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偶像……地面……約束……律動……楽園……生放送
帰宅直後、誰かがインターホンを鳴らした。
「あー、僕が出るよ。虎姉はリビングでくつろいでていいよ」
「りょうかーい」
誰だろう。というか、早く晩ごはん食べたいなー。僕がそんなことを考えながら扉を開けると頭にイソギンチャクが生えている女の子が立っていた。彼女は満面の笑みを浮かべている。
「カレーは好き?」
「え? あー、まあ、嫌いではないかな」
「じゃあ、大丈夫!」
何が大丈夫なんだろう。
「偶像……地面……約束……律動……楽園……生放送」
「え?」
「あー! 気にしないで! それより、はい! これ! カレーたくさん作っちゃったからお裾分け!!」
「え? あー、ありがとう」
「あっ、一応再加熱した方がいいよ! そのカレー、隠し味の主張が激しいから!!」
「あー、分かった。ありがとう」
「どういたしまして! じゃあ、またねー!」
「うん」
カレーか。あっ、というか、僕あの子の家知らないな。うーん、どうしよう、この鍋返せないよ。ま、まあ、とりあえずこのカレーを今日中に食べ切ってしまおう。




