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異世界とゴキブリのような俺と  作者: Powell
試験編
1/12

プロローグ


朝目覚めると明らかな違和感があった。

あれ?俺ベッドで寝てたのになんか硬いし、寒い。

目がぼやけてよく見えない。

そしてなぜかとんでもなく頭が痛い。

それも脳内に響くようなズキズキとした痛みではなく外傷の痛みだ。

樹は自分の後頭部に触れてみるとやはりこぶがある。

いったいどうしてこんなことに・・・。

昨日のことを思い出しながら目をこすりながら起きる上がる。

あれっ?ここどこだ。

樹は異変に気付く。

部屋じゃない。俺の横にはレンガの壁、壁。ここはいわゆる路地か。んっ?路地?ありえないありえない。

俺は部屋のベッドで寝ていた。それなのに今いる場所は路地。突然違う場所に飛ばされるなんて。

これじゃあまるで異世界召喚じゃあ……


……………………なるほど


これは俺が夢見てた異世界生活の始まりなのか!!


彼は楽観的であった。悪くいえば馬鹿。こんな奴がこの話の主人公、蒼生 樹 17歳、元気な男の子だ。

彼女は作れないじゃない。作らないがモットー。

血液型はAB型。友人は多い方。帰宅部の星。


そんな馬鹿な彼が最初に考えたことは案外理にかなっていた。

とりま、状況把握だ!!


急いで光の指す方へと向かった。

路地からの第一歩を踏み出してみて、樹が驚いたことはひとつもない。

なぜなら予想通りといったようなものだったからだ。

人で賑わっている市場。魚や肉、果実や野菜を売っている。電子的なものがひとつも見つからない。次に人を見る。人も別にエルフとか、半獣とかでもない。


ただの俺と同じ普通の人だ。


まさしく、異世界のお手本となるであろういい町だ。

しばらくそうやって評価をつけながら周りを見渡していると人目が集まってきた。

そうか、きっとこの服装がこの世界だと目立っているのか。これぞまさしく異世界あるある。現世での服装が異世界だと奇妙とされる。

俺の思い描いている異世界そのものだ。

ヤベェ、ワクワクが止まんねぇ!次は、そうだな、城とかあんのかな!見てみよ!そう思っていた時だった。突然首のあたりを掴まれ、路地へと戻された。

「なんだよ、いてぇな!」

そう言い、後ろを振り向くと3人の男がいた。

「お前、その服からして異世界人だろ。金目のものだぜや。」

出たよ。DQN。

っていうより日本語通じるんだぁ。親切設計で助かる。

彼は特にこれをなんとも思っていなかった。

セオリー通りならここで助けが来る。そう思っていたからだ。それよりなんで俺のことを異世界人だと分かったんだ。服だけだと判断できないはずじゃあ……

まぁいい。なんかそんなもんなんだろう。

やはり彼は楽観的であった。


「おい、何やってんだ。」


助けがきた。来たのはいいがこの声の感じだと……。


「やっ、ヤベェ!王宮の兵士だ!逃げろ!」

男達は一目散に逃げていった。


「おい、坊主大丈夫か。」


「あっはい……」


俺は今の現状にがっかりしていた。

助けが来たまではいいんだ。

でも思っていたものではなかった。

厚い胸板!溢れるような上腕二頭筋!そして、なんといっても大きなその肉体!バケモノが助けに来た。


「んっ?お前その格好、異世界人か」


まただ。格好だけでバレた。


「あっ、はい。そうみたいです。どうしてわかったんですか。」

樹はそう尋ねる。

こういうのは普通ここのことを何も知らない男くらいにしか認識されず、とんでもないチート能力を使って初めて異世界人だとバレるものであるのに。

「だってその恰好はどう見ても異世界人だろう、周期的にも来てもおかしくないしな。」


「周期ってどういうことですか?」


「どうもこうも、坊主みてぇな異世界人はだいたい五十年に一度くらいの周期で突然現れるんだよ。俺は見るのは初めてだけど。」


なに?異世界転移ってそんなボジョレーヌーボーみたいな感じで何年に一度くらいのペースで現れるの?そんなシステム的に転移って行われるものなの?何だか異世界転移の神秘性というのが薄まってしまう。


「異世界の服ってのは珍しいからコレクターに高く売れるんだ。お前あのままだったら路地裏で全裸にされて速攻俺らに捕まっていたぞ。」


本当に危なかった。初めての土地で全裸にされて捕まるとか本気で笑えない。それよりも捕まるって言っていたよな、ということはこの男は・・


「あぁ、言い忘れていたな。俺の名前はハンクだ。一応これでも城で兵士をしている。」


一応これでもと言ったがそれにしか見えない恰好をしている。さっきは抜けていると思ったが前言撤回。恩人には悪いがおそらくこいつは脳筋タイプだ。でかくて筋肉ムキムキ、それだけでもわかる。樹はその自己紹介に合わせて蒼生樹ですと名乗った。

しかし、ハンクかぁ・・。タンクみたいでぴったりだな。


樹がそんなことを考えているとハンクは何やら考え込む。やっぱり脳筋なんだろうな。すると急に合点がいったかのように手を叩いた。


「お前、こっちに来たばっかりで職も住む場所もないだろ。どうだ、お前兵士にならないか?」


兵士!?なんだその心惹かれるワードは!?

確かに俺には今、住む場所もなんにもない。

これは引き受けるしかないだろう。この人はいい人だ。そう頭の中で自己完結させ、頭を縦に振り、手招きする男についていった。


ワンアイディアで考えつきました。

タイトルの意味は……。簡単にわかると思います……

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