オープン・ザ・ドア
はい、短編の息抜きに書きました!
ど、どうしてこうなったのだろうか?
俺は綾瀬にプリントを持っては来たが家にまでは上がる気は無かったのに......。
「それなのに......」
何故か家にまで上がらされ、そして今リビングで綾瀬母と向かい合って座っている。
何故だ?何故こんなに状態になったのだろうか......。
「うふふ、どうかしたの?」
「あ、いえ。なんでもないです」
早く本題を切り出したいのだが......言い出しにくい。
にしてもなぜこの人はこんなに笑顔なのだろうか?それが俺に謎の不安感を与える。俺は気を紛らわす為にいつも付けてる腕時計の方に目をやる。
「それにしても本当、久しぶりね。梨乃の友達が来るのは」
少して綾瀬母がそんな事を呟いた。流石の俺もそんな話を聞いたら気になるので顔を上げて綾瀬母を見ると、何処かホッとしたような表情をしていた。
「そうなんですか?」
「そうなの、昔はそんな事を無かったんだけど......、中学2年の頃から友達と遊ばなくなっていって最近では買い物と学校以外ではあまり外出もしなくなったの」
確かにそれは不安にもなるよな。しかし、何故そんな事になっていったんだろうか?あまり関わりなかったけど気になってしまう。
「ちなみに最近は布とか裁縫具なんかを買ってきてたのよね」
聞いてもいないのに言われましても......。にしても布とか裁縫具を買うようになったという事はぬいぐるみでも作ってたりするのだろうか?だとしたら友達と遊ばなくなる理由も分からない。空いた時間に作ればいい話だし。ん〜、ますます分からんな。
「あ、そう言えば玄関で何か言おうとしてたけど、何かお見舞い以外にもあるの?」
綾瀬の事をことを少し考えてると綾瀬母がやっと本題についてを聞いてきた。
「あ、はい。今日来たのはお見舞いもあるんですど担任からプリントを渡されまして......」
そう言いながらカバンの中から3枚プリントを取り出し渡す。綾瀬母はそれを受け取ってプリントを読み始める。
......あれ?俺っていつ帰ったらいいわけ?
今までこんな経験をしたことなんてもちろんない。だけど渡すもの渡したら帰ってもいいと思うのだが、なんと言うか、言える空気じゃないといえばいいのかな?仕方ない。読み終わるまで待つか。
プリントを読み始めて1分程して綾瀬母はプリントから視線を外してこっち見てくる。そして一枚プリントを俺の前に持ってくる。何故?
「これ梨乃が書くアンケートみたいになってるから君が持って行ってくれないかしら?」
あぁ、なるほど。ーーえ?
プリントに目を落とすと確かに生徒向けのアンケートだ。だけどこんなアンケート見たことないぞ?友人は出来そうか?とか書いてるって事は転校生に実施してると言うわけか。
てか、なぜ俺が持っていかなきゃいけないの!?
「お見舞いも兼ねてるんでしょ?」
俺が何かをいう前に綾瀬母がそう口にする。あ、揚げ足を取られた。
俺は小さくため息をつきそのプリントを取る。
「梨乃の部屋は二階に上がってすぐの部屋よ」
席を立とうとした時にそう綾瀬母は言った。
確かに、どこに居るか聞いてなかったな。
「ありがとうございます」
俺はそう言ってリビングから出ていった。
二階に上がってすぐ左側にドアがあった。多分ここが綾瀬の部屋なんだろうな......。
けど、綾瀬は俺と話をしてくれるだろうか?初日話しかけた時は無視されたしな......。
まぁ、あれこれ考えても仕方ない。あー、緊張する。俺は覚悟を決めてドアノブに手を掛ける。
ーーこの時に声を掛けるだとかノックをするなどの行動を一つでもとっていればもっと、別の未来があったのかもしれない。だけど、言い訳なのだがこの時の俺は同級生の女の子の部屋に初めて入る緊張故それらをすっかり忘れてしまっていた。
だからーーー。
ガチャ
「あの、綾瀬さ......ん?」
「へぇ?」
部屋の中に居た"綾瀬が魔法少女のような服を着ている"のを見てしまった。
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