妖怪用のトラップ
夕方……僕の家の近くにある公園……。
「よし、じゃあ、やろうか」
「どうしてもやらないといけないんですか?」
「私は君の本気が見たい。君は私に借りがある。そして今日は君の妹がこの場にいる。つまり、君は今私と手合わせしなければならない状況にあるんだよ」
「……そうですか。夏樹、すぐ終わらせるから少し待っててくれ」
「うん! 分かった!!」
「すぐ終わらせるだと? 面白い、やってみろ!!」
僕は一条先輩が抜刀する前に人間の闇でできている大量の刃を先輩めがけて放った。これをどうにかするには不老不死になるか地面に潜るしかない。まあ、この公園には人間の闇でできているトラバサミとか地雷があるから生きている限りここから出ることはできないんだけどな。
「降参してください。じゃないと体バラバラになりますよ」
「……なるほど。これが君の本気か。だが、私が妖怪だったら君はおそらく今頃死んでいたぞ」
「でしょうね。この公園にあるトラップは全て対人用ですから」
「そうか。ということは近々妖怪用のトラップを設置するんだな」
「はい、そうです。まあ、あとは僕の家の周囲くらいですけどね」
「そうか、分かった。では、また明日」
「はい、また明日」
彼女は僕の肩をポンと優しく叩くとその場から立ち去った。よし、帰ろう。




