04 ギルドに行こう
筆乗ってます!
まいらの破壊力とステラの支援力のコンビネーションでオーガゴブリンは倒れ消滅した。
まあ、今回はまいらの超火力が【オーガゴブリン】を圧倒していたのだが。
そして【白銀】の名に恥じぬ銀の翼をはためかせ、ステラを魅了した。
胸の内の言葉をステラは零す。
「綺麗……」そう一言呟いてしまった。
『んー? なんか言ったー?ステラちゃーーん』
「い、いえ何も!!」
こんな距離からでもつい零れ落ちた感想が聞こえたのかどきっとしてしまう。
──しゅるる。
慣れた動きでゆっくりと翼を動かし、地面へと着地しそれを収納する。
そして翼のスキンは小さく隠れてしまう。
「さすが【白銀】の称号、伊達じゃないですね……まいらさん」
「ああ、この称号の事? ふふ。素直に褒めてくれるのねありがと」
頬を赤らめ恥ずかしがりながら勇気を振り絞ってステラはストレートな言葉で気持ちを伝える。
「とってもカッコよかったです!!」
「んー改めて言われるとなんか恥ずかしいかな、
へへ……」
流石のまいらも人見知りそうな彼女からストレートな気持ちを受け取るとまいらは少し恥じらいの表情を浮かべる。
「でも、もりもりですねー!! 【紅き真眼】と【白銀の翼】なんて欲張りが過ぎますよ、どうしたんですかそれ、……もしかして貢いでもらったんですか?」
ステラちゃんは友達が少ない。
とてもとてもナチュラルに失礼なのだ。
「あのね……ステラちゃん」
これにはまいらも苦笑。
「……違うんですか?」
「違うわよ!! ……ちゃんとクエストの【天の塔】でゲットしたわよ!! 自力で」
「おー、流石ですね。私あのクエストソロじゃキツくて……クリア出来なかったからめちゃくちゃ羨ましいです わー可愛いなあ、いいなあ収納してても可愛い〜」
まいらの背中に収納された翼を羨ましそうに見ながらツンツンとつつくステラ。
「ちょ、ステラちゃんくすぐった、くすぐったいって。きゃは、やめっ。きゃはは」
「あわわ、ごめんなさい……羨ましくてつい」
──しゅんと縮こまり萎縮するステラ。
その姿はとても申し訳なさそうである。
「はぁ、……この翼、ちゃんと感覚リンクしてんのよねーー、今後、気をつけてねステラちゃん ゾワゾワする……」
まるで寒い所に閉じ込められた様な青ざめた顔を浮かべ、嫌悪を丸出しにした顔でステラの方を睨み軽くこの『翼に触れるな』と注意するまいら。
「ご、ごめんなさい!! そんな敏感な場所だと思わなかったので……」
「分かればよろしい」
その表情で伝わったのかすごく申し訳なさそうな顔でステラは注意を素直に受け入れる。
「いいなー、私も【限定】アイテムほしいなあ……、まいらさんとフレンドになったし次のイベントはガチろうかなあ……」
低身長のステラがチラッとまいらの方へ視線を向ける。
「ふふ、次のイベントは一緒に行きましょ? ステラちゃん」
その視線だけでステラの気持ちを汲み取ったのか、まいらはその遠回しな意志を受け入れる。
「え!! 良いんですか!? やった」
無邪気に喜ぶステラ。
「うん勿論よ。ん、てかステラちゃん話戻すけどあなたさっきソロでイベント回してたとか言わなかった!?」
「はい、そうですけど……フレンドが居なくて」
「え」
まいらはステラのこの発言に対して頭の上でクエスチョンマーク。
「え、じゃあ私があなたの初めてのフレンドって事?」
「はいそういう事になりますね」
「んんっ、……ステラちゃんの初めて貰っちゃったっていっとけば良い?」
「そういう事になりますね」
驚いた様子で質問を繰り返すまいら。それを冷淡に淡々と答えるステラ。
「ステラちゃんマジか……。【MMO】の醍醐味ってこの世界にダイブしてる皆とのコミュニケーションじゃない?」
「そうなんですか? 私はソロでもコツコツやれて楽しかったですよ」
「そ、そっか……でも1人で寂しかったでしょ……」
「うーんそうですね、楽しかったけど寂しかったです!!」
すごくニコニコのステラちゃん。
また、何かを感じ取ったのかまいらはステラを優しく抱きしめる。
「よしよし、ステラちゃん……もう大丈夫だよ……よしよし」ギャグ漫画で良くある表現な波線の涙をダバダバと流しまいらは彼女の頭を撫で回す。
「はわ…… ぐるじぃ……」
まいらの胸に埋もれ、本気で息苦しそうなステラだったが表情が緩みどこか嬉しそうだった、ソロゲーマー気質な彼女だがやはり積極的に絡んでくれる人が居るとその考えは少し変わった様だ。
「よし!! ステラちゃん!!! ギルド行こ、ギルド!!」
「え、ギルドですか?」
冒険者ギルド、そこはアクティブユーザー達が同じ目的を果たす共にする為に作られるグループである。
「うん、皆に紹介したいんだ。ステラちゃんのこと!!」
「え、でも私……」
「そう言うのいーの!! 私が連れてってあげる!!」
「どこにですか? __はわっ」
──ふわっ。
──バサッ!!
「わ、ちょちょ。まいらさん!? きゃ、飛んでるー〜」
【ギルド】と口に出した途端ステラは不安そうな表情を浮かべ挙動不審になる。
しかしそれを無視し、まいらは強引にお姫様抱っこ。そう、彼女は引っ込み思案で人見知りそうなステラを変えてみたいとそう思った、とあれば真っ先に行動。彼女はそう言うタイプなのである彼女がこう思ったらもう止められる人はそう多く無いだろう。
そしてまいらは白銀の翼を広げ、上空へ飛び立つその加速の速さはまるでジェットコースターのように早く、重力の圧を感じステラは叫び声をあげる。
『──きゃあああっ!!』
「ステラちゃん平気平気、一瞬でついちゃうから!! 空だって、すぐ慣れるよ。それじゃ、行っくよー!!」
──ビュン!!
──まいらの自慢の翼で2人はギルドへと向かうのであった。
最初の方は毎日更新したいと思います。
更新される時間帯は大体、21時から1時の間くらいかと思われます、それでは。