逃げて終了
やっと完結。
五夜連続投稿、どうでしたか?
書き終わったのは実は一話が投稿された丁度一時間後だったりします。(現在二十日21時)
魔王を倒した後、きっちりセーブしてログアウト。
LV6→89
飛竜のLVは1→28に。
ちなみにLV上限は100。某国民的電気ねずみのゲームと同じだねー。
飛竜はぼくの仲間になった。
これでぼくも竜騎士だ! やったー。
そして目を覚ますと真っ白い天井に、真っ白い壁。
一瞬どこ!? とパニックになりかけるも、しかしすぐに落ち着く。
清潔そうな真っ白の布団、壁、天井。かすかな薬品の匂い。
ここ、病院じゃん。
そして、キョロキョロと病室内を見回していると、部屋のドアがあき、若い女のナースさんが入ってきた。
そしてぼくの意識がハッキリしている事を確認するや――――
☆☆☆
看護婦さんがぼくの意識がしっかりしているのを確認してから、あれよあれよとお医者さんの診察があり、そして、お母さんが職場からすっとんで来た。この間ぼくが目を覚ましてから三十分。
お母さんは涙を浮かべて泣くかと思いきや、以外に苦笑いしていた。
「いや、死んだら現実世界でも死んじゃうデスゲームに『娘』が巻きこまれた、二年は最低でも目を覚まさないだろう、って言われたのにその翌日にもう目を覚ましちゃってるし、これはあんま泣けんなーと」
「いや、お母さん、実の娘がせっかく死の危険を掻い潜って無事帰ってきたんだから、ここは泣く場面でしょうよ」
「いやいや、だって一日寝てただけじゃん」
「確かにそうだけれども」
「でも、実際はあんたがプレイし始めてから二十時間くらいしか経ってないよ、『柳希』」
「そうなんだよねー。デスゲームクリア期間とかのギネス記録無いかなー?」
お母さんと軽口を叩き合っていると、病室のドアが開き、知らない男の人が入ってきて-――土下座した。
……誰? なんで?
ぼくの図上には?が飛びかっていたに違いない。
「……えーっと、どちら様?」
「はい、私は、その『Magic and Sword Online』の開発会社のゲームクリエイト中津社長、中津柔禅です。この度は、弊社が本当にご迷惑をお掛けしました!」
「ああ、それは気にしなくていーよ。ぼくもホラ、無傷だし」
「そんな。では、なにかお詫びを! 何なりとお申し付けください!」
「うーん。そんな急に言われてもなー………?」
なにか、欲しいものはあるだろうか……?
お金? 俗物だねぇ。
男? この人に言ってもねぇ。
地位? いらないなー、今は。
富? いや、俗物じゃん。
うーん。
真剣に考え込むぼくを前に、中津社長がおどおどしてる。十五歳の女の子に対しておろおろしてる中年男性。はたから見たら違和感バリバリだろうなー。
頭に、相棒である飛竜が浮かぶ。あ、そうだ。
「今後ゲームクリエイト中津が出す全てのVRゲームに、この『Magic and Sword Online』でのぼくの相棒の飛竜とアバターを引き継ぐのを可能にすることと、あと、今後発売するVRMMORPG全部タダでぼくにください」
「そんなことでいいのならお安い御用です! わかりました、必ずや叶えます!」
「あともう一つ、絶対にゲームをつくるのをやめないこと。いいよね?」
「はい、必ずや!」
「あ、関係ないことだけど効いていい?」
「なんでしょう?」
「なんでこのゲーム、デスゲームになったの?」
「ええっとですね、発売して、サービス開始と同時刻にですね、彦星を名乗る男から電話がありまして、曰く、このゲーム乗っ取ったからヨロシク」
「ああ、なるほど。一番悪いのは彦星なんだね。七夕の時笹かざるのやめよっと」
「いえ、弊社もこのような不祥事を防げ―――」
言葉を遮っていう。
「あー、いいよいいよ。別に。ぼくはデスゲームでも楽しかったから」
その後、もう一度謝られた後、その人は出て行った。
もうすぐ息子が産まれるかもしれないーだってさ。何で今言った。名前をつけて欲しい、だってさ。
「エルギオンとかでいい?」
「いえ、流石にそれはちょっと…」
「エルギオン(笑)」
「いや、漢字でお願いします」
「屍拾姫」
「いやあの、男です」
「筋斗くん」
「ちょっと根に持ってません!?」
「いえいえ、そんなことはありません」
散々中津社長をいじりたおしたので、真剣に考えた所。
「じゃあ、こんなのは? 成るに池のさんずいとった也で成也」
「いいと思います!(今までのに比べたら)とても!」
()の中は聞こえたわけじゃないけど、目がそういってた。
『Magic and Sword Online』
開始と同時にデスゲームに移行したゲーム。
しかし、一人の少女によって魔王はたおされデスゲームは幕を閉じ、再びゲーム世界に平穏が訪れた。
今このゲームを開発したゲームクリエイト中津は、早速新作に取り掛かっており、来年中には発売できる見通し、とのこと。
そして一度デスゲームと化したこのゲームのプレイヤーは、減るどころかむしろ急増し、海外のプレイヤーまで出てきて、最終的なプレイヤー数は一億人を突破した。
その中に、一人称はぼく、ふわふわの黒い髪、闇水晶のような大きな瞳に白磁のようなミルク色の肌、華奢な体の愛らしい人形のようなプレイヤーがいた。
そして髪と瞳とは対照的な白銀の飛竜を駆るその娘。
モンスターと戦う時は少女がモンスターの注意を引き、全ての攻撃を、いなし、見切り、紙一重で避ける。
それはまるで舞いのよう。
そして、その舞いにいろどりを添えるのが相棒である白銀の飛竜。
さながらそれは演武の如く。
一度でも彼女達の演武を見た人間は、口をそろえてこういった。
―――あれはきっと俺達と同じプレイヤーじゃないのさ。そう、あれはまるで、戦乙女―――
都市伝説にまでなった少女のプレイヤーネームは《ウイロウ》。
本名は、北野柳希。
ゲーマー史上最強の呼び名高いプレイヤーである。
彼女は、今日も飛竜と共に世界を駆ける。
最強の竜騎士の駆る飛竜の首には、ネームプレートがついていた。
そこには、白銀の飛竜のもう一つの武器であるおおきな爪からとって、こう、記されていた。
『クロウ』と。
柳希はまだ他の小説で出す予定です。
というか、見え見えですね。
だってほら、クロウっていったら、ねえ。
黒い羽ってかいて黒羽、クロウとも読めますからね。
では、この話はこれにて完結です。
感想、誤字脱字、欠点、変な言い回し等、ありましたら、書き込んでください。
よろしくお願いします。