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目の保養は大好物ですが、恋愛対象ではありませんっ!  作者: 深月みなも
アリエラ、入学前のお話
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我が家のご紹介?part②



三人でキッチンへ向かっていくと、近づくにつれて香る匂いは食欲をそそり、アリエラのお腹を急激に減らせた。


「もういい匂いがしてるわね…この匂いはポタージュかしら?」

「夜が待ち遠しいですね?」


アリエラのようにくんくんと香りを嗅ぎながら、ウィルも顔を綻ばせる。

香りに呼び寄せられるようにキッチンの出入口に近づくと香りはより濃くなり、リズミカルな包丁を扱う音が聞こえてくる。


「マッシュ、ご苦労さま」

「お嬢様、どうしたんです?またメニューのおねだりですか?」


私を見た途端、料理長であるマッシュは調理の手を止め、苦笑しながらこちらを振り返った。


彼は我が家に昔から仕えてくれているマッシュ。

マッシュは愛称で、本当はマシュリーという。

我が家の人間は基本愛称で呼びあっているので、マッシュという呼び名の方が馴染み深い。

彼の父も我が家に仕えていて、数年前まではこの屋敷で調理場を仕切っていたが、歳には勝てず。

マッシュに引き継ぎ、今はゆっくりとした隠居生活を送っている。

今ハマっているのは自家栽培らしい。出来た野菜などをたまに届けてくれる。それがまた美味しいのだ。

前料理長である父から引き継いだマッシュは、立派に料理長という役目を果たしていて、皆に慕われている。


五十を超えている為、少し白髪が混じったウェーブがかった髪を後ろで短く縛っていて、よく笑うマッシュは皺が付きやすいのか、目尻には細かな皺が残っている。

今も皺の刻まれた顔を緩めて笑っているマッシュ。


よくアリエラが食べたいものをその日のメニューに組み込んで欲しいと、キッチンを訪ねてはねだりるものだから、今回の要件まその事だとどうやら思われているようだ。

確かにおねだりではあるが、今回は私のおねだりではない。


「半分正解、半分不正解です。ジル、袋をマッシュに渡して?」

「はい。マッシュさん、こちらをどうぞ」

「ん?なんだ?」


ジルから手渡された袋を早速覗き込むマッシュ。

中にはナザリーおばさんが捌いてくれた魚がある。


「おお、美味そうなパーシェだ。どうしたんです?」

「さっき市場で買ってきたんです。母様がどうしてもパーシェのマリネが食べたいと言うので」


困ったように微笑むアリエラ。

因みにパーシェとは、アリエラが買ってきた魚の種類だ。

色は薄黄緑色の背から腹にかけてグラデーションのようになっていて、ふっくらとした豊満なボディ。

その身は白身でプリっとしていて、ほんのりと甘みがある。

生でそのまま食べても、火を通しても美味しい万能な魚だ。

火を通すなら個人的には少し酸味のあるソースをパーシェにかけるのが好みだったりする。


「おや、今回は奥様の方でしたか」

「そうです」

「なら腕によりをかけて、美味しいマリネを作らないと、奥様に叱られますね」

「今か今かと待ち遠しそうにしてますからね」


二人で母のその姿を想像して笑い合う。


「お嬢様は今日はおねだりしなくて良いんですか?」

「じゃあ、食後にサッパリしたデザートが欲しいな?」

「かしこまりました。坊ちゃんは何かありますか?」

「僕は平気だよ。マッシュの作ってくれたご飯、全部美味しいから」

「おやおや、それは嬉しい」


マッシュから問われたアリエラは、お言葉に甘えてちゃっかり自分もリクエストしておく。

それに引替え、隣にいるウィルは大人の対応をしている。

…ウィルはもう少し子供っぽくてもいいと思う。


アリエラのリクエストを笑顔で了承してくれたマッシュは、鍋の方で火の調節をしていた一人に声を掛ける。


「ダニー!お嬢様様が、デザートを所望だぞ。頑張れよ」

「はい!お嬢様、今日はどんなデザートがご希望ですか?」


火の番を別の者に任せ、おっとりとした雰囲気の優しげな青年がこちらに近づいてくる。

この青年はマッシュの息子の一人で、ダニルと言う。愛称はダニー。


「サッパリしてるものがいいな」

「んー、じゃあ果物を使ったお菓子がいいですかね?楽しみにしててください」

「楽しみにしてるわ」


頼んだ私よりも楽しそうにしながら、元の場所へ帰っていくダニー。

この中でならお菓子は彼が一番得意だろう。アリエラもたまにダニーに教えを乞うことがある。

そんな彼の作るお菓子は絶品なので本当に楽しみだ。


マッシュと他の料理人にも軽く挨拶を交わし、アリエラ達はキッチンを出た。

ジルは仕事があるからと二人と別れ、アリエラ達は自分の部屋がある二階へと登った。

ウィルを部屋まで送り届けてから、アリエラも部屋着に着替える為自室へと戻る事にする。




**************************




自室の扉を開けば、ほんのりと優しい匂いがする。


一度手荷物を机の上に置き、匂いの元を辿っていけば、窓際に綺麗な花が生けられていた。これが匂いの正体のようだ。


朝はなかったので、今日生けてくれたのだろう。


雪のような真っ白で小ぶりの花弁を沢山つけた花と、ふわりと丸みのある淡いピンク色の花が花瓶に生けられている。

名前までは詳しくないが、家の庭で育てている花の一部だ。

この時期になると庭に咲いているのを見た気がする。


「誰かしら…でも、こういうのをしてくれるのは大抵」


近寄って鼻を花へと近づけてその香りを楽しむ。本当にいい香りだ。

使用人がしてくれたことには変わりないが、後でお礼を言いたいから誰だろうと推測してみる。

ざっと頭の中に思い浮かべた中で、そうだろうなと思い当たる人物が一人。


「多分ヴィーかしら?後で聞いてみよう」


花の香りを楽しんだ後、クローゼットを開けてその中に並ぶ部屋着の中から一着を手に取った。


手に取ったのは淡いパープルのカジュアル目のドレス。


鎖骨を出すようなデザインで、細やかで繊細な花をあしらったレースが広めに胸元を縁取り、七分丈の袖は下にかけてふんわりと膨らみを持っている。

それに着替えるべく、着ていた外出用のドレスワンピースを脱ぎ始める。


着替えを済ませたアリエラは、Aラインのドレスの裾をふわりと揺らしながら机まで行くと、先程買ってきた品をポシェットから取り出した。


「どんな感じで作ろうかしら…」


椅子を引き机に向かったアリエラは、取り出した今日の戦利品を並べながら構想を練り始める。

引き出しから紙を取り出して、思いついたデザインを描き足しては、別の案が浮かびまた描く。


なかなか納得のいくデザインにならず夢中になって描いていると、コンコンと扉を叩く音がしたのでやっとその手を止めた。


「お嬢様、入ってもよろしいでしょうか?」

「はい、どうぞ」


アリエラが許可すると、扉から顔をのぞかせたのはふわりとした赤毛のボブヘアーの少女。

彼女はアリエラより三歳年上の専属侍女だ。


「そろそろお食事の時間です。一度下に行きましょう?」

「えっ!もうそんな時間!?」


言われて窓の外を見れば、すっかりオレンジ色に染まってしまった空。

どうりで手元が見づらくなっていた訳だ。夢中になりすぎていて時間がそんなに経っていたことに気づかなかった。


「お嬢様ったら、また夢中になって何かしていたのでしょう?」

「今日買ってきたもので何を作ろうか考えていて……素敵な物ばかりだったから」

「あら、本当に。綺麗ですね」


買ってきたものを見せれば、目を輝かせながら頷く。やはり年頃の女の子だな。


「でも、買ってきたって…もしかしてまた抜け出してたんですか?」


ぎくり……失言した。

とアリエラがすーっと目を逸らしたのを見て、やっぱりと呆れ顔を向けてくる侍女。


「またジルに怒られますよ?」

「………もう怒られたわ」


そう告げれば、『なんだ、そうだったんですか』と笑われてしまった。

もう、アリエラが抜け出すとジルが捕まえてきて説教する…は必ずセットだと認識されているようだ。


「そういえば、あの花ってもしかしてヴィーがやってくれた?」


そうだ、と思い出したアリエラは花瓶に視線を向けながら尋ねる。アリエラにつられるように、ヴィーと呼ばれた侍女もまた花の方へ視線を向けた。


「はい。ちょうどリックさんが剪定をしていて、切り落とさないと養分が上手く回らないからと、切っていたので。せっかく綺麗に咲いていたのにそのまま捨てるのは勿体なかったので頂いたんです」

「そうだったの。ありがとう、ヴィー。とっても素敵…貴方が貰って来てくれて良かった。こんなに綺麗なのに捨てられていたなんて勿体ないもの」


やはり花を生けてくれたのはヴィーだった。

庭師のリックから分けてもらったようだ。


アリエラはヴィーに笑顔で感謝を告げる。


「気に入って貰えたなら良かったです。花もお嬢様に見てもらえて喜んでますよ」


ヴィーは嬉しそうに微笑むと、行きましょうと扉を引く。アリエラも立ち上がると、ヴィーと共に部屋を出た。


**************************



下へ降りると、食卓にはもう皆が揃っていた。どうやら私が一番最後だったみたいだ。


「アリエラちゃん早く早く!」


お目当てのマリネが待ち遠しいようで、母に急かされながら席に着く。


「まぁまぁ、落ち着きなさい」


その様子を可笑しそうに見ながら、母に声をかけるのは父である、アルト・ディーベルト。


我がディーベルト家の当主様だ。


爽やかな見た目とは裏腹に、ディーベルト家の名を背おうだけあってかなりの実力者であり、国からの信頼も厚い…私の自慢の父様です!


「アリエラも来た事だし、食事を運んでもらおう。どうやらリディが待ちきれないようだから」

「まぁ!アルったら…私、子供ではないのよ?」


父から子供扱いされたことで、母…リディアは真っ白な頬を膨らませた。


「ごめん、ごめん。でも待ちきれないのは事実だろう?」

「それはそうだけれど……」

「リディから聞いていたからね。実は僕も楽しみにしてたんだ。お願いできるかな、マッシュ?」

「かしこまりました。すぐにお持ちします」


笑顔でキッチンに戻って行ったマッシュ。

母も父の言葉ですぐに機嫌を直し、でしょ?と笑いかけている。

相変わらず仲のよろしいことで何よりだ。


食卓についているのは私を入れて四人。

我が家は六人家族なのだが、姉は学院の寮で暮らしているし、兄は卒業後にすぐに仕事に就いてしまい、今は他国に行ってしまっていてここにはいない。


姉はもう卒業するから恐らく家に帰ってくるだろうが、入れ違いで私が今度は学院に入ってしまうので完全にすれ違いとなる。


二人とも長期休暇や、ちょっとした休みには帰ってきてくれるが、やはり少し寂しい。

二人用に残されている席を見ながら、少し寂しい気持ちになってしまう。

こないだ夜会の招待状が届いて、自分の学院への入学が近づいていることを実感したから余計だろう。


「ねぇ様?どうしたの?」

「あ…姉様と兄様の事考えてただけよ。姉様はともかく、兄様はちゃんとご飯食べてるかしらって」

「兄様は……忘れてそうですね」

「……でしょ?」


アリエラの様子をみてウィルが心配そうに顔を覗き込んできた。

隠すことではないので考えてたことを口に出せば、アリエラの言葉にウィルは眉毛を八の字にする。

忘れていそう、と言うウィルと同意見のアリエラもため息を思わず吐き出してしまった。


「あの子は熱中すると周りが見えなくなるからね」

「そうね、心配だわ」


二人の会話を聞いていた両親までが口を揃えて心配だと呟く。


兄は古代魔法の研究をしていて、各地の文献や遺跡に足を運んでは調査をしているのだが、熱中すると周りが見えなくなるのだ。

そのせいでよく寝食を忘れて倒れる寸前…または倒れるまで活動し続けるという悪癖がある。

それをよく知る家族は揃って深いため息をつくしかない。


「アリエラ…お前も気をつけなさい」

「え?なんで私ですか?」

「……………」


え、なんですか?急に無言にならないで下さい。怖いです。

何故か矛先がアリエラに向き、父から忠告を受けたアリエラ。全く意味がわからずに首を傾げる。


「ねぇ様は僕が見てるので大丈夫ですよ、父様!」


隣のウィルがねっ!と拳を両手で握っているが、そもそも何の話?とアリエラは更に首を傾げた。


「お待たせしました」


よく分からない会話の最中に、マッシュが戻ってきて、会話は一旦ストップ。

マッシュと他の料理人によって運ばれてきた料理によって手際よくテーブルに並べられ、侍女や執事によって飲み物が用意されていく。

準備が整ってしまえば、目は料理に釘付けになり、皆で揃って頂きますと口に運び始めた。


「んーん!美味しいっ!これよ、これ!!」


待ちに待ったマリネをぱくりと食べると、母は満面の笑みで次々とパーシェのマリネを口に運ぶ。

その様子を満足そうに見ながら、父もマリネを食べて美味いと口にしていた。


アリエラも口に運ぶと、パーシェの弾力のある身と僅かな甘み、程よい塩気とオイルが絡みとても美味しい。

これはいくらでも食べれそう。


皆でマッシュたちが作った美味しい料理を食べながら会話に華を咲かせていると、あっという間に全て食べ終わってしまった。

食べ終えた後に残った食器を次々下げられていく中、トレーを持ったダニーが現れる。


「食後のデザートをお持ちしました」


そう言って目の前に置かれたのは、ムースで作られたドーム。

濃い赤い色のついたそれは、まるで宝石のように綺麗だ。


「待ってました!ダニー、これは?」


見た目はムースにしか見えないけれど、ダニーのことだからそれだけではないはず。アリエラは期待の籠った目でダニーを見た。


「食べてみてからのお楽しみです。どうぞ召し上がってみてください」


ダニーは答えを教えることなく微笑むばかり。

ならお言葉に甘えて早速いただくとしよう。


「いただきます!………んっ!美味しいっ」


フォークを差し込むと、ムースにしては少し硬い感触が伝わる。どうやら中に別のものが詰めてあったようだ。


それを口に入れた途端、ムースの甘酸っぱい味が口に広がる。

そのすぐあとにほろりとムースが溶けると、ひんやりとしたシャーベットが口内を甘く冷やす。

下にクッキーを砕いた様なものが敷いてあったようで香ばしさと甘みがざくりと噛む度に広がる。


「流石ダニーね」

「気に入って貰えたなら良かったです」


とても嬉しそうに笑うダニー。母様達も気に入ったようで、ダニーを褒めている。

皆に褒められて恥ずかしくなったのか、ダニーは一礼をするとすぐにキッチンに戻って行ってしまった。




**************************




美味しい夕食とデザートを堪能したアリエラは、少しぬるめの湯に浸かり、しっかりと体を温めると、ヴィーによって用意されていた寝間着に着替える。


その後髪を整えてもらい、片側に緩い三つ編みで纏めてもらった。


寝る支度が出来たのでヴィーが下がったのを確認すると、アリエラはストールを肩から掛けてもう一度布団から抜け出し机へと向かう。


(さっき描いていたデザインの続きをしよう)


机に置いてあるランプをつけると、早速アリエラは思いつくまま紙にペンを走らせた。




それから三時間ほど夢中になって描いていたが、少し喉が乾いてきて一度手を止めた。


飲み物でも貰いに行こうかと椅子を引いた時、コンコンと扉を叩く音がする。

またヴィーかな?とはいと返せば、帰ってきたのはヴィーの声ではなく男性の声。


扉まで近づいてアリエラ自らドアを開けると、そこにいたのはジルだった。


「明かりが漏れてたからもしかしてと思ったら…」


ちらりと明かりの元であるランプの方に目を向けたジルは、その近くに散らばる散乱した紙を見てやっぱりと言う。


「ジルこそどうしたの?こんな時間に」


もしかして夜更かししてたことに対してお説教をしに来たの?と首を傾げれば、夜更かしは良くしているでしょと言われてしまう。


……確かにそうだ。


「起きてるなら、喉渇くかなと思って。これ、持ってきたから飲んだら?」


凄い、まさに今そう思ってたところだ。

有難くジルからデキャンタとグラスを受け取る。


「それにしても、もう今日の仕事は終わりなの?」

「うん、終わり」


話し方も元に戻っているし、そうだろうとは思っていたけど。

もう仕事は終わってすっかりオフモードのようだ。


あまりこんな時間に会うことも少ないので、ここまでオフモードのジルを前にするとなんだか変な感じがする。

なんというか…むず痒い。


「何をそんなに夢中になって描いてたの?」

「今日市場で可愛い素材を買ったから、また何か作ろうと思って」

「あぁ、なるほど」

「そうだ、ジルの意見聞かせて!今何個かいい案が出たんだけど、どれにしようか迷ってて」


ジルの腕を引いて部屋に招き入れる。

えっと戸惑う声を上げたジルだけど、早く早くと引っ張るアリエラに負けて、仕方なく部屋の中へお邪魔する。


ジルから受け取ったデキャンタとグラスを机に置くと、アリエラは早速数枚の紙を並べた。


「この素材を使って作るんだけど、この中ならどれがいいと思う?」


アリエラがこれと素材をジルに見せる。

見せられた素材と、アリエラが絞った四枚のデザインを見比べながら、ジルはそっとアリエラを見た。


「これ…かな」


すっととジルが指さしたのは、リボンを数種類重ねてくの字に折り曲げた所に花や葉をモチーフにした金属のパーツを取り付けたバレッタタイプの髪飾りだった。


「ならそれを作ろうかな」

「他の人にも聞かなくていいの?」

「うん。私もこの四枚ならどれも気に入ってるから」

「…そう」


デザインも決まったし明日から早速作ろう。

アリエラは楽しみで仕方ないと笑みを漏らす。


「デザインが決まったなら、そろそろ寝なよ?それじゃ俺はもう行くから」

「そうね…一段落ついたと思ったら、なんだか眠くなってきたかも。ジルも今夜も大変だったでしょ?お疲れ様。ゆっくり休んでね…おやすみなさい、()()()


きっと彼の体はクタクタなはずだ。

執事の仕事と、その後の特訓をこなしてきた後なのだから。


労いの言葉をかけてから扉までついて行くと、アリエラは愛称ではなく名を呼び手を振った。


「おやすみ、アリエラ」


そしてジルもまた、お嬢様ではなくアリエラと呼び、部屋を去っていった。



久しぶりの()()()()としての会話を最後に、アリエラもベッドに潜ると夢の中へ落ちていった。





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