悪魔の種
オルゴールの妖精(?)と合体した僕は無意識のうちにこの世の嫌なものを吸収していった。
「あー、なんかフラフラするー」
「お兄ちゃん、大丈夫? 肩貸そうか?」
「ああ、頼む」
オルゴールの妖精(?)は毎日こんな状態だったのだろうか。うーん、まあ、今はそれよりもこの力をコントロールできるようにならないといけないなー。
「雅人さん、大丈夫ですか?」
「ん? あー、童子か。うーん、正直ちょっと辛いな」
「そうですか。では、これを食べてください」
「ん? それ、なんだ?」
「悪魔の種です」
「え? 悪魔の種?」
「安心してください。この中に悪魔はいません。悪魔だったものが入っています」
「悪魔だったもの?」
「はい、そうです。まあ、とりあえず騙されたと思って食べてみてください」
「あー、うん、分かった」
「待って、お兄ちゃん。こんな得体の知れないもの食べたらお腹壊すよ」
「そうかな?」
「そうだよ。ねえ、童子ちゃん。これ、いつどこで誰が作ったの?」
「私の家に代々伝わっている媚薬……ではなく秘薬です」
「そう。じゃあ、私が毒味してもいい?」
「ダメです」
「なんで?」
「ここに来る前に私が毒味をしているからです」
「ふーん、そうなんだー。で? それ食べたらどうなるの?」
「体内の闇が少しだけ減少します」
「へえ、そうなんだー。じゃあ、一つちょうだい」
「はぁ……分かりました。一つ差し上げます」
「ありがとう。それじゃあ、いただきまーす!」
……っ!!




