神に近い男、小学校に通う
「ついに、俺も小学生になったというわけだ。」
最強の幼稚園児であった俺が小学校に入る。さあ、世界よ、戦慄するがいい。
「小学校の一番はなかなか難しいぞ。特に、上級生までなると、実力者も多い。くれぐれも気を付けてくれ。」
小学校を制覇するのも一筋縄ではいかないということか。確かに、彼らと俺の体格の差は大きい。簡単には勝たせてはくれないだろうな。
「幼稚園で最強の俺が王者の座を守りきる。それだけだ。」
「小さい頃は頭が良かったーとかいうのと同じようにあるあるの台詞だな。幼稚園最強(笑)さん。」
「これからは小学生最強だ。神さんよ」
勿論、彼らに命ずれば、命は簡単に奪える。だが、あくまでも俺は同じ土俵で戦い、喧嘩に勝ちたいのだ。つまらないことはしない。言葉の加護を使えば女の子とデートだって無理やりすることだってできる。
しかし、俺は過程を楽しみたいのだ。小学生最強という称号を自分の手で掴みとりたい。それだけである。
「くれぐれも無理はするな。まだお前の体は子供だ。気を付けてくれよ。」
「まあ、体も自主的に鍛えるから大丈夫だ。」
俺は体を鍛えればその分だけ強くなるくらいのポテンシャルをこの体は有している。体術を磨き上げ、さらには魔法を絡めた戦闘も行えるようにする。一見すると簡単だが、なかなか難しい。
「天才である俺はどんなに高い壁であっても乗り越えてやる。」
「ま、小学生を相手に頑張って下さいね。」
所詮、奴等上級生とて俺の敵ではない。仮にも神に近い魂を持つ転生者なのだ。そうそう、遅れは取らない。
だが、一つだけ不安がある。
「俺はこのままだとぶっちぎりで最強のボッチになってしまう。」
「それはお前、見た目は子供でも精神年齢が数千年なのだから仕方のないことだと思うよ。」
小学校の1年生になった俺はライバルと違うクラスになってしまって他の生徒と一月ほど関わっていない。俺がクラスの中で喧嘩が一番であることも大きい気がする。強い奴には逆らわないのがルールだ。
最近は小学校に入ってから教わり始めた剣の素振りを繰り返している。喧嘩する相手もいないからな。上級生に挑むのも手だが、王者は座して待つのが正しい。
そういえば、剣といえば、たしか剣の加護とかいうのもあったな。
「剣の加護を持つ転生者はこの学校にいるのか?」
「さあ、どうだろうね。知らないけど、剣の加護がある奴に剣術では生涯かけても追いつけないね。同じ条件下であればね。」
「世の中、同じなんてことはないからな。身体能力を底上げして、魔法も絡めれば勝負は分からんと俺は思う。」
俺は小学校で予選が行われる来月の剣術大会に参加する。基本的に文明レベルは日本と大きく差はないので、大会のようなこともするのだ。ただ、運営に携わる人を除いて言葉を解する人々は少ないので、バトルロイヤルで勝ち残った人が優勝し、地区大会へと進出することができる。
地区大会を勝ち残れば、いよいよ全国への道が開かれる。
世界大会が開かれないのは残念であるが、まずはこの国で一番の剣士になることにする。もしかすると、その過程で剣の加護を持つ転生者と戦うことになるかもしれない。楽しみである。
「相手が誰であれ、俺は叩き潰すだけだ。」
今回の大会には俺の嫁たちも参加することになるだろう。しかし、手加減はしない。
「ま、女の子相手でも全力で戦うところは私は評価しているよ。敵がだれであれ油断大敵だからね。」
俺が万が一にも遅れを取るのはあり得ないことであるが、今回の大会で俺は日本一の小学生になり、鮮烈なデビューをすることが必要なのだ。油断は大敵である。
「見ているが良い、最強のボッチの逆襲をな。見てろよ、ナナリー。誰であろうと、私の敵ではない。」
ナナリーが同じクラスにいるが、彼女は私のことを少し警戒している。彼女のことを幼稚園生のときに倒したのが原因かもしれない。彼女に近づこうとすると避けられる。
だからこそ、負けられない。世界一の男に負けたのであれば、彼女のプライドも守られるからな。
俺は今日も休憩時間は喧嘩をせず、淡々と素振りをこなしていった。




