同時刻……無間地獄……。
僕が朝食を食べていると上級吸血鬼のアリシア・ブラッドドレイン(金髪ロングの美幼女)が僕にこんなことを言った。
「雅人、お前は幼い頃地獄に行ったことがあるのだが覚えているか?」
僕は一瞬フリーズした。そんなこと今まで聞いたことがなかったからだ。
「な、なんだよ、それ。僕、何か悪いことしたのか? というか、死んだのか?」
「死んではいない。ただ、お前のそばにいる鬼について十王に報告しに行っただけだ」
「そうなのか。えっと、その時一緒にいたのは誰なんだ?」
「お前の両親と妹だ。あっ、ちなみに我は少し離れたところから見ていたぞ」
「そうだったのか……って、夏樹も一緒にいたのか!?」
「え? あー、そういえば、そんなことあったなー。でも、よく覚えてないなー。あー、お兄ちゃんの目玉焼きおいしい!」
その言い方だとまるで僕の目玉を……いや、やめておこう。朝からグロ系はまずいからな。
「えっと、僕はその時何してたんだ?」
「不思議そうに周囲を見ていたぞ。まあ、お前の中にとんでもない力を持った鬼がいることを知っている者たちからしたら、目の前にいつ爆発するか分からない手足付きの爆弾があるわけだからな……さすがの十王も少しびびっていたぞ」
「え? そうなのか? なんか全然想像できないな」
「まあ、今は分離しているからもうお前はどこにでも行けるぞ」
「うーん、一応高校卒業するまではこの家にいないといけないから旅行は卒業後になるなー」
「お前は我の眷属だ。行きたい場所があれば、いつでも連れていってやるぞ」
「ありがとう、アリシア。でも、僕がこの国から出たらちょっとまずいことになると思うんだ」
「気にするな! 何か起きてもきっと十干や十王がなんとかしてくれる!!」
「だといいんだけど……」
同時刻……無間地獄……。
「……暇だなー。よし、今すぐここから出よう!」




