009 2度目の休日
この世界に来て2度目の休日になった。
「曜日は水、炎、風、雷、光、闇の6つで、休日は光の日と闇の日です」
エリアスの説明を、ふんふんと頷きつつ聞き流す。日本よりも休日の割合が多いようで好条件だ。まぁ、天音にはしばらくここで暮らす以外の選択肢はないのだが。
初めての休日は、この屋敷の中だけでもいろいろと新しいことばかりで休めなかった。今度こそゆっくり休んでやる、と天音はひそかに決意を固める。
「休日、とは言いますが何をすればいいのですか?」
今日という休みの日でさえ斜め後ろに控えるエリアスに、そう問いかける。エリアスは少し困ったような顔をした。
「好きなことをすれば良いのではないですか」
突き放すような言葉だが、そうとしか言えないのである。エリアスだって会って一ヶ月に満たない天音の趣味など知っている訳が無い。あまり話さない二人なのだから、尚更である。
考え込んだ天音の脳裏に蘇るのは、転移した日、公爵の言っていたことだった。確かに、欲しいものがあれば用意する、と言っていた。
「美味しいお菓子が欲しいです」
天音は最近、糖分不足なのだ。
食べ過ぎだ、と思われるかもしれない。しかし、この館の砂糖ドバドバ菓子たちに耐えかねた天音は、最近ティータイムの頻度を減らしていた。ちょっともう大丈夫です、というギブアップの宣言とともに。
「それなら、いつでもお持ちいたします」
だから、にっこりと笑い、そう快諾したメイドさんに、申し訳ないと思いつつもノーを返す。
「いいえ、私が作ります」




