♥ 正門で順番待ち
「 物品を貢げ 」って言われた時は流石にイラッとしたけど、敵から【 徴収 】したのを貯めるだけでぐりっぺ神へ貢いでる事になるなら、案外楽かも知れないな。
アルラシール
「 因みに【 徴収 】を発動させる時は、片手で構わないのか? 」
●●え●●
「 左右の甲を敵側へ向けた状態で高く掲げながら【 徴収! 】って叫ぶよ 」
アルラシール
「 そうなのか 」
●●え●●
「 フィールドへ出たら、【 徴収 】と【 補充 】をスムーズに出来るように練習をしよう!
アルス君なら直ぐに慣れちゃうよ 」
ガチャ●●
「 【 徴収 】と【 補充 】のコツが掴めたら、アクションロッドの扱い方も練習しようね。
ボクと打ち合いをするとアッスが怪我しちゃうから、アッスの相手は遭遇して戦闘になった怪物だよ。
≪ サントシーグ ≫の周辺には弱い怪物しか居ないから、目一杯練習が出来るし、経験も積めるよ。
装備した武器で攻撃を繰り返せば熟練度も上がるよ。
熟練度が一定値を上回ると、武器への “ 愛着度 ” が追加されるよ。
武器の愛着度をMAXまで上げてると武器の “ 真名 ” を入手する事が出来るよ。
入手した真名にガチャ能力の【 解禁 】を発動させると、武器をクラスチェンジさせる事が出来るよ。
クラスチェンジさせると武器に “ ランク ” が追加されるんだ。
熟練度を上げれば、ランクも上がるからドンドン熟練度を上げて武器を強くしてあげよう! 」
アルラシール
「 鯔のつまり、次々に武器を買い換える必要が無いって事か。
最初の武器をひたすら使い続けるだけで、勝手に武器が強くなってくれるわけか… 」
ガチャ●●
「 そうだね。
但し、これが可能なのはガチャ能力を授けられたアッスだけの特権だよ。
他の人間には適用されてないから忘れないでね。
それに防具品や装飾品は装備をしていると傷付いたり、劣化したり、壊れたりするから注意してね。
その都度、新しい防具品や装飾品に買い換える必要があるよ 」
アルラシール
「 そうなのか?
──っていうか、防具品と装飾品って劣化するのか?? 」
●●え●●
「 うん、するよ。
装備してない防具品や装飾品は、何時迄も新品のままだよ 」
アルラシール
「 そうなんだな。
覚えておくよ 」
ガチャ●●
「 ●●え●●,アッス──、もう直ぐボク達の番だね!
フィールドへ出たら何処を目指す? 」
●●え●●
「 そうだなぁ……先ずは≪ バニスダン ≫を目指してみようか。
幾つかの≪ 村落 ≫と≪ 町 ≫を経由する事になるよ 」
アルラシール
「 ≪ バニスダン ≫か。
話には聞いた事があるけど、行った事がないな。
≪ バニスダン ≫に行きたいけど、ガチャ●●は良いのか? 」
ガチャ●●
「 アッスの行きたい所で良いよ。
自由気儘に楽しく家出旅を満喫しちゃおう! 」
アルラシール
「 そうだな!
よし、最初の目的地は≪ バニスダン ≫に決定!! 」
目的地も無事に決める事が出来た僕達にも漸く順番が回って来た。
正門の門番をしている兵士へ冒険者許可証と商人許可証を見せると、怪しまれる事もなく無事に≪ サントシーグ ≫を出られた。
──*──*──*── フィールド
フィールドへ出るとパーティーを組んでいる大勢の冒険者達が≪ サントシーグ ≫を次々と旅立って行く。
中には周辺で怪物を狩ったり、冒険者ギルドで請け負った依頼を達成させる為に目的地を目指す冒険者達も居るんだろう。
旅人や旅行者を目的地まで護衛する依頼を受けた冒険者もチラホラ居るみたいだ。
戦闘に不慣れな旅人や旅行者は乗り合い馬車を利用して目的地を目指すのが一般的で、護衛には傭兵よりも冒険者へ依頼を出すケースが多いようだ。
商人になると護衛には冒険者ではなく、戦闘に特化した傭兵へ依頼を出すらしい。
そう言えば《 ギルド街 》を歩いている時に、傭兵ギルドの前を素通りしたっけ。
旅人ギルドや旅行者ギルドも幾つか見た気がする。
旅人ギルド,旅行者ギルド,商人ギルドは、冒険者ギルド,傭兵ギルドと護衛契約をしているらしくて、個人で護衛依頼をするよりもギルド経由で護衛依頼をした方が料金が3割程安くなるそうだ。
旅人ギルドや旅行者ギルドで3割負担してくれるらしい。
仮に依頼主と護衛側の間で何等かの問題が起きたとしても、ギルドが間に入って仲裁してもらえるんだとか。
家出旅をする僕には関係無い話だ。
初めて出たフィールドは広くて、遠くには森や山が見える。
≪ サントシーグ ≫の中と違って、心無しか空気が美味しく感じる。
●●え●●
「 ──アルス君、≪ バニスダン ≫へ行くなら此方だよ 」
アルラシール
「 よぉ〜〜〜し、行ける所まで歩くぞ!! 」
ガチャ●●
「 張り切ってるね、アッス 」
僕は●●え●●,ガチャ●●と共にコッコ,チチ美を引き連れて歩き出した。
僕だけの家出旅が幕を開ける。
どんな旅になるのかな??
不安な気持ちは有るけれど、●●え●●とガチャ●●が何時でも傍に居てくれるし、助けてくれるからイレギュラーな事が起きたとしてもきっと大丈夫だと思う。
僕が≪ サントシーグ皇国 ≫の “ ナイン皇子殿下 ” だって事は伏せて旅をしようと思う。
連れ戻されても困るからな〜〜〜。
── Fin ──
◎ アルラシールの物語は此処で終わりです。
初めから此処迄しか考えていないので、続きはありません。
一味違う(?)「 ガチャ系無双作品 」は如何でしたか。
無双する前に終わる形になりましたけど、読んでくださって有り難う御座います。