これからどうするのかはあなたに任せます
あれ? ここ、どこ……?
「おはようございます。自分が誰なのか分かりますか?」
この座敷童子、いつからここにいるんだろう。
「え? あー、えーっと、私は……」
「あなたの名前は『木下 華菜』。警察官です。ちなみに階級は巡査です」
「……そっか。というか、ここ、どこなの?」
「ここですか? ここは雅人さんの部屋です」
「……まさ、と?」
その名前を聞いた瞬間、私は全てを思い出した。
「ね、ねえ! 雅人はどこ!? 私、あの子を騙してたから今すぐ謝らないといけないの! ねえ! 雅人は今どこにいるの?」
「雅人さんは今学校にいます。それと彼はあなたのことを全て知った上であの日あなたの元へ向かいました。なのであなたは自分の体のことだけを考えてください」
「わ、分かった」
「では、何かあれば呼んでください」
「あっ! ちょっと待って!!」
「何ですか?」
「私、これからどうなるの?」
「あなたは被害者なので体調が良くなり次第、すぐに復帰できますよ」
「ダメだよ、そんなの。ちゃんと罪を償わないとこの先絶対後悔するよ」
「そうですか。では、できるだけ長生きしてください」
「え?」
「身を粉にして働き、日々精進し、一日でも長く生きてください。それがあなたの贖罪です」
「そう、なのかな?」
「まあ、これからどうするのかはあなたに任せます。あなたの人生の主役はあなた自身なのですから」
彼女はそう言うとその場からいなくなった。うーん、まあ、とりあえず寝よう。これからどうするのかは一眠りしたあとに考えよう。




