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02 イリスの森


──ザッ。


「ふふっ、丁度いい子。見つけちゃった!」


「この子……相当なスキルポイント。それにレベルも悪くわないわね、この子なら……うん、この娘にしよっと!! ふふ』


突然現れた金髪ツインテールの少女はその赤い目を光らせてニヤリと笑った。


「すーー、すーー、すぴーっ」


「ねぇ、ねぇ。ねえってば」


「んー、あと2日……」


「……2日は寝すぎでしょ。はぁ、この子すぐ起きないタイプね……よーしっ。おっきろーー!! 私は君に用があるーっ!!」


──ザッパーン!!


突然現れた彼女が持っている魔法の杖を空の方へかざすと、何も無い所から小さな水が湧き、それが更に大きくなり寝ている彼女へと水をかなりの勢いで浴びせた。



『ひっ!!』いままで大きな声を出してもピクリともしなかった彼女が水魔法の冷たさにその黒くて大きい瞳を開けた。


「ふふ、起きた」


ぱちり、ぱちり。

──ぼんやりしたその目をゆっくりと開ける。


「ふええ、……びっしょり ちょっとあなた誰ですか、せっかく気持ちよく寝てたのに!!」

目覚めたステラの視界に入ってきたのは金髪ツインテールの美少女、なんでこんな人が私に用があるんだと惚けた顔をつい浮かべてしまう。


いや、いくら可愛いとはいえ初対面の私に水をかけるなんて許せないと彼女は強めの口調で怒りを露わにする。


「ごめんね、ステラちゃん手荒な起こし方しちゃって。でも貴方がなかなか起きないからいけないのよ?」


「ご、ごめんなさい……っていやいや。なんで私が謝ってるんですか!! て言うかなんで私の名前知って……」


──ノリで謝ってしまった、不覚。


「単刀直入に言うわね。貴方、私とパーティを組んでくれないかしら?私はまいら よろしくっ」

ステラの質問を無視した金髪ツインテールの少女は私とパーティを組めと、そう一方的に言ってきた。


『……へっ?』






___◇


「よしっと、これで私達フレンドだね。よろしくねステラちゃん!!」


「あ、はい……よろしくお願いします」


ステラはまんまるの黒目をくりくりと動かしてその少女の姿を凝視した、彼女には2本のツノが生えていた__それを象徴とする系統は龍人の種族【ドラグヒューマン】であろう、そんな彼女とステラはお互いのIDの交換を始めた。


あ、この人私と同じ魔法使い職かと思ったけど、違うんだ……。『魔法格闘家?』何だこの、ジョブ初めて見た。




(──つい、フレンドID 交換しちゃった……)


まいらの勢いに負け、ステラは彼女とフレンドになってしまう。



金髪少女のID入りのマイカードを受け取り手に持ってる『スマホ型デバイス』にスキャンした。



──ピコン。


スマホ型デバイスのフレンド欄と言う項目に赤い文字で通知が丸一と表示される、彼女のネット弁慶が高じてソロプレイヤーを気取るしか無かった彼女に初めてできたフレンドその名は『【白銀】のまいら』と表示されていた。


(……凄、【白銀】の称号持ちじゃんこの人…… 何者?)



「あ。ええと、まいらさん? よ、よろしくお願いします」


「ええ、よろしくねステラちゃん ふふっ」

まいらはステラへニッコリ微笑んだ。



「はわ……」


ステラは突然名前を呼ばれ驚いてしまう。


彼女はリアルでもネットでも友達が少ないため、照れ顔を浮かべ少しぽやっとした表情をして間の抜けた返事を返してしまう。


「んー、どうしたの? おーいステラちゃん」


意識が朦朧としてそうなステラの頭をぽんぽんするまいら。


「ちょ、や、やめてください……」


「あはは。ごめん、ちっちゃくて可愛いからつい」


「ええと、まいらさん……話を戻しますけどなんで私なんかに絡んで来たんですか?」


「なんかって、言わないのーステラちゃん。こんなに可愛いんだから。っと……そうね単刀直入に言うわ貴方に話しかけたのはこの【真眼】の導きと言ったところかしら?」

そう言って彼女は自分の瞳を指差し、その目を紅くギラギラと光らせた。


『まいらさんって……厨二病なんですか?』

眉毛を曇らせ、ステラはジト目でそう言った。


「……ちがうわよ!! 貴方、全【真眼】使いを敵に回すわよ!! ま、全といっても、このイベ限定の目の所持者なんて全然居ないんだけどね」


「ふふん。まあ知らないのも無理もないわね。自分で言うのもなんだけどこの【真眼】相当なレアスキルなのよ? しかも私の真眼激レアのオッドアイだし」


その目を強調させ、高価値な事をステラへ主張するまいら。


「で、そのスキルは具体的に何ができるんですか? レアなスキルなら戦闘での汎用性が高かったり、まさかビームとか出たりするんですか!?」

ワクワクした表情でまいらへそう質問する。


『紅く光る!!!』


「え、……それだけですか……?」


「いや、後はここが凄くて。どんな情報も私のこの【真眼】にかかれば筒抜けになる」


「え、すごい……だから私の名前知ってたんですね……」


「そういうこと〜っ。どう、私の【真眼】見直した?」


「はいっ、ただの厨二病スキンじゃないって事は分かりました!」


「だから……はぁ。まあ良いわ。それで、ねぇステラちゃん、【真眼】で見させて貰ったあなたのスキルポイントとんでもない事になって無い?」


「ええとスキルポイントですか?……んー、わ。ホントですね……いつの間にか、めっちゃ溜まってました……」


スマホ型デバイスで自分の情報をピコピコと操作し、いつも見ていなかったスキルポイントの部分を参照し確認した。


「……そのポイント量が有ればステラちゃん貴方は……」


__バサバサバサッ!!


……ドォオオオン。


まいらが何かを言いかけた時、森がざわめき轟音が突然鳴り響いた。



『『グオォオオオ……、グァアアアア!!』』


巨大なオークゴブリンが大木からその巨体を覗かせ、2人の前へと現われる。


「へぇ……低難易度の【イリスの森】でオークゴブリンとエンカなんてめずらしいわね……私達の今日の運勢は……余り良くないのかしら?」


そんな冗談を言いながらクルクルと杖をどこからともなくまいらは取り出し、戦闘モードに入る。


「一応、私もじゅ、準備は出来てます……」


「お、流石ステラちゃんじゃん!! 私達初パーティのデモンストレーションでも行ってみましょうか、はぁっ!!」


「は、はいっ!!」



──こうして2人での初戦闘が始まったのである。




女の子ばっかり出る予定です。

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