表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
龍帝記  作者: 久万聖
158/463

知育玩具

祝、PV5万オーバー!!



 朝。


 朝食会にて猫人族の少女シュリも元気な姿を見せる。


「サクヤさま、りゅーやへーか、かんびょうしていただき、ありがとうございます。」


 たどたどしいながらも、リュウヤとサクヤを見つけたシュリは、感謝の言葉を述べる。


「もう大丈夫ですか?頭が痛いとかは、ありませんか?」


「はい!だいじょうぶです!!」


 シュリは元気よく返事をする。




 朝食会。


 通常であればリュウヤとサクヤの他は、フェミリンス、ミーティア、ギイ、アイニッキ、アデライード。リュウヤの側仕えとなっているタカオとマテオ、サクヤの側仕えのトモエとシズカ。それ以外では子供たちが数人加わるくらいなのだが、今日は違う。


 昨日、到着したばかりの獣人族の子供たちも参加している。なるべく早く、この地に馴染めるようにとの配慮からでもある。


 他にも、リュウネやパドヴァの子供たち。


 同年代の者たちと接する機会を増やし、偏見を無くそうという目的もある。元々、この周辺国では偏見は少ないとはいうが、念には念を入れる。


「レティシア。頼まれていたものの試作が、いくつかできた。時間のある時にでも、取りに来るといい。」


 子供たちのための教育機関は、次の春に開校予定である。そのための教材作成を、レティシアは担当しているのだ。

 そのためのアドバイスをリュウヤも時々、行なっている。その際に、遊びながら発想力や想像力を高める、いわゆる"知育"について話したところ、レティシアがおおいに興味を示したのだ。


 それに役立ちそうなものを、あちらの世界での知識を活かして試作品を作成した。


「ありがとうございます。」


 レティシアは礼を述べると、午後に取りに行く旨を伝える。


 ミーティアと話し、時間の調整をする。


 朝食会は、前日の報告を兼ねたものだが、前日が獣人族の移住団歓迎式典だったため、報告されることはほとんどない。

 そのため、龍王国(シヴァ)の主要閣僚と獣人族との顔合わせで終わる。


 食後は、いくつかのグループに分かれての見学に。


 ヴィティージェとレティシアについたグループと、リュウヤについたグループは午後、例の知育玩具を最初に体験することになる。


 試作させたのは、オセロ、ジェンガ、トランプ、ジグソーパズル、将棋、チェスの6つ。

 本当は、レゴブロックなども試作したかったのだが、プラスチックがないため、ひとつひとつ木で作成しなければならず、恐ろしく手間がかかるだけでなく、その重さも相当なものになってしまうため断念する。


 さて、チェスや将棋はこの世界にも似たものがあるようだが、始める年代が早いのではないかとの疑義が出され、今回は見送り。


 トランプやジグソーパズルは、紙で製作したものを蝋でコーティングしている。ジグソーパズルは100ピースで、絵柄は五つほど用意している。


 トランプも簡単なゲーム、ババ抜きや七並べを教える。


 だが、子供たちに好評だったのはオセロとジェンガだった。シンプルでわかりやすいルールがうけたようだ。


 ただし、ジェンガの崩れる音が大きく、他のゲームをしている者たちからのクレームの声も大きかった。










 そんな頃、森の外周部の開拓集落の入り口には、ドヴェルグが10名来ていた。


「どうなってんだ?話には聞いちゃいたが、ここまで変わるなんて・・・」


 開拓集落の周辺には延々と広がる小麦畑。


 更に向こうには放牧されている羊が見える。


 かつてのこの地では考えられない光景だ。


 呆然と立ち尽くすドヴェルグたちを、


「入り口でボサッと立ってんじゃないよ!!」


 荷車をひかせた馬の手綱を持つ恰幅のいい女性が、ドヴェルグたちを怒鳴りつける。


「あ、ああ、すまん。」


 慌てて道を開ける。


「まったく忙しいってのに・・・」


 ブツブツ言いながら、その女性は去っていく。

 荷車には大量に積まれた野菜があり、この地には豊かな実りがあることがうかがえる。


 ドヴェルグたちは、自分たちの知るこの地との違いに愕然としていた。

自分の予想を遥かに上回る方々に読んで頂けていることに、ただただ感謝。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ