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05 龍の双翼


前へ前へと加速する視界目の前に広がる青、ああここはきっとお空なんだなと再確認。


という事で叫んでみる、うん。意図的ではない怖くて自然に叫び声が出てしまう。


「きゃー!! 高い、高い高いですー〜 ふぇえー!!」


急に高い所すなわち上空へと飛び出した影響でステラはもうヘロヘロであった。


──バサバサ。


「大丈夫だよステラちゃん平気平気、そろそろ着くからほら、見えてきたよあそこ!!」


『ん、ふぇ? ……わっ』


彼女は高所恐怖症なのである、自分で翼を持ち飛んたりしたら平気かも知れないが荷物のように抱えられ勝手に飛ばれたりなんてしたら彼女にとって溜まったもんじゃないらしい、そんな霞む意識の中、ビシッとまいらの指が視界に入る、そしてその指を辿ると立派で豪快な『船』がうかんでいた。


『はわー〜……これが、まいらさん達のギルドなんですか?』


「ええ。そうよ、これが私達のギルドハウス兼バトルスカイシップ『白銀の皇龍船(ジークシルバ・ドラグ)』!! どう? 素直な感想が欲しいわ!!」


「むむむ、感想……」

偉大なる空船がステラの目の前に現れ、感想を求められる。


一目見た素直な感想は感動、正確にこの感動を言葉にしてまいらに伝えたかった彼女はこれを言語化するべく、息を飲み船体に睨みをきかせる。


両側に格納された6連の主砲、龍の皇に相応しい威厳を纏った白銀のドラゴンを象った船首、そして横長に伸びる左右の翼はとても雄大で美しい。


この空船から感じる威圧力、美しさも然ることながら高級感を感じさせる佇まい全てにおいて完璧であった。


ステラは頭の中でようやく言葉がまとまったのか、感想を告げるために口を開く。

「こんなに美しい【空船】初めて見ましたよ!! めちゃくちゃカッコイイです!!!」


数秒の間、じっと黙り込むまで船に見とれていたステラだったが、まとまった感想めちゃくちゃシンプルであった。



「でっっしょ? 流石ステラちゃん分かってくれるかー〜嬉しいな」


「えへへ、特に船首がドラゴンなのが推せます!」


「私の念願だったんだよね、いつか空船をエディットしたりするゲームが出たら、私の頭に思い描いたかっー〜こいいドラゴンモチーフの空船を作るって」


何やらドラゴンに相当想い入れがある様子のまいら目をキラキラさせながらそう語る。


「まいらさん……やっぱり厨二病なんです?」



とても真面目な表情でそう語っていたまいらの話はステラの天然から発せられるナチュラルパワーによって相殺され、この話は一旦、一区切りをつける。


「違うわよ!! シンプルにカッコイイでしょ!!ドラゴン」


「やっぱり厨二病だ……ドラゴンにオッドアイの真眼……言い逃れできないですよ、まいらさん」

ステラは無視してそう続ける。


「はいはい、もう厨二病判定でいーですよー」

雄大な空を浮遊しながらまいらはむすっと、むくれ顔。


「おぉ、諦めた」

そしてまた突っかかったステラと言うと何かとても嬉しそうで満足気な顔であった。


しかし、ここで負けじとまいらも反撃。

「あんまり調子乗ってるとステラちゃんあなた落とすわよ?」


──ゾワっとした、あまり行き過ぎた厨二イジりはやめよう、ステラは胸にそう誓った。


「ふぇぇ、……ごめんなさい、ごめんなさい。まいらさん落とさないでください……」


「わかればよし、ステラちゃん。さ、着くわよ?」


「わっ、」


こんなに下らない話をしていたせいか先程はかなり離れていたギルドシップが今はもう視界の目の前へと現れていた。


まいらは飛行の高度を上げ、ギルドシップ内に建設されたギルドハウスへと続く屋上へと着陸したのであった。


「──よいしょっと、着いた!!」


「はわ、ここがギルドの入口ですか?」


「ええ、素敵でしょ?」


「あのぉ、入っていいんですか?」


「ふふっ、当たり前じゃない。ようこそ!! 私達のギルド【龍の双翼】へ!!」


──まいらはステラへ手をかざし、ギルドハウスへの入室を歓迎したのであった。


モチベ高まってます、ありがとうございます。

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