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私は気にしないよ
僕が家から出ようとすると、夏樹(僕の実の妹)がものすごい勢いでやってきて僕の背中に飛び乗った。
「ちょ、このままだと歩きにくいんだが」
「今日はこのまま学校行こう」
「いや、これだと普通に目立つだろ」
「私は気にしないよ」
「いや、お前が良くても僕は……」
「お願い、お兄ちゃん。明日のお弁当のおかず豪華にするから」
「はぁ……しょうがないな。今日だけだぞ」
「わーい! やったー! お兄ちゃん、大好きー!!」
まあ、今日だけというか、明日生きて帰れるか分からないから許したんだがな……。
「よし、じゃあ、学校行くか」
「うん!!」
夏樹、僕がいなくなっても強く生きるんだぞ。




