておきなさい。」紳士は言った。「先程も言ったように、私はいつかこの記憶を忘れてしまう。この色眼鏡は、使徒の記憶を持っている者だけが持つべきだ。それでこそ、正しい目的でこの色眼鏡も使われるだろうからね。」


 俺は紳士をにらみ返した。紳士は小さく肩をすくめると、無邪気に歯を見せて微笑み、俺の頭に手を載せて、数回撫でた。


 紳士の笑いじわが、水面に波紋が広がるように、徐々に滲んでいき、歪んでいき、やがて無に帰したとき、俺の目の前には次なる記憶の場面が広がっていた。



 場面は再び、駅の中から始まった。


 俺は白いプラットホームの上を、夏服の制服姿で歩いている。駅自体は未完成なのか、ところどころの柱が不完全だったり、屋根からぽっかり青く高い空が顔をのぞかせていたりする。耳に入るは、工事の騒音、雑音、機械音。俺は汗を拭って、歩いてきた道のりを振り返る。俺が降りてきたらしい機関車と目が合う。正午前の駅には、俺と同じ肌の色をした乗客よりも、背と鼻の高い男たちや婦人方が多い。ちょうど今は乗降の最中らしく、乗客たちが列をなして、古びた客車に足を踏み入れていく。西洋か日本かで現役を引退し、この鉄道に売却されたのだろう。木造の客車たちからは、往年の活躍を彷彿とさせる威厳と優しさが感じられた。俺は満足げにため息をつくと、止めていた足をもう一度前へ出した。その時、俺は視線の先に俺を見る人影があることに気が付いた。


 白いプラットホームの延長線上に、一人の男が立っていた。男はどこか頼りなげに肩をすくめ、そしてどこか神経質そうに、しきりに俺の方を見ていた。俺が視線に気づいたのを察すると、地味で擦り切れた背広を着た男は、不釣り合いなほどに真っ白のパナマ帽を頭から脱ぎ、口元に染み込むような笑みを浮かべ、俺に近づいてきた。


「あの・・・初めまして。」


 俺は黙って男を見ていた。男は無害な笑みを浮かべていたが、心中では動揺しているふうだった。


 俺が何も言わずに男を睨んでいたので、男の方から、勇気を振り絞り、もう一度声をかけてきた。


「えぇと、その・・失礼ですが・・」


「俺がお捜しのシァ・ウェンミンだ。そちらは、葦原龍山って人だろ。」


 男は目を丸くして。


「どうしてそのことを・・・」


 俺は真顔のまま、サングラスを指でこついて言った。


「顔に、そう浮かんでる。」


 俺はもう一度男を見た。男はきょとんとしたまま、特に返事もしなかった。


 反応の薄い奴だ。


「・・・冗談だ。」俺はため息をついて言った。「ローペイに言づけしてただろ?それで、俺のところに用がある日本人と言えば、だいたいあんたくらいだろうと思ったから、適当に言ってみただけだ。」


「ローペイ・・・ああ、外山さんのことですか。」


「それで、何の用だ。言っとくが、俺は仕事中なんだ。」


「あ、そうですよね。あの、実は外山さんに、あなたがエドワード路にあるこの上海駅で働いていらっしゃるとお伺いして、以前にここをお訪ねしたことがあるのですが・・」


「へえ?」俺は短く言った。「そんなこと、ローペイは言ってなかったぞ。」


「そうなんですか?」


「おぅ。まあ、ローペイも忙しいからな。忘れるくらい仕方ないだろう。」


「でも今、外山さんからの言づけを受けて知ったって・・」


「それはお前が俺に用があるって言ったってだけの話だ。」


「僕が上海駅に行くことも、その時言づけしたのですが・・・」


「だから俺がそれを聞いたのはお前が上海駅へ行った後で――」


 暫く沈黙が流れた。男は決まり悪そうにホームの機関車に目をやっていた。


 俺は男の顔を見た。そして、制帽を脱ぎ、手の平で弄び始める。


「『・・・わざと行かなかったのか』、か。まあ、そうと言われればそうだ。だがそれが悪いか?」


 俺の言葉に、男はぎょっとして、はじかれたように俺を見上げた。


「・・・だから、お前の顔に、そう浮かんでいるって言っただろ。」


「いや、あの、そうではなくて・・」男は取り繕うように続けた。「その・・夏さんは、この役目、どうして引き受けたのか、と思いまして・・・」


「『どうして』?偉そうな口の利き方だな。」俺は言った。「お前、歳はいくつだ。」


「二十一です。」


「俺より六つも年下じゃねえか。」


「そのようですね・・・」


「『そのようですね』?上からの物言いがお得意そうで。」


「いや、あの、そんなつもりで話したんじゃないんです。本当ですから。」


「お前な。」俺は声を少し荒げて言った。「あの本――あれは何の真似だ?」


「あの本・・・ですか?」


「『普遍言語の源流について』、とかなんとかいう本だよ。ローペイのところに置いて言ったやつだ。」


「あ・・・はい。」心なしか男の顔が明るくなった。「あの、もしかして、夏さんも読まれたんですか?」


「読まれたも何も、あれは何の真似だ。」俺は声を荒げて言った。「神代の言葉、神の残り香、五人の使徒、そして神宮・・・。先代も、そのまた先代も、必死になって守ってきた秘密、他のやつらに知られたらただでは済まない伝説を、お前はよくものうのうと本にして出す気になったもんだ。俺が使徒になった理由を聞く前に、お前はお前を選んだ先代の思いを少しは理解してみる気になってみろ、おい―――」


 話せば話すほど、俺の語調は強く鋭くなっていった。何故だか分からない。目の前の男にはなんの因縁もないのに。多分、俺は「こいつ」に因縁がなくても、「こいつら」であれば誰でも良かったかもしれない。独りよがりの激昂が俺の胸でうずき始める。それを止めようともせず、拳に制帽を強く握りしめて、俺は男に向かって怒鳴り続けていた――


「あの・・・」


 男が口を開いた。それで俺はぷつりと話すのをやめた。男の目からは、先ほどの頼りない影は消えていた。今や生気に満ちて紅潮した頬に笑顔をにじませ、男は俺に尋ねてきた。


「すみませんが、夏さんは、本当にあの本が読めたんですか?」


「・・・は?」


 男の言葉が俺には分からなかった。


「あの本に書いてある内容が、読めたんですよね?」


「・・・お前、馬鹿にしてんのか?上海語くらい俺でも読めるにきまって・・」


「やっぱり!」男は幼子のようなはしゃぎ声をあげた。「夏さん、やっぱりあの文字が読めるんですね!・・ああ、良かった。あれで本当に合ってたんだ。」


「『あの文字』・・・?」


「あれは、神代の言葉を書いた文字なんです。あの文字を読めるのは、赤色の印綬と白色の印綬、そして玉璽の持ち主の三人だけなんです。」


「・・・ちょっと待て・・・」俺は肩透かしを食らったように、ぽかんとして男を眺めて。「お前は、何が言いたいんだ?俺が、読んだのは、上海語じゃないのか?」


「ええ、違います。神代の言葉です。上海語に見えたのは、夏さんの母語が上海語だからなんですよ。」


「神代の言語なんて、俺、勉強したことなんてないんだが・・」


「玉璽や印綬を継承すれば自然と身に着くものですよ。」男は嬉しそうに言った。「今まで、何も変化は感じられなかったのですか?」


「いや・・・まぁ・・・しかし・・・」俺は形の変わった制帽を迷ったように手元で転がしながら言った。「でも待て。お前の継承するはずの印綬は、確か青色の印綬だったはず。」


「そうです。」


「なら、今の話だと、お前は神代の文字が読めないはずだな。」


「そうです。」


「でも、書いたのはお前なんだろ?」


「そうです。」


「・・・どうして書けたんだ?」


「勉強したんです。」


 その言葉で、先ほどまでの俺の怒りも苛立ちも全て消え去ってしまった。


 俺は、目の前にいる男に畏れを覚えた。恐れ、ではない。この短い言葉の背景に積み重ねられた、この男の血のにじむような努力が、蓋を開けたように、俺のサングラスの中へと飛び込んできたからだ。


「本当に・・・読めるようになるのか?」


「実際、難しかったです。」男は笑って言った。「でも、僕らのご先祖様が話されていた言葉なんですし、何しろ残り香の大本の言語ですから、何か規則や共通点はあるだろうと思って。それで、先代がたまたま使徒仲間からもらった、神代の言葉の文書をお借りして、暫く研究したんです。」


「お前・・・」俺は思わず言った。「何者だ?」


「言語学が、僕の専攻なんです。・・あ、そう言えば、自己紹介、まだでしたよね。」


 男はそう言い、手を差し出した。


「僕、今、大学生なんです。葦原龍山です。中国人の方とお会いするのは初めてなのですが、どうぞ宜しくお願いします。」


 俺は差し出された手を見て、思わずたじろいだ。サングラスに浮かぶのは、下心のない、純粋なこの男の好意だった。そんなもの、サングラスを通さなくても分かる。ただ、俺はこれほどまでに無防備に差し出された好意を、未だかつて目にしたことがなかったので、しかるべき応対を知らなかった。結局、俺は男の手を無視し、本来の自分の役目を思い出すことにした。


「悪いが、俺は今仕事中だ。まだ用事があるなら、夕暮れ時に来い。」


「分かりました。」男は笑顔で言った。「あの、お仕事中、失礼しました。」そう言うと、男は足早にホームを去って行った。改札口を出る前に振り返り、俺の方を見て頭を下げる。その時には、男の顔にはもう、言語のことしか浮かんでいなかった。


 俺は力が抜けて、その場に暫く立ち尽くしていた。そしてちょうどその時に、俺たちのやり取りを見届けた老練の客車たちが、微笑ましく軽快な音を立てて、上海駅を後にした。




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