休み、なので
二月まで休む言ってたけど、今月のあいだちょくちょく書いてたらなんか1話分出来たので投稿します
朝のSHR終了後、俺の隣の席にはクラスメイト達が集まっていた。理由は察しの通り、綾瀬 梨乃と話すためである。いつもは静かな安息地帯の後ろが!畜生!
仕方なく隣の様子を見てる訳なんだけど......
「私、清水 茜宜しくね。綾瀬ちゃん」
「......」
「前の高校だと何部に入ってたの?運動部?それとも文化部?」
「......」
「ねぇねぇ、私が校内案内しようか?」
「......」
まぁ、見事に全て無視である。結局、その休み時間の間で綾瀬が喋ることは一度もなかった。
そして、次の休み時間になると今度はさっき話せなかった人などが集まり話しかけるがそれも全て無視。それが今日中続き、下校時には誰一人話しかけないという完璧な独立状態が完成していた。
コイツはほんと、何がしたいんだろうか。
次の日、教室に入ってみると綾瀬は先に来ていた。やはりというべきか、昨日とは違って周りには誰も寄ってなかった。
クラスメイトを1日無視しまくった結果があれなのか......。
自分の席のところまで行き隣の席に座る綾瀬の方を見る。今日は風邪予防の為かマスクを付けてブックカバーを着けた何かの文庫本を読んでいた。一瞬声を掛けようかと迷ったが、今日も無視されそうで声を掛ける事は無かった。
綾瀬はいつも1人で居た。休み時間も、弁当を食べる時も、下校する時などはいち早く教室を出て一人で帰っていた。その姿を見て心配には思うのだが、どうしても俺は綾瀬に話しかけることが出来なかった。
そして日が進んだ金曜日。
「えーっと、今日、綾瀬は発熱らしくてな。さっき電話が掛かってきた」
クラス全体には、へぇーとかふーん的な雰囲気が流れていた。
「それでだ、湊」
にしても発熱か。前からマスクしてたのは元々体調が悪かったからか?
「湊。おい、湊聞こえているのか?」
うーん、そんな感じでは無かったはずなんだが......。ってなんで俺がこんな事考え
「湊 聖哉!!聞こえてないのか!」
「え?あ、はい。なんですか?」
「はぁ、やっぱり聞こえてなかったのか......。この後、俺と一緒に職員室まで来てくれ」
「はい、分かりました」
あれ?俺何かやったっけな?
そんな事を考えている内に朝のSHRが終わり、俺は担任と共に職員室まで向かった。
「それでお前を職員室まで呼んだ訳なんだが......。これを綾瀬の家に届けてほしいんだ。先生、大事な用が放課後に入ってしまってな。さっきお前らには配ったプリントなんだが、書いてあるとおり来週の月曜日にはもう出さなくちゃ駄目なやつだからな」
職員室に着き、1人外で待たされ、出てきたなりそう言って担任が俺に2枚のプリントを俺に渡してくる。
それは別にいいんだが......。
「あの、頼まれても俺綾瀬の家知らないんですけど」
「そう言うと思ってな.....。これを見ていけ」
そう言って渡してきたのは1枚の紙だった。受け取って見てみると、その紙は地図で地図上に赤い点が1つ打ってあるだけだった。あれ?ここって俺の住んでるアパートの近くじゃないか?
「まぁ、そんな訳でよろしく頼むな」
「え、ちょ」
俺がまだ了承する前に担任は職員室の中に入って行ってしまった。
まぁ、こんなものを軽く渡されてもほんとに困るわけで......。俺はその日の授業を半ば上の空で聞くような事態になった訳であった。
まぁ、そのお陰で今日の学校が早く終わった気がした。
そう、気がしただけだ。本題は......。
「今日の本題はこっからなんだよな......」
そう、今日の本題は綾瀬梨乃に教師から貰ったプリントを渡すこと!
にしても、俺の住んでるアパートからほんとに近いな、この家。たった5軒隣だったとは...。そんなに近くて気付かない俺も俺か。
そんな事を考えながらインターホンを押す。
それにしても今更だがこれを保護者に渡せばよくね?うん。ほんと今更だけど。
なんて事を考えていると、ドアが開き中から女性が1人出てきた。
「はーい、どちら様ですか?」
なんか、見た目的にそこまで年いってなさそう感じだけど...お姉さんか?
「初めまして、梨乃さんのクラスメイトの湊 聖哉って言います。今日はプリントを届けに来たのですが......」
そう言いバッグの中からプリントを出そうとした時、突然手を掴まれる。......はい?
「まぁ!友達が来てくれるなんて!ささ、中に入って行ってくださいね。なんなら梨乃にも会っていってちょうだい!熱はもう引いてるから」
「え、ちょ!なしてーー!!」
抵抗する間もなく俺は家の中に上げさせられるのだった。
本格的な活動はほんとに二月からなのでまぁ、も少し待ってください