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龍帝記  作者: 久万聖
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虐殺王?

操作ミスで、一度書いたものを消してしまった・・・

捕縛した傭兵らしき者たちは50名。


このまま放っておいてもかまわないのだが、その結果として野生生物のエサになったとすると目覚めが悪い。


それに、この者たちには確認したいこともある。


「それにしても、ここに龍人族(あいつら)が来ているということは、総指揮はエストレイシアだったりしてな。」


エストレイシアも、ここのところ実戦に出ていないからフラストレーションが溜まっているのかもしれない。

やり過ぎないことを願う。


「この集団のリーダーは誰だろうな。」


見て回るものの、装備に統一性がなく、誰がリーダーだかわからない有様である。


そこで、手っ取り早く済ませるために、手頃なところに転がっている男に軽く蹴りを入れて覚醒させる。

このあたりの対応で、いかにリュウヤが適当な感覚に陥っているかがわかる。


「うう・・・。」


「おい、起きろ。」


呻くような声を出す男に、リュウヤは容赦なく頰を叩く。


(いて)えじゃねえか!」


完全に覚醒した男は抗議の声をあげるが、リュウヤはそれを無視する。


「雇い主は誰だ?」


「し、知らねえ!」


「知ってる奴は誰だ?」


「知るか!」


なぜか強気な傭兵に対し、


「ならば、生かしておく必要はないな。」


リュウヤの冷たい声。


「な、なんだと?」


「どのみち死罪は免れんのだ。素直に話していれば、情状酌量もあったやも知れんが・・・。」


「ど、どういう意味だ・・・?」


それに答えたのはシズカだった。

もともと落ち着いたトーンで話すシズカだが、この時の物言いはこの男の心胆を凍えさせるものだったかもしれない。


「この国の王を害そうとしたのだ。斬首は当たり前だろう。」


男がその言葉を理解するまでに、数瞬の時を要した。


「こ、こくおう?」


理解した男は、ガタガタと震え出す。


「パ、パドヴァの虐殺の、あのリュウヤ王・・・か?」


虐殺とは酷い物言いだと思うが、噂とはそんなものだろう。

こういう時は、小泉純一郎元総理ではないが「悪名は無名に勝る」ものだ。

ここでリュウヤは少しだけ、唇の端を上げる。


その顔は、男には凄まじく凶悪なものに見えたようだ。


「はな、話す!なんでも話す!!だ、だから!!」


命ばかりは!とリュウヤにすがりつく。


「まず、お前の名前は?」


「ア、アランだ。」


「ならばアラン。お前の知っていることを全て話せ。」


実のところ、アラン自身は大したことを知ってはいなかった。

中心となったグループに誘われ、参加したにすぎなかった。

わかったのは、どこかの神官が依頼主であることだけだった。


「リーダーはどれだ?」


アランでわからないのなら、わかる者に聞けばいいだけだ。


リーダーを起こす前に、アランに確認する。


「この場にお前の仲間たちはいるのか?」


「は、はい。バルトロと、ビアージョというふたりです。」


「解放してやるから、そのふたりを起こせ。お前に免じて、ふたりを助けてやる。」


「ありがとうございます!!」


マテオが糸を外してやると、大急ぎで仲間ふたりの糸をほどき、叩き起こす。


ふたりは頭を抑えながら起き上がると、


「頭が痛え。」


「生きてんのか、俺たち。」


口々に言う。


「まったく、あの5人は何者なんだよ。あっという間にやられたぞ?」


そんなことを言っているふたりを、アランが押さえつけて、


「ご、御前で無礼な発言、お許しください!!」


自らも頭を地につけんばかりにしている。


「何やってんだ、アラン?」


「ば、馬鹿!!こちらのお方は、この国の王様だぞ!!」


「はあ?」


バルトロとビアージョは間抜けな返事をするが、アランの必死な様子に、嘘や冗談ではないことを理解する。


「あの、パドヴァの虐殺王!!」


うん、とても酷い呼ばれ方をしている。あの時は王宮の一部に留めたのに、なぜそんな悪評が立つのだろう?


「す、すいません!!こいつら、まだ混乱しているんです!!」


アランが必死に弁明する。


「まあいい。だが、もうしばらく付き合ってもらうぞ。」


3人はリュウヤの前に平伏していた。

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