ムカデは〇〇の〇〇が苦手
僕は座敷童子の童子の指示通り動き、わざと大百足に食べられた。あの娘はまだ完全にこいつの一部になったわけではない。その証拠に微かに彼女の霊力を感じる。
「おーい! 迎えに来たぞー!!」
声、よく響くなー。
「ん? なんかうちで使ってるシャンプーのにおいがするな。えーっと、もっと奥の方からするな」
うーんと、おっ、ここか。
「みーつけた」
「お、お兄さん! どうしてここに!?」
「お前を助けに来たんだよ。えっと、下半身だけこいつと合体してるのか?」
「うん。でも、私、こんなところにいたくない。だから、お願い。私を助けて……」
「うん、いいよ。えーっと、たしかムカデは人間の唾液が苦手だったな」
僕が自分の唾液を彼女の下半身が埋まっている周辺に塗り始めると大百足は失神してしまった。
「よし、今だ!! せーのっ!!」
僕はカブを引き抜くように彼女を救出した。
「うわああああん! 怖かったよおおおおおお!!」
「よしよし、もう大丈夫だぞー。童子、いるかー」
「はい」
「今すぐここから出たいんだけど、できるか?」
「はい、できます」
「そうか。じゃあ、頼む」
「はい」
あー、良かった。これで一件落着だなー。




