出会ったり、出会わなかったり
「おめでとう
お前は一生
一人ぼっちだ 」
リアン・グラシエルは無表情にそう言った
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眼下にひろがるのは無数の点
それはうようよと蠢いている。
色は黒に統一されている
その点の正体はミレニアーノ王国軍
彼らはパシリアル王国攻略のため進軍している。
その統一された動きは圧巻の一言だ、実際すこし侮っていたかもしれない どうせたいした軍ではないだろうっと
しかして戦争をやろうとするだけのことはある。
決して弱い軍ではない それは動きを見ただけでわかる。
もう少しでパシリアルとミレニアーノの中間地点に到達する
上空から観察していると遠くにも蠢く点が見える。
おそらくあれはパシリアルの王国軍
俺としてはもう少しパシリアル国側で開戦かとも思ったが違ったらしい
おそらく敵軍を自国に近寄らせることによって民をおびえさせないようにするためなのであろう。
さて、これから戦いが始まる。
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会話が聞こえる。
部屋にいるのは三人、しかして沈黙を保つものが間に挟まっている。
「で? この少年を治してやれば俺たちは晴れてお役ごめんってわけか?」
「ああそうだ、この者を治療した暁にはおぬし達全員を私のルートを使ってトリグステン王国に亡命させてやろう、生活の保障は勿論のこと、無論出身がばれることはない」
「なるほど、そのうえ俺は今回の戦争には出なくてもいいわけだ?」
「ああ、今回の戦は私たちでけりをつけよう。 他人に頼っているばかりでは戦はできないからな」
「うん? その理屈だと今回俺を担いだお前の行動は矛盾してるんじゃないのか?」
「それは戦争をするのに大臣たちを説得する手段として用いただけだ まぁ戦争に参加しなくてもいいと言ったが戦の初めに派手な演出は頼みたい、じゃないと兵の士気に関わるからな 可能であろう?」
「まぁ余裕だな 」
「そうか」
少女は笑う 安心と達成の喜びに満ち溢れて
「それでそもそも聞きそびれていたがお主にこの者は治療できるのか? いままで数多の名医に治療を託したが首を横に振るばかりでな 」
「ん? ああできるぞ? 眠ってる原因もすでに判明したからな」
「そうか、ではできる限り早めに治療を行ってくれ。 というのも治療が早く済めば早くすむほど亡命する日程も早まるというものだ。」
「ふ~ん ところで聞きたいんだが? なぜこいつの治療を俺に託そうと?」
「なぜ? そうだな、強いて言えば私ははなからお前に戦争で活躍してもらう気など無かったのだ。 とりあえず味方の士気をあげることができる神輿を用意できれば十分だったのだよ だから担ぎ終えたらそうそうにどっかへやってしまおうと思っていた。 が医術を極めているという話をきいてな? だったらさよならついでにやってもらおうと思ったのだよ。 無論名目上戦争に出なくても良いという条件を出してだが」
そういいながら笑う少女 普段はあまり見せないいい笑顔だ
「じゃぁ俺が医学にまったくもって精通していないぼんくらだったらもっと早く開放してもらえたのか?」
「ああ、その通りだ」
「なんという不運」
「まぁそういうな。 仕事を任せる以上待遇はよくしたつもりだからな」
「待遇ってさっきの生活資金とか身元隠蔽とかか?」
「その通りだ 当初はとりあえず国から追い出すとしか考えてなかったからな」
「なんという鬼畜」
「それはそうだろう? 私になにを期待していたのだ? 私の心は神ほど広くは無いぞ?」
「まぁいいや それで今回の戦争は勝てそうなのか? 俺にはとてもそうは思えないが」
「なに・・・・秘策はあるさ 私とて無論ただで負けるわけにはいかないからな」
「秘策ねえ その秘策とやらは俺には教えてくれないのか?」
「教えては秘策でなくなってしまうだろう? 」
「それもそうだ まぁ本当のところ興味ないしね、そんなものに」
「そうか、まぁこの話はこの辺で終わりにしようか」
「そうだな 俺もだいたいの状況は把握できたし」
「では最後に聞こう お前はこの提案受けるか? 受けないか」
「戦争に出ずに治療だけして平和に暮らすか・・・・・・・そうだなぁ
俺は 」
どうもみなさん 暑いですね
さて
物語も終盤 45話までには完結します。 (たぶん
前にも言いましたが最終話は反省を書きます。
この物語を書いた上で失敗した点とかたくさん書きます。
よかったら見てね! ってかここまできたら最後まで読んで!
どうせ全部読んでも3時間もかからないんだからさ!
さて
暑いです。
では
誤字脱字、物語の明らかな矛盾などの指摘随時受け付けてます。
感想とかも受け付けてます。
さらば