72 ギルドメンバーと合流
アーテルと別れた後、ステラのアシストデバイスに着信が入る。
……──ザザッ。
「ステラー? どこいるの! メッセも全く見てくんないし!! あーあーっ。聴こえてる?」
「は、はい!! 聞こえます。」
「あーよかった。もう皆集まってるわよ!! しっかりしてよね。ギルドリーダー!!」
「まいらさん、ごめんなさい。至急フィールドまで戻ります!!」
──ガチャ。
「やっばい!! 待ち合わせてたのすっかり忘れてた!!!」
──ヴォン。
空をスワイプして、半透明のメニューカーソルを出現させ現在のマップを立ち上げる。
自分の今いる位置とフレンドであるまいら達の場所がかなり離れている事にステラはふと気づいた。
「わ……。私ってば、また夢中になって……。うぅ〜もし、アーテルさんにふらふらーっと着いて行ったらどうなった事か……。」
今一度、自分がギルドリーダーとなった事を自覚する。
「さて! こうしちゃいられないや。まいらさんのとこまで」
シュン……!
「転移っ!!!」
──フォオオオン!
ステラがアイテムボックスから取り出した、『転移クリスタル』の効果によってホームタウンへの転移を開始する。
『ナーチュア』ホームタウン。異次元大ポータル前。マップへチェックした転移用クリスタルはそこに設定されており、誰もが通過する人の行き交いが一番多いこの大広場へと転移した。
「んーと。まいらさんまいらさん。」
手をおでこに当ててまいらを探す、ステラ。フレンド欄から連絡を取ればいい所であるが、待ち合わせに遅れテンパってる今の彼女にはそんな思いつきがないのであった。
「あ! いた!! おーい!! まいらさ〜ん! ミサキさーん!!!」
そうギルドメンバーの名前を言い放った途端。
──ズドドドド!!
物凄い勢いでこちらへと向かってくる、ミサキ。そしてまいら。
二人とも息を荒らげ、我先にとステラへ挨拶の言葉をかける。
「どこ行ってたのー!!! ステラちゃん!!」
「ねぇステラ!! 説明しなさいよ!! こんなに待てせて!! 私達、まだ一回もクエ行ってないんだから。まーたフラフラして……。一体何処に行ってたの??」
「あ、あわわ……。皆さん……ちょっと落ち着いて下さい!! ……説明しますから。……あぅぅ……。 それと、ごめんない!! 待ち合わせの時間のことすっかり忘れてて……。リーダー失格です。」
反省する様子を見せるステラ。
「ほんとだよ!!!」
「全くぅ!! ステラちゃんったら、私に内緒で即クエ行っちゃうし!! ……。」
「てか、聞きたいんだけど。」
「え、あっ。はい。どうかしました? お二人共目が、……目が怖いです。」
──ギロッ!!
鋭い眼光でステラを睨みつける二人。
そんなやり取りをしていると後ろの方から声が聞こえてくる。
「そうだよ……、ステラ。この二人いくらボクが誘ってもステラが来るまで動かないって聞かないんだから……。」
「むー!! かぷ、だって初日だよ? 絶対ステラと回りたいじゃん」
「そうだそうだー!!」
子供のように駄々をこねる二人。
「いくらリーダーとは言え、後から合流すれば問題ないのに……。」
二人の重いステラ愛にボソッっと愚痴をこぼすかぷちーの。
「ま、おかえりステラ。どうせ君の事だからいまさっきの時間で何かしら面白い事してきたんでしょ?」
──ギクッ!!
かぷちーのに告げられた、その言葉で顔がドンドンと曇っていく。当然皆に今日獲得したイリスを見せたい筈なのだが……。まいらやミサキが活気づいておかしな行動に出ないか、その一点が不安で仕方ないと言った表情である。
「えっ、えーっと……あは、あははー。ちょっとクエ……行ってみただけです。あはは……。」
まさに図星。アーテルと過ごした楽しい数時間がめちゃくちゃ罪深く感じ、目を逸らし嘘をついた事が心にくるステラ。
「……怪しい。」
「えっ……!! な、何があやあや、怪しいんですか?」
「ステラステータスオープンして。」
「そーだそーだ!! ステラちゃんー? 嘘は良くないよ〜。」
まいら、ミサキが二人して問い詰める。
「……すびばせん……。オープンします。」
「ステータス、オープン……!!」
──ブォン!!
そうステラが告げると、半透明なポップアップのステータスが表示され、ギルドメンバー全員の目に入る。
「「「なんじゃこりゃー!!!」」」
「ステラちゃんレベルたっか!!」
「……なんスか、この精霊竜って……。」
「わはは〜……ステラ何してたのん…。」
「こりゃヤバいの」
「なんでこんな短時間に……。こんなにものレベルアップを……。ステラさん」
「うぅう……すみません!!!! ついテンション上がっちゃって、知らない人とフレンドになってめちゃくちゃレベル上げとアイテム集めしてました!!!」
ホームタウンに木霊する、ステラの大声。それに呼応する様に叫ぶ相方のまいら。
「もー!!! ステラってばー〜!!」
その叫びは彼女の自由加減に呆れ果て、言葉も出ないような叫びであった。




