表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ヒューマン・ビーング  作者: マーブ
2/35

異常

 第2章


   

 核に異常が起こったのは、兵器としての核だけにとどまらなかった。

 地球上にある核関連施設、とりわけ原子力発電所の原子炉にも、異常が及んだ。


 地球規模の大停電により、原発もまた停電していた。 

 テロだと考える者もあるだろう。しかし、こんな仕業は到底テロリストなどには出来ない。もし、出来たとしてもせいぜい、核爆弾1発を大都市で爆発させる程度だろう。 

 地球上にある、全ての核を爆発させるのは不可能な事だ。


 可能に出来るのは、人間以外の何かであろう。


 それに、テロリストの言う革命や、ジハードにはならない。

 何故なら、地球そのものが核によって、死んでしまうからだ。核の放射能によって自分達を含め、全ての人間と生物が絶滅するからだ。


 テロリストはこんな事は望んではいない。


 テロリストの目的は一言で言えば多分、自分達の考えを邪魔する政府や国に、罰を与えるためである。もっとも残酷なのは、なんの責任もない市民を、テロの対象にすることだ。テロの対象で殺害したいなら、テロを起こす理由を作った人物、その者に罰を与えれば、それで済むのだ。


 普通の市民は政治の力、とりわけ権力などと言うものは、持ち合わせていない。    ほとんどの人が、国による政治、あるいは政策とは無関係である。テロの対象にするなら直接、権力を持つ人、あるいは責任ある人物にしてもらいたい。一般の市民を殺害しても、政治や政策を行った人物ではないのだから、見当違いもはなはだしい。それに、責任ある人物にとっては、ただの、他人ごとにすぎない。


 痛くも、かゆくもないのだ。


 それが現代の政治家だ。


 一方、テロリスト自身にも、生活の場がある。家族のある者もいるだろう。ある意味、テロ行為は自分達の生活圏を土足で、侵略する者に対しての報復であろう。


 自爆テロは、個人の命を犠牲にして、多くの人命を奪う行為である。日本の特    攻隊と同じ考えで、個人の命を犠牲にして多くを殺す、個人の命については、微    塵も考えていない。国のため、上から命令されれば何も考えずに、自分の命を差    し出す。これも自分の国、あるいは組織があっての自殺行為だ。自分が何のために死ぬのか、何の疑問も持たない。ただ、上の命令に盲目的に従うだけだ。


 自分の死に値する組織、あるいは政府であるかどうかは大いに疑問が残る。

 この点で、地球規模で起こっている事態は多分、人間以外に、原因があるとしか今は、考えられない。恐るべき事態は世界中に、広がっていくことになるだろう。殺りくを繰り返している人類への、何かのメッセージなのか、それとも、こんな人類は将来、自滅するからさっさと滅亡すべきと、何者かに攻撃されているのだろうか、その意思も意味も不明だ。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ