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龍帝記  作者: 久万聖
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訪問者

あけましておめでとうございます。


年末年始、15年ぶりに39.0度超えの熱を出して寝込んでしまい、更新できませんでした。

 イストール王国へ向かう使節団。


 正使ラムスンド、副使ユリウス。


 護衛隊隊長にアカギ。


 技術官ドゥーマ。


 その他の者たちを合わせて150名ほど。


 それに贈り物として、大型獣の皮で作った革製品を積み込み、出発する。


 彼らを見送った後、執務室に戻りデスクワークに勤しむ。

 建国初期でも、決済しなければならない書類はあるのだ。

 書類も、今までは羊皮紙だったものが、紙へと変わっている。

 執務室の扉をノックする音が聞こえる。


「アルテアです。」


「入れ。」


 リュウヤ付きの侍女だ。王宮勤めの侍女の中でも最年少の彼女も、ようやく慣れてきたようで、最近では失敗もほとんど見られない。


 秘書官ミーティアがアルテアと二言、三言、言葉を交わし、リュウヤの下に来る。


「陛下、面会の申し込みです。」


「面会?」


「はい。ウリエ殿下の紹介状を持参されております。」


「ああ、優秀な人材を紹介する、そう言っていたな。通せ。」


 その言葉に、アルテアは一礼して退室する。



 しばらくして、アルテアが一人の人物を連れて戻ってくる。その人物を見て、リュウヤは唖然とする。


「アデライードと申します、陛下。面会の機会を与えてくださり、感謝します。」


 リュウヤの驚きを無視し、その女性は感謝の言葉を述べる。


 "アデライード?"


 どこかで聞き覚えがある・・・。


 確か、イストール王国に同名の王女がいたような・・・。


 まさか・・・、な?


 ソファに座ることをすすめつつ、確認する。


「ウリエ殿下からの紹介状があるとのことだが?」


「はい、こちらに。」


 出された書状をミーティアが受け取り、リュウヤの下に持ってくる。それを受け取りながら、


「アルテア、アデライード殿に飲み物を。」


 アルテアに指示を出し、紹介状に目を通す。


 やはりというか、なんというか・・・。


 自分の姉を売り込むか?


 しかも、場合によっては人質扱いされかねないというのに。


 そういう目で見るなら、イストール王国に敵対する意思はない、そう捉えることができる。


 別の視点で見るなら、仮にそういうことになっても、アデライードならどうとでも出来るだけの才覚がある、そう捉えることもできる。


 さらに別の視点。それは、単なる厄介払い。


 王女を厄介払いはない・・・、いや、性格に難がある、そう言っていたな。そうなると、本気で厄介払いか?


 紹介状や、先日ウリエから聞いた話では相当な才覚の持ち主であることは間違いないようだ。


 リュウヤはアデライードの前のソファに座る。


「私に仕えたいという話はわかった。だが、いくつか質問したい。」


「なんなりと。」


 艶やかな笑みで答えるアデライード。


「なぜ、私の元で働こうと思ったのか、聞かせてはもらえぬか?」


「それならば簡単です。私が女だからです。」


 ああ、そういうことか。どんなに破格の才能を持っていようと、"女"というだけで低く見られる。それだけではない。そもそも男尊女卑の傾向が強いこの世界では、女性が才能を発揮する場がない。それは王族でも同じということだ。


「私に仕えるということは、イストール王国の王女という立場を捨てるの同義だと思うが、それについては、どう考えているのか?」


「王女としての立場など、惜しくはありませんわ。元々、王族として公認されていたわけではございませんから。」


 庶子、しかも母親の身分が低いため公認されなかったということか。それを、なんらかの理由で王族として公認されることになったと。そして、アデライード自身にはとても迷惑なことだったというわけか。


 ならば、これ以上聞くこともないか。


「わかった。貴女を我が国で受け入れよう。」


「ありがとうございます。」


「だが、私には貴女の適性がわからぬし、また貴女も我が国の現状も知らぬだろう。」


 ここで、一旦言葉を切る。


「だから、この国を視察してもらいたい。そして、気づいたことを書面にして提出してほしい。」


「わかりました。それで、視察というのは、どこまで見せていただけるのでしょうか?」


「全て。」


「全て、でございますか?」


「そうだ。その見れなかったところにこそ問題があったというのでは、目も当てられんからな。」


「ありがとうございます。して、その期間は?」


「とりあえず10日。足りないようなら、また言ってくれ。」


「わかりました。」


「案内人も必要だな。」


 少し考えてからアルテアを呼ぶ。


「スイウ(翠雨)を呼んできてくれないか。居場所がわからなければ、サクヤに頼んで伝えてもらえ。」


「わかりました。」


 アルテアが退室すると、リュウヤはアデライードと雑談に興じる。


 雑談もまた、相手の為人(ひととなり)を知る重要な手段である。


「陛下、スイウです。」


 扉をノックする音とともに、名乗る声が聞こえる。


「入れ。」


 入って来たのは、龍人族の女性スイウ。


 軍に組み込まれてはいないが、その戦闘力は非常に高く、案内役兼護衛として問題ないだけの能力を有している。


 スイウをアデライードに紹介するとともに、スイウに呼んだ理由を説明する。


「彼女はアデライード。今日より私に仕えることとなった。」


 そして彼女が明日より領内を視察するため、その案内役兼護衛として付くようにと指示を与える。


「了解いたしました。」


 スイウはリュウヤに一礼する。


「それと・・・、アルテア。度々使って悪いが、ウィラを呼んできてくれ。」


 呼ばれて来たウィラに、アデライードの部屋の準備の指示をする。


 ただ、あまりにも急なため今日中の準備は難しいとのことで、今夜は客間で過ごしてもらい、準備する部屋には明日移ってもらう。


 そして、この国の幹部を集めた夕食会を、アデライードの顔見せと併せて行うことを指示する。


 ウィラとスイウ、アデライードが退室するとリュウヤはソファに深く座り考え込んでいた。


まだ、頭が朦朧としており、文章もいつも以上に無茶苦茶になっているような気が、多分にあります。


頭がシャキッとしてきたら、書き直すかも。



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