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じゃあ、私お兄さんの足になる

 僕が帰宅すると元大百足(おおむかで)の一部だった『百花もか』が出迎えてくれた。


「おかえり、お兄さん」


「ただいま。夏樹なつきはまだ寝てるのかな?」


「うん、まだ夢の中だよ」


「そうか」


 僕が洗面所へ向かおうとすると、彼女に呼び止められた。


「ねえ、お兄さん」


「ん? なんだ?」


「お兄さんの妹ってちょっと変わってるよね」


「うーん、まあ、そうだな」


「え、えっと、その……わ、私もお兄さんの妹になっても……いい?」


「それはダメだ」


「え?」


「あいつは僕の妹というポジションを奪われたくないみたいだから、僕の妹にだけはならないでくれ」


「……分かった。じゃあ、私お兄さんの足になる」


「ああ、それなら……ん? お前今なんて言った?」


 彼女はキョトンとしているが、他人の足になるなんてセリフを日常生活で聞くような機会はほとんどないため僕は少し驚いてしまった。


「じゃあ、私お兄さんの足になるって言ったんだよ。あっ、別にお兄さんの足を千切ちぎろうだなんて考えてないよ。ただ、私はいつでもムカデになれるからお兄さんの予備の足になれるって意味で」


「あー、なるほど、そういうことか。あー、びっくりしたー。でも、別にそんなことする必要はないぞ。お前はこれから普通の女の子として生きていけばいいんだから」


「うん、分かった。じゃあ、私お兄さんの愛人になる」


「あ、愛人ってお前な……」


 この、好意をストレートにぶつけてくるな。まあ、別にいいけど。

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