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コツコツ貯めた私の戦闘ボーナスで『VRMMO』のトップティアの【女神】に!?  作者: うわのそら
新章 コツコツ女神Ⅱ : 『ドラゴンゲート・オンライン』篇
70/76

70 輝きのステラ


──……Dgoにログインしてから初となる真剣勝負のPVP。その先手を取ったのはステラであった……。


「面白いよ……面白い、流石私の認めたプレイヤー、ステラ!!」


ステラが発動した誘爆炎魔法【ヴォルカ】その一撃を食らわされたアーテルはのろのろと起き上がり、今目の前にしている憧れのプレイヤーへと賞賛の言葉を送り再び立ち上がる。プレイヤーの頭上に表示されている半透明で円状のHPバーから被弾した分である30%が削られる。


PVP戦では、読み合いや各々の戦いの呼吸あらゆる戦術タクティクスの取捨選択。判断力、戦闘状況。それが戦いを分かつ重要なポイントとなってくる。


先手を取ってからのステラの行動は早かった。


──……(油断はしない……一気に畳み掛ける。)


スキル発動──……。【デサント】!!


──……グルルァアアッ!!!!


バトル中に開けるアイテムポップアップ画面を開き、イリスを選択し召喚を行う。青い翼をはためかせ、魔法陣から神々しくその姿を現し、召喚獣が降臨する。


これによってスキル選択の時に使うポップアップがテイム状態へと代わり使用スキルが増える。だが、現状イリスとステラのHPは共有されている為、当然リスクも増える。その点、状況判断能力に優れているへのステラは無用だろう。


「おいで!! イリス!!」


「──……まずい!! このタイミングで召喚獣を……!! なんて勢いの詰めなんだ。」


ドゥン!!


ステラの呼びかけにより、イリスが火球攻撃を開始する。ダメージはレベルが低く勿論期待出来ない。だが、ステラは元々手に入れたばかりのイリスにDPSは期待などしていなく、狙いは他にあった。イリスがある一定の秒間、火球を吐くタイミングが存在し、その間に生じた爆炎のエフェクト。その煙の中から不意の攻撃を開始する。


──フォン!!


「……ぐっ!!」


【フラッシュ】


「……──想定通り、ステラ!!! その詰め方は把握している!!!」


「ここだ!」【隠密ッ】!!


煙から突然、出現したステラが発動した目くらましの魔法。そのスキルによりアーテルへ2・5秒間のディレイがかかりスピード低減が発生する。


そのタイミングでアーテルもその対策として暗殺スキル【隠密】を発動。ステルス機能を内包するそのスキル、聖堂の小さい柱達を伝いその身を隠し、ステラから距離をとる。アーテルの高いスピードがそれを可能にする、この回避をしなければ続く攻撃により即死していたであろう、ステラの攻撃につづく速攻の攻撃。


──……このゲームボードは完全にステラが掌握している。が……、アーテルは諦めない。


隠密のスキルを駆使し、ステラを一撃で葬るべくチャージしていた条件付きのEXスキル【デモン・スラッシュ】を使うため短剣を背後からステラの喉元へ突き立てたその瞬間──……。


「──なっ!!」


「……、させません!!」


シュン!!


「ありがとうイリス──……お陰で回避出来たよ!!」


ギュルルッ!!!


「よし!!このまま行こう使うよ……イリス【結合(ユニオン)】!!」


「……嘘でしょ、これってて……。」



……──キュイイイインッ!!!


「ユニオン・シャイン!! わーっ!! 成功したこれで……──また、飛べる!!! これなら……──勝てるよ!! イリス! はぁああっ!!!」


龍の召喚獣だけが持つEXスキル【結合(ユニオン)】このスキルの効果によって戦闘アシストのユニットだったイリスが青い光になって武装アイテムへとその姿を変えていく。その装備となったイリスの名称は『ブラスト・ウィング』天使の羽根のような美しい龍の翼がステラの背中へと装着される。これによって、凄まじい光のような速度を放つ移動が可能となった。


再使用のリキャスト時間が長い加速スキルの名前は【アクセル】一度使用すれば、再使用まで時間がかかる為タイミングの重要性が高く使いこなすのが難しいピーキーな移動法を獲得する、だが偶然にもステラとの相性は抜群である。


「くそっ!! ──……そのまま襲いかかってくるのか!! 突破させるものか!!」


【デモンズ・ナイフ】!!!


ズ、──……ズズズ!!


アーテルは止まらぬ勢いのステラを静止させる為、MP消費の激しい隠し技【デモンズ・ナイフ】のスキルを発動させる。


アーテルの背後から闇色をした異次元ポータルが無数に現れ、その中からものすごい勢いで相手を追尾する短剣が複数現れ、防御と攻撃が一体化したまるで剣の壁が攻撃を開始する。


だが、臆すること無くそして1秒の間も開けずにステラはそのままアクセルを発動、次々と自分の方へ襲いかかってくる短剣を杖で跳ね除け、空中を舞いアーテル本体へと近ずいて行くステラ。


──……勝負の勝敗が別れた瞬間はは一瞬だった、剣の壁を突破したステラがチャージ済みの爆炎魔法を放とうとしたその時、アーテルはこう口を開く。


「参ったな……。ここまでだよ。」


己の負けを確信したアーテルは降参を宣言、HPを削られたこの段階、距離をここまで詰められ一撃の魔法を放たれ負ける事が分かった以上、これ以上の足掻きは不可能と察したアーテルはPVPを棄権しフィールドリンクを解除する。プレイヤー自らの棄権により、HPバーがゼロになりwinという文字がステラの頭上に出現する。


──……ピー!!!


(PVPのリンクを解除します。勝者……ステラ。HPへのダメージはゼロでした。圧勝おめでとうございます。)


耳に付けたアシストデバイスが勝利を宣言する。


「ありがとう……ステラ──やっぱり強いなぁ……。」


かなりの実力を持っているであろう自分の実力が決して届かない事を知っていたアーテルの考えがいざ、現実となったその瞬間であった……──。


あの日目を焦がし憧れた女神。それを持つそのプレイヤーはやはり紛れもなく目の前にいるステラ、彼女なのだと。

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