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黒龍の鋭爪!!

 前回のあらすじ。なんやかんやあって、うちの高校の生徒と公園で戦うことになった。


「ねえ、君って本気出したことある?」


「ありますよ。まあ、妹がピンチにならないと出しませんが」


「そっか。じゃあ、本気出させてあげるよ。私のとっておきの技で!!」


 ああ……彼女がさやから刀を抜く動きが止まって見える。はぁ……どんどん人ではない何かになっていくなー、僕。僕は彼女が技を出す前に彼女をギュッと抱きしめた。


「い、いきなりなんだ! 私に惚れたのか!?」


「違います。それよりもう帰っていいですか? あなたの動きが遅すぎるせいで眠くなってきました」


「お、遅すぎるだと!? バカにするな!!」


 彼女は僕を押しのけると、再び刀を鞘から抜こうとした。その間、僕は人間の闇で両腕を剣にしながら彼女の服を切り刻んだ。


「ふざけるな! どうして本気を出そうとしないんだ!! 君の実力はこんなものではないはずだ!!」


「どうしてって、本気を出したらあなたを殺してしまうからですよ。えーっと、まだやりますか?」


「バカに……するな!! 秘技! 黒龍の鋭爪えいそう!!」


「はぁ……闇沼」


「なっ! なんだ! これは!? なぜ足元に闇でできている沼があるんだ!!」


「動かない方がいいですよ。それ、底なし沼ですから」


「そうか、分かった。だが、これだけは言っておく。なぜ君はそれほどの実力がありながら公式の大会に出場しないんだ?」


 そうか、この人は戦士だったのか。


「僕が出場したら死者が出るからです。それに僕なんかより女性のあなたの方がいい宣伝になるでしょう?」


「……私は二位だからそこまでいい宣伝にはならなかったよ」


「二位? じゃあ、一位は誰なんですか?」


「酒好きで有名な酒呑童子だ」


「え? あいつってまだ生きてたんですか?」


「ああ、生きているよ。誰かさんに首を切り落とされる前に脱皮していたからね」


 脱皮って……なんか爬虫類みたいだな。


「そうですか。えっと、もう少ししたらその沼消えるので動かないでくださいね。じゃあ、僕はこれで」


「待て! 私の話を最後まで聞いてくれ!!」


「そんなの聞かなくても分かりますよ。どうせその大会に出てくれって言うんでしょ?」


「ああ、そうだ! 頼む! 私の代わりにやつを倒してくれ!!」


「その大会に出場することで得られる経験値は僕にとってプラスになりますか?」


「なる! 絶対なる!! もし、プラスにならなかったら私の体を君に差し出してもいい! だから、頼む! 今回だけでいいから私の代わりに大会に出場してくれ!!」


「……少し考えさせてください。えーっと」


「私の名前は『一条いちじょう 真紀まき』! 君の先輩だ!!」


「そうですか。それでは一条先輩、また明日」


「ああ! また明日学校で会おう!!」


 はぁ……なーんかすっごく面倒なことになりそうだなー。

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