表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
復讐のアルティマ  作者: ダーブン
2/5

第1話

「はぁっはぁっ……」


 戦争によって破壊された廃墟の町を、一人の少女がホバーバイクで走る。

 その後ろを、車に乗り銃を手にした盗賊たちが追いかけていた。


「いい加減止まれや、このガキがぁ!」


 男たちは、少女には当たらないようにしながらも、発砲して少女を脅した。


「きゃぁッ!」


 銃撃に驚いて、少女はその場で転倒した。

 体を地面に打ち付けケガをし、走って逃げることもできなくなってしまった。


「ずいぶんと面倒かけさせてくれたな……」


 車から盗賊の男たちが30人ほど降りてきて、少女の周りを囲んだ。


「私にいったい、何の用なんですか!?」


「お前が欲しいって依頼を受けたんだよ」


「いったい誰が……」


「さあな、てめぇみたいなガキの身体が好きな変態かもな!」


「いっ、いやぁ!」


 男が少女の腕を掴み、立ち上がらせた。


「さあ乗れ!」


 盗賊が少女を車に乗せようとしたその時、盗賊が叫び声をあげた。


「ぎゃぁぁぁあぁぁっぁあぁ!」


 銃声と共に、少女を掴んだ男の腕が肩のあたりでちぎれてしまった。


「ど、どこからだ!? どこから撃たれたぁ!?」


 盗賊たちはどこから撃たれたのか周囲を見渡した。


「おい、あそこを見ろ!」


 廃墟と化したビルの上から、謎の男がこちらに銃を向けていたのだ。


「な、何だこの野郎…うぎゃぁ!」


「クソ、下からじゃ不利だ! おい、RPG持ってこい!」


ビルの上から攻撃してくる男に対し、盗賊は携帯式のロケット砲を打ち込んだ。

発射された弾頭は男のいる階めがけて飛んでいき、大きな爆発を起こし、ビルの破片と共に男が吹き飛ばされた。


「ハハッ! ざまぁみろ!」


盗賊達は吹き飛ばされた男を見て、確実に死んだと思っていた。

しかし男は生きていた。落ちながら盗賊たちに向けて、銃で攻撃したのだ。


「なっ!? 馬鹿な……ぎゃぁ!!」


そして腰に下げていた拳銃とナタを手に取り、態勢を立て直し盗賊たちの目の前で着地した。


「な、何だコイツ! 人間じゃないのか!?」


 そして謎の男は、人間とは思えない速さで男たちに接近して、持っていたナタを振り下ろし、盗賊の頭をかち割った。


「う、うわああああ!!」


 盗賊たちは半狂乱になりながら、銃を撃ちまくった。

 しかし、謎の男は、ナタで殺した盗賊の死体を盾にし、銃とナタで次々と盗賊たちを殺していった。


「ひ、引くぞ! 引けぇぇぇ!!」


 30人はいた盗賊が数人だけになると、勝ち目がないことを悟り、車に乗って逃走を図った。


「な、何だったんだ、あの男……うっ!?」


 車に乗っていた盗賊の一人が、突然頭に大穴をあけて絶命した。

 謎の男が、死んだ盗賊の持っていたライフル銃で狙撃したのだ。


「うっ、うわあああああああ!!」


 車内にいた盗賊たちは半狂乱になり、アクセルを思いっきり踏んで全速力で逃げて行った。




「あっあの、ありがとう……ございます」


 盗賊に襲われていた少女が、謎の男に、恐怖と不信感を抱きながらも、助けてもらった礼を言う。


「あぁ」


 男はそっけない返事をすると、バサバサと地図を広げて、何かを確認し始め、それ以上喋ろうとはしなかった。


「あの、私アイって言います。あなたのお名前は?」


「アルティマ」


「あの、アルティマさんはどこかに行く途中なんですか?」


「ナゴヤまで」


「そんな遠くまで、徒歩で行くつもりなんですか?」


「そうだ……いや、こいつらの乗っていた車で行くとしよう」


 最初は徒歩で行くつもりだったようで、その計画性の無さに少し驚いた少女が提案をした。


「そこに向かうなら、途中にある町に寄って行きませんか?休んだり、食料を買ったりしないとでしょう?助けて頂いたお礼をさせてください」


「そうだな、それじゃあ頼む」


 アルティマはアイに案内され、町に向かうことにした。

ご覧いただき、ありがとうございました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ