020 また明日
「……て、事があったんだよかぷちーの」
「ふーーん、それでステラが女神になったと」
「はい、……私。今日から女神ですえへへ」
『えへへじゃないわ!! なんて事してくれたんだーー!! ステラ!!』
「へ? だって、女神すごいですよ!! こう見えて超火力なんですよ!?」
「超火力なんですよーー、じゃないわー!! ぼけ!! なんて事してくれたんスか……ステラ」
「えええ!! ……私がヒーラーじゃなくなったから怒ってるんですか? かぷちーのさん。大丈夫ですよ? クラスチェンジさえしなければ私、ヒーラーのままですし……」
「ちっがーーう!! そこじゃないっスー!!」
「問題はこれだよ、ステラ」
「ほえ? ……わっ!!」
ステラの目に飛び込んで来たのは、まいらのスマホデバイスに映るワールドチャット。
──ピコン。
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『ワールドチャット』
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『クラスアップ』通知『クラスアップ』によりユーザーID(2525877)中級魔術師ステラがヒーラーから女神にクラスアップしました。サーバー『聖なる密林』に【女神降臨】
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飛び込んできた自分の名前の横に添えられるように記述された【女神降臨】降臨の文字。
「うええぇえ!?!? やば!! これ私、……ですよね」
まいらのスマホデバイスに映る自分の名前を指さしぷるぷると震え出すステラ。
「他に誰がいるって言うのよ……」
「うはーー!! ちょ!! すてら有名人じゃーん。ぷくく。おもしろーい」
「ステラちゃん? ふふ。ようこそ、こちらの世界へ」
「あちゃーー、やってくれちゃったねーーステラ、ははは!!!」
「ひぃいい……、どうしよう。まいらさん私、これからどうなっちゃうんですか?」
「ん? 多分職業【女神】の唯一の有識者として、めっちゃフレ申とか対戦申し込まれると思うよ……? それに他ギルドとかの勧誘とかも、どしどしきゃー!!」
「ひぃいいいーー!!」
慌てふためいて、ビビり顔になるステラ。そんなステラを気遣ったのかリーダーのまいらは優しく声をかける。
「ステラ、今日はとりあえずの所ログアウトしとく?」
「そうですね…… 新しい事の連続で、ちょっと疲れちゃったかもです」
「そうだね、じゃあ私達も落ちよっか」
「だね〜ー」
「そうね、そうしましょうか」
「あーーい」
「じゃあ、ステラ。また明日」
「はい!! 皆様のお力になれるように明日から私、バリバリ頑張っちゃいます!!」
「ははは!! それは心強い。でも、あんまり無理しないよーーに。分かった? ステラ」
「はい!!」
「じゃあまたあしたー!! すてら!! リゼ落ちる〜!!」
──シュン。
先ず最初にリゼがゲームからログアウトする、自分目線で他人のログアウトする所を初めて見たステラはその光景をとても新鮮だなと、そう思った。
「じゃ、また明日。ステラ、楽しかったよ」
「うぃーまたねー。ステラあしたーー」
「ステラちゃん、また明日会いましょうね」
「は、はい!! 皆さんまた明日!!」
ギルメンがまた明日と次々に口にするせいか、ステラも流されその言葉を皆に返す。
また明日か、なんかいい言葉かも。
そんなシンプルな再会の約束をしながら、ステラは【ENDLESS×ONLINE】からログアウトするのであった─_。




