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龍帝記  作者: 久万聖
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謹慎最終日

謹慎最終日。


雪まつりに関する発表が行われる。


主な項目は、


1、1チーム10名。種族は問わず。


2、制作期間7日。制作にゴーレムの使用不可。


3、他チームへの妨害は発覚次第、失格。


4、優勝者は、招待客の投票により決定。


5、屋台等、出店者募集。


となっている。


出場登録は、雪像制作開始日の30日前までとなり、また展示場所は厳正なる抽選で決められる。


それらを発表すると、ギイとトルイが睨み合う。


「「登録開始は、いつから?」」


異口同音の問いかけ。


「メンバーが揃っているなら、明日から受け付ける。

国内への発表は、俺の謹慎明けの明日に行う。」


その言葉を聞いて、


「「よし!!」」


またまた異口同音の言葉と、拳を握るふたり。


「ですが陛下。ただ雪像を作るというだけでは、何を作ればよいのか戸惑うのではないでしょうか?」


サクヤの言葉だが、たしかにその通りだ。


何を作っても良いというのは、一見するととてもいいことのように見える。

だが、あまりに自由度が高すぎると、何を作成して良いのかわからなくなるものだ。


「そうだな・・・・・・。」


リュウヤは少し考えてから、


「龍、でどうだろう?第一回目であり、我が国の象徴ともいえるからな。

そして、次回のテーマは優勝者が決める。」


それでどうかと、リュウヤが提案する。


周囲を見渡し、反対や意見がないことを確認したアデライードが、


「では、それで発表いたしましょう。」


そう宣言した。













午後になり、筆頭秘書官ミーティアを中心として翌日のスケジュールの確認が行われる。


この謹慎中に増員された秘書官6名。


リュウヤとしては多すぎじゃないかと思うのだが、ミーティアにしてみれば、まだ2〜3人増員したいくらいなのだという。


この2〜3人というのも最低ラインだというのだから、仕事量の増加はどれほどのものだったのだろうと思う。


実際、ミーティアが自分に仕えるようになって以降、組織は大きく拡大している。

拡大すればそれだけ、リュウヤの元に上がってくる案件も増加している。

にもかかわらず、今まで増員せずにこられたのはミーティアの能力の高さでもあったのだが、流石にこれ以上は無理とのことだ。


ホワイト企業を目指していたのに、こんな身近なところでブラック化していたとは、リュウヤとしても反省しきりである。


能力が高過ぎる部下がいると、それに頼りきってしまうというのは、ブラック化の兆しなのかもしれない。


人間族ふたりに、エルフひとり、ドヴェルグひとり、デックアールヴひとりにリョースアールヴひとり。


種族構成はかまわないのだが、なぜ全員女性なのだろう?


男女比率では、女性の方が多いのは理解してはいるが・・・。


ミーティアがリュウヤにスケジュールの説明をする。


「明日の午後、少し時間を空けられないか?」


「明日の午後、ですか?」


何かあるのだろうか?そんな顔でミーティアがリュウヤを見る。


「ユーリャと、謹慎明けに出かける約束をしてしまってな。」


収穫祭に参加しなかった(ペナルティ)を受けるのだと、説明する。


「申し訳ありません。サクヤ様より伺っておりましたのに、失念していました。」


午後に予定されていた二件の現場視察を、領内視察という形で振り分け、元々の視察はその翌日に回されることになった。


また、近衛隊長タカオ連絡して、護衛の人選を早急にするよう求めるため秘書官のひとりが走る。


他の秘書官たちは、明日からすぐに執務室が使えるようにするための準備を始めた。

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