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かなり短めです。
朱石燕は自室の窓から自慢の庭を眺めていた。
日々、仕事に忙殺されているので、寝る前に自ら手を加えている庭園を眺めるのが、唯一の憩いだ。
ふと、窓の下に気配を感じた石燕は眉を顰める。
「首尾良くいったか?」
窓の下の黒い影に声をかけると、影は徐々に人の形となっていった。
「……申し訳呉ざいません。仕損じました」
跪いている影の表情は伺えないが、石燕の次の言葉を待っているようだ。
「次の手を打て。捕縛された者の始末はどうした?」
「今頃息絶えているかと……」
「必ずあの小娘を仕留めろ。次は失敗するな」
「はっ!」
影の気配が遠ざかっていく。
苦々し気に石燕は己の爪を噛む。
「二年ほど行方知らずであったのに、まさか帰ってくるとな。そのまま行方をくらませておれば、命を落とすこともなかったであろうに。愚かなことだ」
誰にともなく呟くと、石燕は窓を閉めた。
明日からは7時、12時、21時に一章ずつ急ぎ足で投稿していきます。
よろしければ、最後までお読みいただけますと幸いです。
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