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龍帝記  作者: 久万聖
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夕食会

 龍王国(シヴァ)において、夕食会は7日に一度開かれる。


 これは各種族が当番となり、それぞれの料理を振る舞うことで、それぞれの種族の文化の理解を少しでも進めようという趣旨で行われる。


 これは、リュウヤの「食は文化の基本」という考えからである。


 そして今日の当番となる種族は、エルフである。


 ただ、エルフたちの料理は基本的に肉や魚を使わず、また薄味なため、他種族うけが悪い。


 あちらの世界でいうなら、なるべく肉や魚を食べない"セミ・ベジタリアン"といったところだろう。


 さらに、エルフたちが主食とする豆(通称エルフ豆)が大豆に似ていたことから、試しに豆乳を作ってみたところ、かなり味の良い物ができたため、料理のバリエーションが増加している。


 この日の出席者は、リュウヤとサクヤを別枠とすると、龍人族からトモエとシズカ、タカオ。


 ドヴェルグからギイとその妻アイニッキ。


 ドワーフからトルイとテムル。


 リョースアールヴからフェミリンスとその従者エッリ。それに最近になってようやく合流したフェミリンス氏族族長ルーディ。


 デックアールヴからエストレイシアとヴォルンドル。

 人間族からはパドヴァのふたりの公女レティシアとアデリーナ。そしてマロツィア。


 同じくパドヴァの公子ロムルスとオドアケル。そしてウベルト。


 それに、主催者のエルフからラティエとミーティア親娘とルドラ。


 そしてイストール王国から来たアデライードである。


 夕食会は、アデライードの紹介とその挨拶から始まった。


「陛下よりの紹介に預かりました、アデライード・エガリテと申します。」


 "エガリテ?"


 リュウヤとサクヤは顔を見合わせる。"ド・シャルティエ"じゃないのか?


 いや、王姓を捨てることでこの国に尽くすという姿勢を見せたということか。


「アデライード嬢は、明日より10日の予定で各所を視察することになる。その後、配属を決定する。」


 皆に周知する。


 アデライードは一礼して着席した。




 夕食会は、エルフたちの料理説明から始まる。


 エルフ豆のスープから始まり、キノコと葉野菜のサラダ。


 木ノ実の入ったパン。


 エルフ豆から作った豆乳のシチューをメインに、森で採取した果実がデザート。


 そして果実酒が添えられる。


 公的な晩餐ではないため、豪勢なものではない。むしろ家庭的な料理である。



 夕食会は、和やかな雰囲気で進んでいく。


 途中、酒を飲み暴走しかける者がいたが、隣に座っているその妻のひと睨みで鎮静する。


「ドヴェルグの長殿は、奥方の尻に敷かれておるようですな。」


 そう笑ったドワーフは、


「そういえばトルイ。昼前にカルドゥハル(ドワーフの国)から先触れが来ていたぞ。明日、奥方が到着すると。」


 リュウヤから思いがけない朗報を聞いて、なぜか意気消沈していた。




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