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交渉②

こんこん


扉を叩く音が聞こえる

誰だろう?


リアンはさっき出て行ったばっかりだし、

だいいち、家に帰ってくるのにわざわざノックする必要はない

シルベリアとマーサさんは二階で一緒に遊んでいるし、

近頃リアンが足を運んでいる建築士の方かな?

まぁ考えたところでわかるはずもないし


「どなたでしょうか?」


・・・・・・

・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・


返事がない、もしかして自分の聞き間違いだったのであろうか?


・・・

・・・・・・

・・・・・・・・・・

こんこん


もう一度ノックが聞こえた。


「失礼ですがどなたでしょうか?」

再び問いかける、リアンからの言いつけで、家の鍵は常にかけている。

・・・・

・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・

問いかけに対して返事がない、

だんだんと不安が胸に広がってくる。

ただノックされているだけなのに

「あの?うちに何か御用でしょうか?もしそうでしたら返事をしていただきたいのですが?」


もう一度だけ問いかけてみる

やはり返事がない


・・・

・・・・・・・

・・・・・・・・・・・

「いたずらなら無視しますよ?」

だんだんと口調が荒っぽくなってきた

不審なノックを受けてだんだんと心に余裕が無くなってきているのだ


すると


こんこん・・・・・・・・・・・・・・・こんこん・・・・・・・・・・こんこん・・・・・・こんこん・・・こんこんこんこんこんこんこんこん

突然ひたすらにノックが鳴り響く

その謎の行動が怖かった。

いったい扉の向こうの相手は何がしたいのかわからない



「こんにちは、お嬢さん」

不意に後ろから声が聞こえた。

即座に反応できたのはリアンと今まで過ごしてきて少しでも力がついてきたからか、いやそんなこと今はどうでもいい


とっさに距離をとり、しゃべりかけてきた相手に対する


相手は見た目40~50の男

身なりを整え、姿勢良く立つその姿はその者が上流階級に属していることを表している。

漆黒の衣服に身を包んでいるが、その白い髪の毛が対照的に目を引く

底が知れない男のあおい瞳に目を奪われていると、話しかけられた。


「驚かせてしまったようで、すみませんお嬢さん」

いつのまにかノックの音は鳴り止んでいる

「あんなに意味不明なノック音を出しておきながらすごい言い草ね」

まったく、なんであんな意味不明なことを、入ってこられるならノックなどする必要がないのに


「申し訳ございません、あれは驚かせようとしてしたわけではなく、あなたの注意を引くため、強いてはあなたに慎重な行動をとらせるために行ったのでございます。」

そういってまったく申し訳なさそうな態度を取らない男、


「言葉遊びをしたいなら近所の子供としてください・・・・・いやそれはだめかな、一人でしてください!」


「これは手厳しい、私はそのようなことのためにここに来たのではないのですが」

・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・

・・・・・

「そう、じゃぁ何の為に?」

そう言って男に対し、臨戦態勢をとる

この男にたいしたときから感じる威圧感

並じゃない、リアンは例外的だがそれを抜いても今まで数多くの強者に自分は会ったことがある。

が・・・・・・この男、その中でも三本の指に入る

いや・・・・・・・・自分に嘘をつくのはやめよう、この男は今まで会った中では一番強いだろう、自分はまだまだ未熟だ、相手の力量がすべてわかるわけではない、

それでも最低限わかることが一つある・・・・・・・・自分ではこの男に100%勝てない、



ああ

そういえば




昔、トール様に教わったことの一つにこんなことがあったけな


###############################



(フレイ、これからお前の生きていく人生の中で、お前は数多くの強者と出会うだろう、そのなかにはな、そのときのお前では足元にも及ばない、100%勝てない相手が必ず出てくる、知識にしても、武力にしてもなんにしてもだ)


(100%勝てない? ですか? でもお父様、それは愚者の考え方だと私は中学校で教わりました。 何事にも絶対はない、努力すればだれでも可能性を導き出せるものだと中学校の先生はおっしゃりましたわ)


(フレイ、それはすばらしい教えだ、決して間違ったものではない、だから私はその考え方を否定できない・・・・・が、お前もこの先きっとわかる日が来る)


(わかる日?)

うむっと言って頷くお父様



(可能性という名の1%を決して許してはくれない、そういう存在が居ることをだ、しかしだな、そういった相手に出会ったときに限って決して退けない状況にあるものだ)


確か父様は笑いながら最後にそんなことを言ったっけな?



#############################




ふふふ、お父様、あなたの愚かな娘はその言葉の意味がやっとわかった気がします。


相対しただけで負けを認めてしまう相手というのは本当に居るのですね、

無論リアンにも100%自分は勝てないだろうけど、またそういうのとは違った感じ、


そして、お父様・・・・・・本当に













そういった相手に出会ったときに限って退けないものなのですね














##############################



今日は久しぶりにシルベリアに一日構ってあげられる


リアンさんは外出し、プリムさんは下で片づけをしてくれている

本当に働き者の二人だ、もうすっかりよくなった私に今でも気を使ってくれる


「お母さん! 次は折り紙しよ?」

ふふふ、シルベリアも本当に幸せそう、

最近構ってあげられてなかったから余計かな?

でもだんだんと余裕も出てきたからこれからは以前より遊んで上げられる回数も増えてくる

それもすべてリアンさんの計らいだ

お店の開店は遅くなるが、それを引いてもシルベリアが元気で居てくれるほうがうれしいと言ってくれた。

本当に感謝の言葉もない


「ねえ! おかあさん、折り紙しようよ?」

あら、いけない、ついつい考え込んじゃったわね


「ふふ、シルは本当に折り紙が好きね」

リアンさんがシルベリアに折り紙という遊びを教えてからシルベリアはすっかりそれを気に入ってしまった、


「うん! 鳥さんかわいい!」

なかでもシルベリアのお気に入りは鶴というリアンさんの国の鳥を模した折り紙だ


「そうね、じゃぁリアンさんが帰ってくるまでたくさん作って驚かせちゃおう!」


「お~!」



・・・・ッバ!

咄嗟とっさに振り返る

そこには見知らぬ人間が居た


「これは驚きました。 なぜお気づきに?」

男は心底驚いたというていをなしている


「驚いたのはこちらです。 人の家に無断で立ち入るとはどういう了見りょうけんですか? いまならまだ目を瞑ります。 早々に出て行ってください」

威圧と願望を込めて言う


「そうですね、本当ならそうしたいところなのですが、残念ながらできません。 あなたもすでにお分かりになっているでしょう? 私がどういった種類の人間であるかは」


「おじさん誰?」

シルベリアが不思議そうに聞く


「シル、この人は道に迷ってしまったそうよ、すごいうっかりさんなの、だからお母さんがこれからお外まで案内してくるからシルはお母さんの部屋に行ってお留守番しててくれる?」


「うっかりさんなんだ? わかった、お部屋で待ってるから帰ってきたら折り紙やろうね?」


「そうね!」

そういうと素直に自分の部屋を出て私の部屋に向かうシルベリア


「さて、ご用件を聞いてもいいかしら?」

自分で言うのもなんだがまるで心当たりがない、人に恨まれることをした覚えもない


「簡単なことでございます。 ただわたくしについてきてくだされば良いのです」


「あなたについて行けば良いのですか?」

いったい何が目的なのだろう?


「正確に言えば、人質になってほしいのです」

人質?

・・・

・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・だめだ、わからない


「誰に対しての人質でしょうか?」

答えてくれるだろうか?


「あなたの知り合いといえば今は娘さんを除いて二人しかいないのでは?」


「プリムさんとリアンさんですか?」


そのお二人ですよっと言う男

わからない

私を人質にしたところでまるで意味がないと思う

・・・

・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・

考えられるのはリアンさんの医師としての腕前を利用しようとしているということ

しかしそのことについて知ってるのは私とシルベリア、そしてご本人たちだけ

・・・

・・・・・・

・・・・・・・・・・いや、もう一人知っている人がそういえばいましたね、


リアンさん達は旅人ですから古くからお二人を知っている人間だったら別の目的でお二人を利用しようとしているのかもしれませんが、そのことを考えていたらきりが無い


だからここは医師として利用しようとしていることを前提にカマをかけてみましょうか


「あなたの雇い主は姫様ですか?」


・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・


「・・・・・・・・・なかなかどうして、すばらしいですね」

あたり・・・・


「なぜこのようなことを?医師として力量を買っているのならこのようなことをしなくても普通に登用すれば良いだけの話ではありませんか?」

純粋な疑問を投げかける


「理由はお話しすることはできないのです、申し訳ございません」

・・・・・・医師としての力が求められているということではないということ?


「さきほどのお誘いですけど、もし断ったら?」

もはや自分に余裕は無い、しかし虚勢は張る


「断るという選択肢は無いのでございます。申し訳ございません」

そう言って近づいてくる男


「逃げられそうに無いので一つお願いをしても良いでしょうか?」


「なんでございましょう?」


「私の娘、シルベリアのことです。 私がいなくなった後の身の安全を保障してもらいたいのですが?」


「ご安心くださいませ、お二人ともお連れいたします。 そしてその扱いについては保証いたします。」


「そうですか」

はいっと言って近づいてくる男、不意に意識が曖昧になってきた。

なにかされたのだろう

意識が落ちる寸前男の蒼い瞳が目に映った。









#################################



「あなたをお城へとお連れするのが私の仕事でございます」

・・・・・・・・

・・・・・


「なぜ?」

城に連れて行くという男のげんに危機感を覚える

なぜ城に?

ということはこの男はその関係者?

城からの直接の命令?

・・・・

・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・

私たちの存在がばれたのか?

ほかに可能性が無いわけではないが自分の立場が立場だ、おそらくそうだろ


「理由はお話できません」


「そう・・・・・拒否権は?」


「あるとお思いですか?」

そうよね

むしろここまで来て素直に帰ったらすごいわね


「ないと思う、けどね、残念ながら素直に従うわけにはいかないのよ」


「そうでございましょうな、あなたは聡明だ、すでに自分の立場がどうなっているかお気づきでしょう しかし私も素直にあなたを逃がすわけにはいかないのです」


「そう・・・・・じゃぁ私はあなたを倒してみんなを連れて逃げるわ」


「できれば私はあなた様を傷つけたくないのですが、素直についてきてはくれないでしょうか?」


「無理」

しゃべりながら炎弾を打ち込む

かなりの速度で打ち込んだためまずあたっただろう、その分威力は低めだが


炎弾の爆発で煙が舞っている。 視界が少しだけ悪くなる。見えないほどではない

不意に右側から気配を感じた

咄嗟とっさに脇をしめガードする

勢い良く蹴りをくらい吹き飛ばされた。たいしたダメージではない


「動きが早いわね」


「ありがとうございます。 しかし欠点としては攻撃が弱いところでしょうか、あと攻撃の寸前に気配がばれてしまうことも私の欠点でございます。」

自ら欠点をしゃべりだす男


「そんなにしゃべって大丈夫?」


「いえいえ、すでに貴方が気づいているであろう事しかしゃべっておりませんよ」

戦いづらい


「しかし困りましたね、決定打にかける私ではあなたに勝つのがとても難しい」

どういうことだろう

この男、まるで強くない、私の感じた威圧感はなにかの間違いだったのだろうか?


「ねえ、一つ質問があるのだけど・・・・・なぜあなたそんなに弱いの?」

聞き方によってはとても失礼な質問だ、しかしきっと相手には意味が通じるだろう


「ふむ、私が弱い理由ですか・・・・・・・・まぁ力の温存というのが一番の理由でございますね」

温存?なるほどね、けど


「私をなめているの?」

相手は強い、すごく強い、慢心などするようなタイプにも見えない、しかし今の力では私に勝てないのはわかってるはず・・・・・どういうつもり?



「いえ、今の私の出している力ではあなたに勝てないのは百も承知です」


「ならなぜ?」

そう言った私に対して右に向かって指を向ける男

その指先を目で追う

するとそこには



「マーサさん?」

うつろな瞳で立っているマーサさんがいた


「あんた! マーサさんに何をしたの!!!!!!!」

男のほうに向きかえりながら叫ぶ

しかしそこにはすでに男はいなかった。


「っとこのような形をとって冷静さを欠かせれば意外と勝てるものなのです

」失われていく意識の中、男のそんな声が聞こえた。


どうも著者です。

今日は久しぶりに一日暇だったのでたまっていた趣味に時間を費やし

余った時間でこれを書きました(笑


感想を書いてくれているかたありがとう!

しかし最近感想に共通したことが結構書かれています。

どんなことかというと↓


こんのクソ著者が!!!!

一話一話がみじかいんじゃぼけえええ!!!!!!!

もっと長く書かんかあほんだら!!!!!!


といった内容でございます。

申し訳ございません

しかし!今日は今までで一番長いと思います!

どうだ!

著者がんばったよ!

これぐらいが読みやすいのでしょうか?


それともう一つ感想の中に興味深い意見があったので紹介と解説をさせていただきます。


意見というのは主人公の性格に幅がありすぎるのではないか?という指摘でございます。

指摘された箇所は主人公リアンが竜の血を取りに行くときに、もらえなかったら「奪う」と書いてあった箇所です。

読者様がここを「殺してでも奪う」というニュアンスでとらえたことについて少し考えさせられました。

これは別に読み間違いじゃん!っといった読者様の間違いではなく私の描写の少なさに起因するミスだと結論付けました。

その理由としては「奪う」という表現がすごくさらっと述べられているのです。

人助けをするやさしい主人公がこれではなんかな~というのが読者様の考えだと思います。

しかしこれにはまず理由があります

主人公は生まれた瞬間18歳であり、主人公がいた世界では竜種は家畜だったのです。

よって主人公は竜を家畜という考えのもと竜の血を取りにいくという行動を起こしているのです。

奪うという発言はここに起因するもので、いやな言い方ですが主人公はこのとき罪悪感を感じておりません。

私たちが豚肉を食べても罪悪感を感じないように

しかし実際に野生の竜というものに出会いそのあり方を学ぶのです。

知っての通り主人公は今普通?の生活をし、人間としての行き方を学んでいる最中の子供です。

知識はありますが純粋です。

子供は純粋でやさしいものです。

もっとも主人公はそこまで子供というわけではなく、きちっとした考え方も持っています。

っとここまで言っておいてなんですが

こんなに考えているなら最初っから描写をもっと入れて読者にわかりやすくしていろって感じですね(笑

読んでわかるとおり著者の書いている物語は描写が少なくさくさくストーリーが進みます。

最初から30話くらいで終わらせるつもりだったのでわざと描写を入れなかったのです(そのほうが進みが速いから

しかし、今になってあそこでこういうことを書いておけばここでこうつなげられたのに!!っと悔やまれるところがいくつもあります(涙

今回の奪うっという表現の誤解もそういった著者の怠惰が招いた弊害だと考えてます。


今回指摘してくださった方、本当にありがとうございます。

こういう指摘については次の話のあとがきで必ず考えを述べるので(こんな感じに)どしどし待ってます。

本当勉強になりました。

普通の感想、誤字脱字の指摘もどしどし待ってるのでよろしくお願いします

今回は長めに書いたので誤字が多いかも(笑

では!






実はこのあとがき二度同じことを書いてます

というのも書いている最中うっかり全文を消してしまったのです。(涙

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