終わり
第47章(最終章)
「兄ちゃん、あの光は何?」
太陽が沈みかけた、ニュージーランド上空に、フラッシュをたいたような、白い光が地平線上のあちこちに見えていた。
「何だろうな?」
シェリーの兄、ジョニーが頭を、右左に動かしながら言った。
ジョニーは急いで家に入ると、ハルトに電話をした。
「おーい。ハルト、外に出てみろよ。変な光が見えるぞ!」
それを聞いたハルトは、
「了解!」
と一言いって電話を置いた。
もう暗くなっていたが、ハルトは空を見上げた。
そこには沢山の、飛行機雲が見えていた。
そして地平線の彼方で、ピカッと所々で光っていた。
ジョニーがハルトに近づくと、
「まさか、あれじゃないよな?」
ハルトに聞いた。
「まさか、そんなこと」
ハルトは答えることが出来なかった。
ISSでは、
「ジェリーこれを見ろよ」
テリーは窓の外の地球を指さした。
ジェリーは言われるまま窓を覗いた。地球の夜側がよく見える。でも、街のいつもの明かりがない。
「なんだろう? 真っ暗だ」
ジェリーは今まで、見たことのない地球の姿を見て、
「大停電? 地球全部が?」
無数の光の点が、動いているのが見える。
それはまるで、流れ星のような尾を引いて、消えることなく、太平洋を越え、アメリカ大陸の方向へと飛んで行くのが、はっきりと見えた。
そしてその殆どが、母国アメリカ大陸でひときわ大きく、光を放っている。まるで大きな隕石が、アメリカに向け無数に落ちているようだ。
ジェリーは体が凍りついた。
ただ、無言でその様子を見ていた。
「ま、まさか」
ジェリーは小さく言った。
時は2017年12月24日、戦争が始まった。
エピローグ
2017年12月24日に始まった、核戦争は2017年12月31日に終わった。
世界は文字通り、映画で幾度も繰り返された、荒廃した、姿に変わってしまった。
ジョニーとハルトの住んでいる、ニュージーランドでは、直接の、核による攻撃は受けなかった。
大国と呼ばれる国は、敵国と呼ぶ国から容赦のない核攻撃を受け、両国共に滅ぼしあいをした。
始めは、一つの核ミサイルが発射され、大都市で核爆発を起こした。
その後は、連鎖的に全ての国の、全ての核ミサイルが、発射された。
それを止められる者など、いなかった。
もうすぐ、地球上の人間は全て死に絶える。
「ジョニー、大丈夫か」
ハルトは死の灰が、降る中で言った。
「とうとう、やってしまったな」
ジョニーが言った。
ジョニーはなぜか、こうなる事を知っていた。
そして、とても小さな声で言った。
「ズーラ、どうしてこんなことに?」
完




