♥ 城下町で装備を揃える 1
──*──*──*── 城下町
自宅の隠し通路を使って、自宅の “ お膝元 ” と呼ばれている《 城下町 》へ出た僕──ことアルラシール・モル・デュワス・サントシーグは、突然の特殊能力覚醒を経て “ ガチャ召喚 ” なるもので呼び出した「 コンプライアンス的にアウト〜〜〜、イっパぁツ!! 」な存在であるガチャ●●と●●え●●と共に人混みの多い《 城下町 》を歩いている。
何故だか往来している誰もが、ガチャ●●と●●え●●に対して、完全無欠な程に見事なスルーをしてくれている。
いや……何で??
容姿を見たら色々とツッコミ入れたくならないか??
何で皆、ガチャ●●と●●え●●をスルー出来るんだ??
人間が歩いてる訳じゃないんだぞ!!
緑色の謎の生物と青色の短足青●ヌ●が、人目を気にもせず堂々と闊歩していると言うのにだ…。
どゆことだよ?!
いやね…誰にも注目されないで移動が出来るのは有り難い事なんだけども……。
アルラシール
「 ●●え●●,ガチャ●●……何で誰も2人に見向きもしないで無関心なんだ? 」
ガチャ●●
「 それはね、ぐりっぺ神の補正の力が能いてあるからだよ 」
アルラシール
「 補正の力?? 」
●●え●●
「 ボクとガチャ●●は本来ならこの世界に存在しないからね。
ご都合的に補正されるんだよ 」
アルラシール
「 そ…そうなんだ… 」
●●え●●
「 それよりも、折角《 城下町 》へ来たんだからアルス君の装備を整えないとね 」
ガチャ●●
「 そうだね。
フィールドへ出たら怪物と遭遇するし、ちゃんと戦えるように武器と防具を買い揃えようよ 」
アルラシール
「 怪物はガチャ●●が倒してくれるんじゃないのか? 」
ガチャ●●
「 ボクが倒しても構わないけど、素材や肉が手に入らなくなるよ。
破壊光線は強力だから加減が難しいんだ。
何せ木端微塵にしちゃうからね 」
●●え●●
「 倒した怪物を解体するなら、アルス君が倒した方が良いんだよ 」
ガチャ●●
「 勿論、戦闘にはボクも参加するし、アッスをサポートするから背中は任せて! 」
アルラシール
「 有り難な… 」
何だよ……、結局は僕が戦う事になるのかよ…。
それなら装備品には妥協は出来ないな。
「 値切り交渉は、お任せ 」とか言ってたから●●え●●には確り値切ってもらわないとだ。
●●え●●
「 ──テッテレぇ〜〜♪
《 城下町 》の地図〜〜〜。
今は此処等辺に居るから、《 商店街 》へ行くには── 」
●●え●●……今、普通に地図をポケットから出したよな?
「 テッテレぇ〜〜 」って効果音を口で言ってたぞ!?
アルラシール
「 ●●え●●……因みにだけどさ…《 城下町 》の地図なんて持ってたんだな? 」
●●え●●
「 うん。
荷造りしている最中にミニ●ラが城内から拝借して来てくれたよ。
他にも旅に必要そうな物は手当たり次第に拝借して来たから、当面は暮らして行けるよ 」
アルラシール
「 拝借って……。
それって泥棒…… 」
ガチャ●●
「 アッスの旅に役立つ道具を確保して持ち出しただけだよ。
アッスの自宅にあった物をアッスが使うんだから泥棒にはならないよ。
犯罪にはならないから安心して 」
アルラシール
「 …………ま、まぁ…確かに…。
僕の家にある物を僕が使うんだからセーフ…なのかな? 」
●●え●●
「 アルス君、《 商店街 》にある武具屋へ行こう! 」
上手く言いくるめられたような気もしなくはないが──、取り敢えず僕は●●え●●とガチャ●●と共に《 商店街 》を目指して移動した。
──*──*──*── 商店街
──*──*──*── 武具屋
安くもなく高額でもない無難な武器や防具を取り揃えている武具屋へ到着した。
●●え●●とガチャ●●が今の僕に適した武器と防具を見極めて選んでくれている。
ガチャ●●
「 ──ねぇ、●●え●●。
これなんてアッスにどうかな? 」
●●え●●
「 うん、素材が良いね!
だけど、アルス君には重たいと思うよ 」
何か……不思議な光景だな──って思う。
前世で見ていたテレビの画面の中でしか見られなかったガチャ●●と●●え●●が僕の目の前で防具を品定めしているなんて、どんなカオスだよ…。
ガチャ●●は実写の着ぐるみだったし、●●え●●なんかは漫画やアニメの絵だぞ。
こんな共演は完全にコンプライアンス的にアウトだ。
目の前のガチャ●●に関しては、可愛いんだけど…着ぐるみ感が排除されたみたいな感じになっている何か不気味だ。
●●え●●に関しては、漫画やアニメの絵ですらなく、本当に作られた超高性能なネコ型●●ッ●みたいだ。
耳は付いてないけど……。
●●え●●
「 アルス君、これを試着してくれるかい? 」
アルラシール
「 分かった 」
●●え●●から手渡された防具一式を受け取って、僕は試着室の中へ入った。
試着を終えた防具はこのままの状態で買い取りになった。
今はガチャ●●と●●え●●が僕にも扱える武器を吟味して選んでくれている。
無難そうで扱い易いのは剣だろうな。
ガチャ●●
「 これが良いんじゃないかな? 」
●●え●●
「 うん、これにしようか 」
どうやら僕の扱う武器が決まったみたいだ。
アルラシール
「 どんな武器に決まったんだ? 」
ガチャ●●
「 ジャッジャ〜〜〜ン!
棍棒だよ〜 」
アルラシール
「 はぁ?
棍棒…??
剣じゃないのか? 」
●●え●●
「 剣だと怪物を倒した時に斬り傷が付いて素材の質が落ちてしまうからね。
棍棒で急所を一突きすれば、怪物の体を傷付けないで済むんだよ。
素材も高値で買い取ってもらえるんだ 」