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カメレオンのお姫様

 カメレオンのお姫様は僕が通っている高校の屋上にいた。


「姫様、私です。レオです。さぁ、早くお城に戻りましょう」


「いやよ! というか、あんな狭い場所で一生生きていくなんて絶対無理!!」


「……姫様」


「なら、部屋を広くすればいいじゃないか」


「あんた、誰? 人間?」


「うーん、僕は人間でもあり妖怪でもあるから……半妖、だな」


「あっ、そう。で? その半端者が私に何の用?」


 それを聞いた夏樹なつき(僕の実の妹)がブチ切れそうになったため僕は夏樹の頭を優しく撫でて怒りをしずめた。その後、僕はお姫様(巨大なカメレオン)にこう言った。


「あんた、自分が何をしているのか分かってるのか?」


「はぁ……あのね、私は私が過ごしやすいようにしてるだけなのよ? それの何がいけないの?」


「えっとな、あんたが発光してるせいで世界の色が一色になってるんだよ。人によって赤色だけの世界だったりオレンジ色だけの世界だったりするけど、それだと色々困るんだよ。だから、今すぐやめてくれ」


「そんなことしたら私が過ごしやすい世界じゃなくなるじゃない!!」


「そうか。あんたにとってこの世界は居心地がいいんだな。なあ、あんたはどうしてこの世界に来たんだ?」


「え? そ、それは……外に出たかったからよ」


「それだけか?」


「え?」


「何かを探しに来たんじゃないのか?」


「あんたに何が分かるのよ」


「え?」


「この広い世界で生きてきたあんたに私の何が分かるのよ! いい? 私はね! 私が過ごしやすい世界を作りたいだけなのよ! だから、私の邪魔しないで!!」


「……そうか。なら、今すぐ僕を殺せ」


「は、はぁ? あんた、いきなり何言ってんの?」


「僕は夏樹なつきがいるこの世界が好きなんだよ。だから、勝手に改造しないでくれ」


「改造って私は別に改造なんかしてな」


「してるだろ。それともまだ自分が何をしているのか分からないのか? このわがまま箱入り娘!!」


「ぶ、無礼者! レオ! 今すぐこいつを殺しなさい!」


「姫様、私は姫様の執事です。姫様の身の回りのお世話はできますが殺生はできません」


「なんでよ! 早くそいつを殺しなさいよ! じゃないとクビにするわよ!!」


「どうぞご自由に。私は元々、王の執事ですのでいつ失業しても再就職できます」


「ちっ! 使えないわね! なら、私が直々にあんたを殺してあげるわ! 覚悟しなさい!!」


「あんたにできるのか?」


「え?」


「僕を殺すと僕の家族や友人たちがあんたを殺しに行くぞ? それでもいいのか?」


「は? なに? あんたまさか、私を脅してるの?」


「脅しじゃない。僕は僕を殺した後の話をしてるだけだ」


「あっ、そう。というか、あんたすでに私の射程内にいるわよ」


「あんたも僕の射程内にいるぞ」


「う、嘘よ! そんなの嘘に決まってる!!」


「じゃあ、証拠を見せてやろうか? まあ、ここに来た時に設置したトラップを発動するだけだがな」


「そ、それより先に私の舌があんたの心臓を貫くわ!!」


「さて、それはどうかな?」


「こ、この! バカにするなー!!」


 僕はお姫様の舌が僕の心臓を貫く前に人間の闇でできている縄で彼女を拘束した。


「残念。あんたの負けだ」


「く、くそー!!」


「ありがとうございます。では、私たちはこれで失礼します」


「いや、まだだ。このままだとまた家出するだろうから少し話をさせてくれ」


「分かりました。姫様、無駄な抵抗はしない方がいいですよ」


「うるさい! あっち行け!!」


「分かりました」


「……さてと、それじゃあ、さっきの話の続きをしようか。なあ、あんたは何を探しにこの世界に来たんだ? あー、早く言った方がいいぞ。もうすぐ夏樹なつきがブチ切れそうだから」


 夏樹なつきをチラ見したお姫様は自分の身を守るためにペラペラしゃべり出した。

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