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実況

 座敷童子と雪女の戦いが始まった。

 とりあえず殴打おうだ、殴打、殴打。

 次はハイキック、お互い華麗にかわす。

 おおっと! 座敷童子がひたいに文字を書いた。

 あれは『強化』だ! 自分の額に『強化』という文字を書いた!

 これで座敷童子の肉体が強化されたぞ!

 さあて、どうする? 雪女。

 おおっと! 雪女も対抗して、全身を氷のよろいで覆った!!

 これはアイスアーマーだ! 触ったらカチンコチンにされてしまうぞ!

 さあて、ここからどうなるのか。

 おっ、ここで座敷童子が攻撃を開始したぞ!

 これは……突進だ!

 ポ○モンなら反動でダメージを受けてしまうが、ここは妖怪と人が共存している世界だ!

 おそらく、それはないだろう!

 まもなく座敷童子が雪女に当た……おおっと! ここで雪女がよろいに翼を生やした!

 白鳥の翼のように美しい氷でできた翼だ!

 それをうまく羽ばたかせて……飛んだー!!

 なんと! 氷でできた翼で飛びました!!

 そのよろい、私も欲しいです!

 あとで作り方を教えてください!

 なんてことを言っているうちに座敷童子がバッタのようにジャンプ!!

 雪女は彼女のその行動を予測していたようだが、速さが足りない!!

 反応速度もそうだが、回避する時の動作が若干じゃっかん遅れてしまった!

 これは致命的なミスだ!

 座敷童子の蹴りをくらってしまった雪女!

 地面にキスを……する前になんとか着地!!

 口から血が出ています! 今ので口内のどこかを歯で思い切り噛んでしまったのでしょう!

 さぁ、どうする? 雪女!!

 おおっと! 雪女が氷で……やりを作った!

 そのやりを槍投げの選手のように目標めがけて投げたー!

 そのやりが座敷童子に刺さ……らない!

 当たる直前に体をよじらせて、回避したようです!

 しかーし! こういうのはだいたい……自動追尾するのがお約束だー!

 やりの先端が再び座敷童子の方を向いた!

 そして、ダツのように勢いよく座敷童子の方に前進する!

 さぁ、どうする! 座敷童子!


「さっきから夏樹なつきの後頭部にあるもう一つの口が実況しているのだが、どうしてだ?」


 彼がそう言うと、折り紙でできた赤いつる(なぜか夏樹なつきの声が聞こえる)はこう言った。


「私のもう一つの口がね、どうしてもやりたいって言ったから、仕方なくさせてあげてるんだよ」


「そうか、分かった。けど、もう少し静かにしてくれと言ってくれないか? 二人とも本気で戦ってるから」


 妹は「うん、分かった」と言った。

 やれやれ。はぁ……早く終わらないかな。

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