♥ 前世の記憶が戻った 3
●●え●●
「 ぐりっぺ神と〈 大陸神モイクリンド 〉は同じ方便身なんだよ 」
アルラシール
「 ほうべんしん?? 」
●●え●●
「 呼び方が違うだけで、根っ子は同じ “ とこしえの神 ” って事だよ 」
アルラシール
「 うん…??
根っ子……? 」
●●え●●
「 アルス君の前世の言葉で言うと──、諸天善神諸菩薩,久遠実成,サムシング・グレート,神様,佛様,神佛,エネルギーの根源,御天道様…とか色々な言葉で呼ばれているよ。
言葉は違うけど、指している意味は同じだよ。
だから、罰なんて当たらないし、天罰だって落ちないよ。
抑鞍替えもしていないし 」
アルラシール
「 そうなんだな…。
それを聞いて安心したよ 」
ガチャ●●
「 アッス、家出をするなら先ずは荷造りだよ。
当面の間必要になりそうな物を集めよう。
皇子だし必要な物なら簡単に揃えられるんじゃないかな? 」
アルラシール
「 そうだと良いけどな…。
荷造りを始める前に旅に必要な物をリストアップするかな… 」
そんなわけで、インクを付けた羽ペンを右手に持った僕は、白紙に必要となるであろう道具を書き出してリストアップした。
6日後──、僕は晴れて15歳となり、成人の儀式が厳かに執り行われた。
結局、皇位継承権放棄の儀式が執り行われる事はなかった。
そんなわけで、僕は自室の机の上に父上宛とお母様宛の書き置きを残して、ガチャ●●と●●え●●と共に翌日の朝、サントシーグ城を出て家出計画を決行させたんだ。
どうやってサントシーグ城を出たのか──って?
城には昔から隠し通路なる物が幾つも作られているものだ。
夜の内にミニ●ラが見付けてくれた隠し通路を通って、内々にサントシーグ城から抜け出したんだ。