それぞれの行方・・・
翌朝・・・
芸能欄は・・・
”神原えみ、また、また キス!!
今度は、車中で!!”
と紙面を飾った。
それを見たひろみは、真っ赤になった。
そして
どうなるの?と思っていた・・・・
昼から神原えみが会見があった。
「今回は、皆様をお騒がせいたしまして、まことに申し訳ございませんでした。」
えみは一礼をした。
「最近、私、神原えみは、失恋をしました。相手は一般の方なので取材等は一切お断りします。」
そして、続けた。
「寂しさのあまり・・親友に甘えてしまって・・・つい、キスをしてしまったんです。また、今回、写真にのった二人も、一般の方なので、取材等は一切お断りいたします。以上です。」
話をおえると・・・
数人のレポーターが質問をした。
しかし
その中にあまりにもしつこく二人のことを聞く奴がいた。
えみは、「前に出てきてください・・・」とその記者を呼んだ。
記者は、何も考えずに・・出てきた。そして、えみは記者を横に座らせた・・・
その記者は、それでも、質問をし続けた。
「よろしい、私の質問にすべて答えてくれたら答えましょう。いいですね。」
えみはと逆に質問をし始めた。
「あなたの氏名および所属は?」
「結婚しているんですか?」
「はい。」
「お子さんはいますか?」
「はい。」
「奥さんとお子さんの名前は?」
「何で答えなければいけないんだ?」
「通っている学校?」
「だから、なんで・・・個人情報を言わないといけないんだ・・・」
「あなたが、さっきから聞いていることは、すべて個人情報ですよ。もしなんでしたら、警察に訴えましょうか?あなたの会社は、個人情報を聞こうとしている。」
記者は、そそくさと出て行った。
お昼頃
ひろみの携帯がなった由美からだった。
「ひろみ・・村瀬ちゃんひろみと同じ、月曜から復帰だって。」
「よかった・・・思ったより、早いんだ」
二人は会社の話をした。
由美との会話が終わって
すぐに携帯がなった
大塚からだった・・・
ひろみは、無視を続けた
しかし
何回もかかってきた
ひろみは仕方なく出た
「はい・・・」
「ひろみか・・・俺だよ!!おれ!啓太だよ。やっとでてくれたんだね。」
「大塚さん、何か御用ですか?」
ひろみは、さめて口調で話した。
「今回、おれ、本当に、反省した。ひろみ、だからもう一度やり直さないか?
」
「大塚さん、何をわけのわからないことをいってるんですか。私達、もう終わったんですよ。」
淡々と答えるひろみ。
「そんな・・こと・・いわないで。4年も付き合った仲じゃないか・・・」
必死に声をかける大塚
「4年付き合ったからって何なの?」
答えるひろみ
「そっけないな~」
「当然でしょ。もう終わったんだから・・」
ひろみは即答した。
あまりものつれなさに大塚も最後の手段だと
「俺、来週から転勤で、新潟に行くんだ。もう、しばらく会えないから・・」
しかし、ひろみからは
「あっそう・・・」
あまりにも淡白な返事が帰ってきた。
「会えないかも知れないんだぞ」
「そう、ちょうどよかったわ。じゃぁ」
ひろみは携帯を切り、電源を落とした。
もう・・・うっとおしい・・・とあとで登録を消した
一方
中村は、ひろみに連絡するが運悪く、すべて通話中だった。
昼休み中に連絡が取れなかった中村は、
「あいたい・・」
とメールを送った・・・
夕方になった
ひろみは、携帯の電源を入れた。
そして、中村のメールを見つけた。
仕事が終わって車に向かう中村
その少し前を大塚がうつむいて歩いていた。
そして
車の近くまでいくと
車の前でひろみが待っていた。
中村に気づいたひろみ
手を振り・
そして
中村に向かって走り出した。
ひろみは、大塚に気づいた様子もなく横を過ぎ去り
そして
「なかむらさ~ん」
中村に飛びついた。
大塚は、声を聞いて初めて、目の前を通ったのがひろみだとわかった。
振り返ってみると
ひろみは中村に抱きついていた
大塚は、すべて終わったことを悟った。
そして
その場から去った。
ひろみを抱きしめながら
中村はてれくさそうに
「はずかしいよ・・・」
つぶやいた。
「あんなメール送ってくるからよ・・・」
耳元でひろみがささやいた。
やがて
二人は、手をつないで、車に向かった。
そして、
二人は、車に乗って、出発した。・・・




