女神と出会う
「ここはどこだ。」
目が覚めるとそこは白い空間。何処までも続くのでは、と思ってしまうほどに広い。
「俺は何でこんなところいるんだ?」
「それは私が説明しましょう。」
「誰だ、あんた。」
俺の目の前に現れたのは、とても美しい芸術品のような女性。
「ごめんなさい、自己紹介がまだでしたね。」
「すまん、人に聞く前に自分が名乗るべきだったな、俺の名前は新崎吹雪だ。」
「私の名前はエリスです。」
「そうか、それにしても、説明しますと言っていたが、エリスさんはここがどこかわかるのか?」
「ふふ、別にエリスと呼び捨てでいいですよ、そして、この場所は、転生の間です。」
「転生の間?どこですかそれ?」
「簡単に言えば、死んだ後その魂を転生させる場所です。」
え、待てよ。てことは俺死んだのか? 確かに何故か知らないが、今までの記憶が思い出せない。どういうことだ? でも、何故名前は覚えていた? わからない。
「それは、私が説明します。前世での記憶は死んだときに消えてしまいます。何故なら記憶は脳にあるからです。だから、死んだと同時にあなたの前世の記憶はなくなります。もうひとつ、何故、名前だけは覚えているのか。それは、名前は魂に刻まれるからです。だからあなたは、名前だけしか思い出せないのです。」
「え? 何で俺の考えてることがわかったんですか?」
「ふふ、言っていませんでしたが、私、女神なんですよ?だから、考えていることも分かるんです。」
え?マジかすか。女神なんですか。どうしよう。
「ふふふ、あなた、面白いですね。別に気にしなくてもいいですよ。」
「え?でも、女神様なんでしょう?」
「私がいいと言ってるのです!」
「は、はい、わかりました。」
「後、敬語も要りません。あなたの、素で話して下さい。」
「わかった。これでいいか?」
「ふふ、オッケイです。」