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あの子、どっちだと思う?
帰宅時、僕はうちの庭に倒れている幼女を見つけた。全身ボロボロだがスウスウと寝息を立てている。
「なあ、童子。あの子、どっちだと思う?」
「妖怪だと思います。妖怪特有のにおいがするので」
「そうか。なら、放っておいても大丈夫だな」
「しかし、今のままだとあの子は霊力不足で死にます」
「え? そうなのか? なら、保護しないといけないな」
「そうですね。それがいいと思います」
「よし、じゃあ、夏樹を夏樹の部屋のベッドまで運んでくるからお前はあの子をうちのリビングのソファまで運んでくれ」
「分かりました」
秒で夏樹(僕の実の妹)を運び終えた僕は例の幼女の元へ向かった。
「体拭いてあげた方がいいかな?」
「顔と手足はもう拭き終わりました」
「そうか。なら、明日の朝、お風呂に入れてあげよう」
「そうですね。あっ、雅人さんはもう寝ていいですよ。明日も早起きしないといけないんですから」
「あー、まあ、そうだな。でも、その子霊力不足なんだろ?」
「私の文字の力でなんとかします」
「そうか。分かった。じゃあ、おやすみ」
「はい、おやすみなさい」




